【2014年5月28日(水)衆議院予算委員会「集団的自衛権などに関する集中審議」】
2014年5月15日(木)に安保法制懇の報告書が出て、それを受けた安倍晋三首相(自民党総裁)の記者会見の後、初めて衆議院予算委員会の予算の実施状況の調査が開かれました。そして、4月1日の消費税率8%引き上げから初めての予算委員会ですから、いかに自民党が国会を軽視しているか。きょうの委員会では、大島理森委員が辞任したようで東北ブロックの高橋ひな子委員に交代していました、ただ、安倍首相側近の塩崎恭久筆頭理事、山本有二委員(前予算委員長)、萩生田光一理事、衛藤征士郎委員(前副議長)らが安倍首相を見つめました。一方の民主党も、高木義明代表代行、松原仁国会対策委員長、櫻井充政調会長(参議院議員)、後藤祐一政調筆頭副会長らが審議を傍聴しました。
6委員のうち、安保に詳しい、岡田克也委員、大串博志委員、長妻昭委員の3人が登場。
この中で、岡田さんは2月10日の基本的質疑初日、2月20日集中審議に続いて、3度目の首相との一対一で集団的自衛権で対決。岡田さんは冒頭、「安保法制懇の報告書は取り上げません」と宣言し、その後の首相自らの国民への説明の場である、記者会見について取り上げました。
朝鮮半島有事のときに、3万人ほどいる日本人を艦船で移動させる米艦船に対する攻撃に集団的自衛権を行使すべきだとの首相の論に対して、米国以外の艦船も対象になると首相の説明不足を認めさせました。
報告書では「ペルシャ湾」と書いてあり、「ホルムズ海峡」の文字はありませんが、首相は「ホルムズ海峡」と地理的明示をして、機雷の除去をしないと、石油が入ってこなくなるとして、「国民の生命と財産を守れない」としました。私は傍聴席で「なぜ生命と関係があるのか」と不思議に思いました。石油が入ってこなくなると、日本人は一斉に餓死するのでしょうか。
岡田さんが「非常におかしな議論になっている」とし、集団的自衛権ではなく、個別的自衛権や警察権で対応できる可能性もあるから、事例ごとに議論しよう、総理は集団的自衛権の限定容認をしたいから、いろいろな事例を持ち出して議論が分かりにくくなっている・・・と話している最中に、安倍首相が「・・・分かってないんだから」とやじりました。
これに対して、岡田さんは「分かっていないのは私は、総理の方だと思いますよ。ですからあなたは失礼ですよ、そういう言い方はね。分かっていないからと言って失礼ですよ。あとで議事録をみればどっちが分かっていないかハッキリしますから。また次の予算委員会でやりましょう。一国の総理大臣なんだから、もう少し懐深く議論された方がいいと思います。発言を求められていないのに、自席で野次るように分かってないぞという言い方は総理として絶対言うべきでないと申し上げておきたいと思います」。
この後、安倍首相は答弁のはじめに「私は懐深く答弁しております」と反応しました。
さて、夕刻に朗報が入ってきました。衆議院野党第一会派の座をうかがっていた、日本維新の会が自爆し、分党することになりました。第186通常国会中の野党第1会派の維持が確実になりました。第46期衆議院の民主党は海江田万里代表の懐の深さで、離党者が1人にとどまっています。離党者は、元新進党の選挙対策委員長だった二階俊博の自民党派閥に身を寄せましたが、きょうの休憩中に傍聴者の高木義明代表代行が二階俊博予算委員長に声をかける場面があり、新進党再結集の気配が出てきました。
表情(ひょうじょう)という言葉は、広辞苑によると、「心中の感情・情緒を、顔つきや身振りに出してあらわすこと。また、そのあらわれたもの」とあります。
政権交代ある二大政党政治のための衆議院小選挙区を導入する公職選挙法改正案の廃案を決める自民党臨時総務会の封鎖に向けた、1993年6月15日の1期生の岡田さん。新進党分党を決める両院議員総会で、小沢一郎党首に「新進党と書いてくださった有権者に対する裏切りだ」と語った1998年12月28日の3期生の岡田さん。そして、安倍首相に「分かっていないのはあなたの方だ」と語った2014年5月28日の岡田さん。
例えば、ウルトラマンのそれのように、岡田克也の背中にもファスナーがあって、変身するのではなかろうか。
いわば中選挙区大王の宮澤喜一総裁、新進党解党悪魔の小沢一郎氏、そして戦争大王の安倍晋三首相。対決する相手はいつも世襲議員です。第4次吉田内閣の「バカヤロウ解散」に続き、第47回衆院選は「分かっていないのはあなたの方だ解散」になる気配が出てきました。忘れられない表情を、現場で見られてよかったです。
◇
民主党の海江田万里代表は、2014年5月28日(火)の常任幹事会で、「民主党改革創生会議」を立ち上げ、岡田議員の初当選前からの秘書である金指良樹・衆議院民主党秘書会長を委員に充てる人事を提案し、了承されました。金指委員は、衆議院側秘書の待遇に関する意見や、公認内定者応援活動で得た情報を吸い上げて、党改革に反映させることになります。
2015年4月の統一地方選挙勝利に向けて、海江田民主党頑張りましょう!
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