[写真]JA全中ビル、東京・大手町、2015年1月某日、筆者(宮崎信行)撮影。
新聞休刊日の朝ですが、怒りと驚きを禁じ得ません。
NHKニュースなどによると、自民党政調農林水産部門の江藤拓さん、野村哲郎さん、林芳正さんと農水事務次官らは、昨夜、都内ホテルで、JA全中(農協全国中央会)の万歳会長と会い、アベノミクス第三の矢「成長戦略」だと自称する、農協改革について話し合い、大筋の一致を見たようです。
今次第189通常国会に農協法改正案が提出される見通し。
この中で、自民党素案の「JA全中を一般社団法人に移行し、地域農協(単位農協)に対する監査権限を廃止すること」で一致を見ました。そのかわりに、「JAの准組合員への金融機能の利用の制限」は見送ることになったそうです。
これのどこが、農業改革なのでしょうか。
JAグループで、准組合員(非農業者)への住宅ローン貸出残高が最も多い土地柄は、横浜市内陸部だと思われますが、神奈川7区選出の江田憲司衆議院議員(維新の党代表)は、SNSで午前4時過ぎにメッセージを発信。
江田さんは、
「この程度の改革で農業再生とは!・・・JA全中の監査権限の廃止 「農協改革」を言うなら、農協を農家支援部門とその他の金融部門に分離し、しっかりと金融庁の監督下に置き、他の一般金融機関との公正な競争を促すべきでしょう。さらに言えば、農協の正組合員(467万人)より準組合員(非農家517万人)の方が多いという現状は、どう考えても「協同組合」という法の趣旨から逸脱している。この是正策は避けて通れないのに、安倍総理も全中や自民党内の抵抗勢力を恐れて手をつけません」
と批判しました。
一方、農林水産省が先週金曜日に民主党政策調査会役員会で説明した提出予定法案では、この農協法改正法案に、農業委員会法と農地法の改正案もくっつけて一本化することが説明され、民主党議員から争点が不明確になり採決にのぞみづらいとの苦言が出たようです。
これが農業改革とは驚きであり、自民党の改革マインドの無さは、国会議員団のみならず、地方議員団も同様であろうと断じざるを得ません。