【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

見えてきた!会期末(年末)話し合い解散のシナリオ

2008年12月08日 21時25分52秒 | 第170臨時会(2008年9月~12月)麻生兵糧攻め
[写真は「話し合い解散」に言及した自民党幹部の発言を伝える7日付毎日]

(このエントリーの初投稿日時は12月8日午後9時半)

 私は年末(会期末)に、「話し合い解散」に追い込める可能性が出てきたと考えています。

 時計の針をさかのぼること、ちょうど半世紀前、1958年の岸信介・自民党総裁(首相)、鈴木茂三郎・日本社会党委員長による「話し合い解散」と同じ手順での解散に「追い込む」可能性が出てきたと思います。

 下が私の考えるシナリオです。「新テロ特」と「金融強化法」の採決日程がずれつつあるのですが、あす朝に民主党の役員会と常任幹事会がありますので、今夜中にとりあえず、アップしておきます。

 自民党幹部の内閣不信任案採決での造反→党分裂に対する恐怖心を逆手にとって、そこから逆算して、揺さぶろうという考えです。

 ◇

2008年年末(170臨時国会会期末)話し合い解散のシナリオ

12月18日(木)参院外交防衛委員会で「新テロ特措法案」を可決
 同日     参院財政金融委員会で「金融機能強化法案」を再修正可決

12月19日(金)参院本会議で新テロ特措法案を参院で可決、成立(新テロ特の60日規定は12月20日から有効)
   参院本会議で、金融機能強化法案を再修正の上可決→衆院に送付(金融機能強化法案の60日規定は1月5日から有効)

12月22日(月)参院本会議に麻生首相問責決議案提出。
          輿石東君が提案理由説明(2次補正見送り)

          →問責決議可決

          小沢一郎代表が、「話し合い解散」の党首会談を申し入れ。
          この日から幹事長会談、国対委員長会談も随時実施。

 12月23日(火)衆院財務金融委員会で金融機能強化法案を採決。政府原案を可決。同時に「郵政株式売却凍結法案」を採決(否決?)

 12月24日(水)衆院本会議で、金融機能強化法案、郵政株式売却凍結法案を採決。

 12月25日(木)衆院本会議に麻生内閣不信任案提出。
          小沢一郎君が提案理由説明(2次補正見送り)
          細田博之君が反対討論。

          →賛成討論・採決前に河村官房長官が詔書を河野議長に伝達
          河野議長が「憲法第7条により衆院を解散する

(参考)

2009年1月1日  総務省の政党助成金算定の基準日→ただし新党への支給は4月20日になる。


麻生首相は「国民に大嘘をついた」と田原総一朗さん

2008年12月08日 17時11分26秒 | 第170臨時会(2008年9月~12月)麻生兵糧攻め

 ジャーナリストの田原総一郎さんは、8日夕のTBSラジオ「荒川強啓デイキャッチ」に出演し、「なぜ麻生内閣の支持率が下がったのか?」との問いかけに「大嘘をついたからだ」と答えました。

 これを聞いて、私は、15年前の宮澤嘘つき解散を思い出しました。政治情勢は今とは全く違いますが。田原さんは、内閣を倒したジャーナリストです(他には立花隆さんがいます)。

 当時は「総理と語る」という60分番組を民放がチャンネルごとに持ち回りでやっていて、だいたい数ヶ月に1回ずつ放送していました。

 第126通常国会の会期末前は、政治改革関連法案で大もめでした。

 テレ朝製作の1993年5月31日、政治改革関連法案に関して宮澤喜一首相(自民党総裁)は「終わってみれば、ああなるほど宮澤はこういう風に考えていたんだ、という風にしてみせます」と語り、通常国会で法案を成立させると約束しました。この発言は「政治のプロ発言」と言われ、感じが悪かったうえ、翌月には嘘と判明。

 6月18日の衆院本会議で、日本社会党の山花貞夫委員長が内閣不信任案の提案理由説明の演壇に立ちました。

 「政治改革を今国会で断念したあなたは、日本の議会制民主主義を危機に陥れ、国民の前で、総理大臣はうそつきだ、政治家はうそつきなどの認識を流布したものとなるではありませんか。国民を政治不信の底知れぬ谷間に落としたまま、実りなき国会を終わる責任はまことに重大であります」

 この不信任案には自民党羽田派(改革フォーラム21)の34人も賛成し、宮澤内閣不信任案は可決。内閣は対抗して、衆院を解散し(69条解散)、自民党はいったん政権を離れます。

 政治状況は全く違います。

 しかし、前回の(小沢一郎新生党代表幹事主導の)政権交代の直前には宮澤首相(自民党総裁)の嘘を田原さんが繰り返しの質問で引き出し、TV映像として証拠に収めました。

 田原さんは先週、麻生さんと会ったようです。そのうえで「大嘘をついたからだ」と語りました。「政権交代の前に田原あり」ということになれば本望でしょう。

 ちなみに改革フォーラム21の34人の中には、羽田孜さん、小沢一郎さん、渡部恒三さん、石井一さん、藤井裕久さん、前田武志さん、そして岡田克也さんがいます。北澤俊美・参院議員もメンバーでした。民主党の屋台骨を支える幹部の多くに今でも改革フォーラム21が残っています。小沢さん、藤井さんが「自由党」とかいう名前の政党をやっていた“過去”はもう忘れてあげましょう。

 ◇

 8日朝の朝毎読の3紙がそろって週末実施の内閣支持率調査を発表し、
 「内閣支持22% 麻生政権2ヶ月で急降下 本社世論調査」(朝日)
 「内閣支持 半減21%、首相適任は小沢氏が逆転 本社世論調査」(読売)などの見出しが踊りました。

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[1993年6月18日の衆院本会議]

http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=16250&SAVED_RID=1&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=7&DOC_ID=1655&DPAGE=1&DTOTAL=2&DPOS=1&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=16388

○山花貞夫君 私は、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党の三会派を代表し、ただいま議題となりました宮澤内閣に対する不信任決議案について、提案の趣旨を御説明いたします。(拍手)
 まず、決議案の案文を朗読いたします。
  本院は、宮澤内閣を信任せず。
   右決議する。
    〔拍手〕
以上であります。

 私は、ただいま「宮澤内閣を信任せず。」といたしました。しかし、既に主権者である国民の皆さんは、宮澤内閣に対して、はっきりと不信任の審判を下しているのであります。(拍手)宮澤内閣にこれ以上我が国のかじ取りを任せておけない、との世論が圧倒的多数だという事実を、総理並びに自民党議員の皆さんは厳粛に受けとめるべきです。

 そして、国民の宮澤内閣に対する不信任の審判は、同時に今日の日本の政治全体への不信任をも意味しています。これ以上国民の政治不信を放置しておけば、本院並びに国会議員たる私たちすべてが取り返しのつかない悔いを残すことになると言わざるを得ません。

 不信任の第一の理由は、本院の政治改革等特別委員会における百七時間を費やした審議とその経過を無視し、政治改革の実現を放棄したことにあります。

 今国会最大の任務は、言うまでもなく政治改革の実現にありました。東京佐川急便事件、金丸自民党元副総裁の巨額脱税事件並びに不正蓄財など、政治家と金にまつわる不祥事に対する国民の政治不信は今頂点に達しています。政治改革の原点は、この政治不信を解消するための政治責任の明確化、再発を防止する政治倫理の確立、そして、それを制度的に担保する法制度の整備にありました。同時に、金権腐敗の根本原因が自民党の長期一党政権にあるとの認識に立って、民意を正しく反映し、政権交代可能な選挙制度への改革が求められていました。

 腐敗防止と選挙制度の改革を一括して今国会で成立させ、国民の政治への信頼を回復することは、本院の任務でありました。

 本院における与野党議員相互の率直で熱心な討論が、ディベート型の国会としてお茶の間の国民の共感を呼んだことは御承知のとおりです。与野党の委員の間には、腐敗防止と選挙制度改革は車の両輪である、政治改革法案は腐敗防止、選挙制度改革とも一括して今国会で成立させよう、そして次の総選挙から新しい選挙制度で国民の審判を受けようとする機運と共通の認識がつくり出されたのであります。

 私たち野党は、真剣な討論の実績を大事にし、ベストと考えていた小選挙区比例代表併用型から小選挙区比例代表連用制へと修正の提案をするなど、与野党が歩み寄れる方向を提示いたしました。政治と金の悪循環を断ち切るための企業・団体献金禁止の方向への前進などについても提案いたしました。そして、そのために必要ならばと、与野党党首会談において今国会における改革実現を確認し、会期を延長しても国民の期待にこたえようと呼びかけたのであります。

 六党派・会派の二度にわたる党首会談は、政治改革に不退転の決意を表明していると国民の皆さんにも御理解いただいていると確信しております。
(拍手)

 宮澤内閣は、こうした委員会の討議の経過、野党の真摯な努力に対し、いかなる責任を果たそうとしたのですか。

 委員会の討論がほほ出尽くし、与野党歩み寄りの空気が醸成されてから何日たちましたか。それを、この会期末になって自民党内の意見調整がつかないとは、何たる無為無策、無責任な態度であるかと言わなければなりません。自民党内の意見調整ができなくなった以上、振り出しに戻って自民党案で採決するしかないなどという開き直りで臭い物にふたをするのですか。

 議院内閣制のもと、内閣総理大臣であり自民党総裁である宮澤さんが、もしこのような無責任な態度を是とするならば、不信任の前に総辞職すべきが憲政の常道であります。それすらなし得ない宮澤内閣ですから、私たちが不信任案を提案するものであります。(拍手)

 第二の理由は、国民と国会への公約をほごにした責任です。

 宮澤総理は、就任以来、どんな困難に直面しようとも政治改革の実現に一身をささげると表明してこられました。本年一月の施政方針演説では、国民の信頼を回復するため、民意が明確に反映される政治構造の実現に向けて政治改革を推進すると公約いたしました。歴史的変動の中にある日本の政治について、「今や政治改革こそがすべての変革の出発点であります。」とまで言ったのです。

 最近のテレビでは、「ここで政治改革をやらないと日本の議会制民主主義というものは大変な危機に陥りますね。ですから絶対にやらなければならない」「私はやるんです。私はうそをついたことはありませんよ」と国民に大見えを切りましたね。(拍手)

 宮澤総理、これら一連のあなたの発言は口から出任せの食言ですか。あなたが大蔵大臣の当時、リクルート事件で追及され、ノーコメントを十三回繰り返し、七回も発言の訂正を行ったことを私たちは思い起こしています。

 日本の政治をリードすべき最高責任者であるあなたを、私たちは、うそつきで終わらせたくなかったのです。ですから、与野党党首会談の開催を再三にわたって呼びかけ、局面を打開するための知恵を出し合おうと提案いたしました。しかし、あなたはついに党首会談にも応じませんでした。

 宮澤総理、あなたはなすすべもなく、総務会など自民党内の意見対立を座視してきました。自民党の党利党略、議員の個利個略のすさまじさに唖然としてか、統治能力を持ちませんでした。

 総理大臣、自民党総裁としてのリーダーシップを発揮することなく、政治責任を自覚することもなく、内閣の権威の失墜を白日のもとにさらしたことは、万人の認めるところでしょう。

(拍手)さきに紹介したあなたの発言を文字どおり理解するなら、政治改革を今国会で断念したあなたは、日本の議会制民主主義を危機に陥れ、国民の前で、総理大臣はうそつきだ、政治家はうそつきなどの認識を流布したものとなるではありませんか。国民を政治不信の底知れぬ谷間に落としたまま、実りなき国会を終わる責任はまことに重大であります。

 宮澤総理、私は、罪万死に値するとあなたに通告せざるを得ません。(拍手)

 我が国は今、東西冷戦の崩壊から始まった世界の新しい流れの中で、二十一世紀の世界の友人たちとの平和と繁栄、共生と連帯の方向、そして、国民の豊かな暮らしをつくり上げ、多様で新しい生き方にこたえるため、政治が何をなすべきか真剣に考える時代にあります。七月には東京で大切なサミットも開催されます。

 世界の人々から日本が信頼と尊敬の念を抱いてもらうには、健全な民主政治の確立が不可欠です。宮澤内閣が国民と議会を欺き裏切った、総理大臣がうそつきで、国民が政治不信を高めているという状態では、世界の人々から日本が嘲笑されるのではないでしょうか。我が国をこうした状態に陥れた宮澤内閣には、国家と国民の運命にかかわる重大な責任があると断ぜざるを得ません。(拍手)

 国民の期待する政治改革の実現を日本の政治の分水嶺として据えることを、今党派を超えてできるかが問われているのではないでしょうか。
 私たちのこうした熱い思いは、国民の大多数がもろ手を挙げて賛成してくださるものと確信を持っています。その点を十分御賢察の上、党派を超えて多数の皆さんが私たちの提案に賛同してくださいますよう心から訴えて、提案理由を終わります。(拍手)

(略)

○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕

     ――――◇―――――

○議長(櫻内義雄君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場閉鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕

     ――――◇―――――

○議長(櫻内義雄君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百七十五
  可とする者(白票)      二百五十五
    〔拍手〕
  否とする者(青票)       二百二十
    〔拍手〕

(略)

○議長(櫻内義雄君) 右の結果、宮澤内閣不信任決議案は可決いたしました。(拍手)

(略)

○議長(櫻内義雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(櫻内義雄君) ただいま内閣総理大臣から、詔書が発せられた旨伝えられましたから、朗読いたします。
    〔総員起立〕
  日本国憲法第七条により、衆議院を解散する。
    〔万歳、拍手〕
    午後十時四分