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ニュースサイト 宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

子ども手当法案は日切れ指定か? 

2010年01月09日 06時22分26秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 わが日本国民の共有財産である子ども(0歳~15歳)全員に対して、親の所得による差別なしに一律支給される子ども手当。

 きのう(8日)付日経朝刊によると、政府が提出する「子ども手当法案」の全容が明らかになったそうです。

 施行期日は「2010年4月1日(予定)」となっていますので、予算関連法案として3月31日までに成立させなければいけない「日切れ指定法案」となるものと思われます。

 重要議案ですので、衆院先議になるでしょうから、衆院厚生労働委員会は大変ですよ。参院送付後ですが、社民党さんを信頼していますので、参院でも賛成多数で可決、成立するでしょう。

 初年度は月額1万3000円となります。2011年度からは月額2万6000円となり見込みですが、法案は出し直すことになるようです。

 支給は(日経記事によると、)

 2010年 6月は、4月・5月の2ヶ月分
 2010年10月は、6月・7月・8月・9月分の4か月分
 2011年 2月は、10月・11月・12月・1月分の4ヶ月分
 2011年 6月に 2月分・3月分の2ヶ月分

 がもらえるということになりそうです。ちょっと注意が必要ですね。まだ「法案の骨子」の段階ですので、法成立後に厚労省やお住まいの自治体に直接問い合わせてください。

 もう一つ注意点。現在、自治体から児童手当をもらっている人は手続きは「原則いらない」と日経は報道していますが、もらえていない世帯・中学生の子どもを持つ世帯は自治体への申請が必要になるようです。なお、2010年9月30日までに申請すれば、4月分からもらえるようですが、早め早めに手続きしましょう、未来(子ども)への投資ですからね。

 なお、野党・民主党で子ども手当法案の作成には、西村智奈美・現外務政務官、林久美子・参院議員(滋賀=改選)らが頑張りました。

 冒頭の写真は、2009年夏・政権交代直前の大阪16区堺市で、セ氏35度の猛暑の中で、長妻さん見たさに集まった主権者への街頭演説の後の長妻さんです。隣の女子大生さんは20歳です。現・衆議院議員の森山浩行さんをめぐる「誰かが誰かを知っている共同体」の一員です。こうやって長妻・現大臣と握手してうれしそうですね。

 政治が国民の手に戻ったあの夏・2009年夏、民主党の青春

 長妻さん、あの堺での大歓声を思い出してください。当時わずか当選3回生のあなたみたさに500キロ離れた大阪・堺に1000人(当ブログ調べ)が集まったんだよ。

 とはいえ、官僚に対して「お前はクビだ!」はダメです。たしかに厚労官僚と言えば、農水官僚、文科官僚と並んで霞が関でも出来の悪さを争う連中です。でも、僕たちはあなたに政治主導を望んだのであって、役所破壊を望んだわけではありません。

 私はあなたの背中をいつも応援するし、心配もしています。総理に恋われてただ一人入閣した当選4回生。右腕には細川律夫副大臣(埼玉3区)がいます。これからの民主党の中核となる「1990年初当選組(当選7回生)」の一人です。

 情報の出し入れに長けているけど、田舎者のひがみやっかみにはちょっと弱い。
それが東京っ子の宿命っちゅうもんよ、長妻クン!

 東京・城北の誇り、日経グループの誇り=長妻昭。浅学非才の後輩である拙ブログですが、2010年国会も、長妻昭・厚生労働大臣を徹底的に応援します。

NIKKEI NET(日経ネット):子ども手当、6月から 自治体に申請必要

 政府が18日召集の通常国会に提出する子ども手当法案の全容が明らかになった。現行の児童手当を受け取っている世帯の手続きは原則いらない。所得制限で児童手当を受け取っていない世帯や、中学生の子どもを持つ世帯などは、市区町村に申請する必要がある。子ども手当は6月から4、5月分を支給するが、9月末までに申請すれば4月分からもらえる。子ども手当を市区町村に寄付することも認める。 

 今回の法案は2010年度限りの時限措置とし、4月1日の施行を目指す。11年度以降の制度設計は改めて検討する。 (07:00) 

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菅直人財務相に期待したいこと

2010年01月06日 21時10分04秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導


[写真]副総理・財務大臣に就任する菅直人さん

【菅副総理・財務相、仙谷国家戦略・行政刷新相に】

 鳩山総理は6日、藤井裕久さんから「診断書と辞表」を受け取り、辞任を了承しました。後任の財務大臣には、菅副総理が就任し、第174通常国会での予算審議にあたることになりました。

 仙谷由人・行政刷新大臣が国家戦略担当を引き継ぐことになりました。財務大臣は激務ですので、経済財政政策担当大臣・科学技術政策担当大臣も菅さんから仙谷さんに引き継ぐことになるかと思います。

【追記 2010-01-06 21:30】

 科学技術政策担当大臣は最適任の川端達夫・文部科学大臣が兼任することになったようです。経済財政策諮問会議が廃止されましたので、経済財政政策担当大臣は事実上いなくなります。【追記終わり】

 菅直人さんの財政・経済に関する知識は、藤井さんの足元にも及ばないのは事実。ですが、私は民主党政権の予算の年度内成立は楽観視できる状況になったと思います。与党にとって予算審議はとにかく逃げ切るしかない、と思っています。

 菅さんは精神力が強いし、突破力があります。官僚をねじ伏せることができます。

【昨年の通常国会では予算委筆頭理事、攻守逆転へ】

 菅さんは国会議員生活30年目となる第171通常国会で、初めて衆院予算委員会の野党側筆頭理事を務めました。私はこの予算審議で「民主党議員の質疑の傍聴の完投」をなし遂げたわけですが、その最終盤の2009年2月27日(総括質疑)のことです。

 ラストバッターの菅さんが、津村啓介さん(現・内閣府政務官)をパネル持ちに従えて、「年越し派遣村」など雇用対策から質問を切り出しました。

 そこで菅さんは、「民主党が雇用さらには生活のセーフティーネットについて」「私は厚労大臣には、3月末までにやってもらわなければならないことを」「その準備がどこまで進んでいるかということについても」「きょうこの場で確認をさせていただきたいと思います」とつなげました。

 僕はのけぞりました。

 「民主党支持ジャーナリスト」の私としては、次に野党として迎える予算審議は15年後だ。そのとき僕は50歳。だったら、「予算傍聴完投」は2009年のうちにやろう、これが青春だ!と迎えた千秋楽。

 麻生内閣は解散先送り戦術に打って出ていましたが、どうあがいても、この日が政権交代をかけた天下分け目の大決戦前の最後の衆議院での予算審議です。

 そこで、菅さんは「民主党案をどれだけ自民党政権が3月末までに反映しているか確認します!」とやってしまったわけです。政権交代の直前に麻生内閣の手助けをしてどうするんですか。私はこれは健全野党というよりも、むしろ利敵行為だと感じました。私の傍聴ノートには「(菅さん、)またやっちゃったよ!」とメモ書きが残っています。

 ここで見えてくるのは、菅さんは手柄をあせる性格だということです。でも、今や与党であり、閣僚なんですから、手柄をあせるのは素晴らしいことではないですか!

【菅さんに期待したい財務省のサイフのディスクロージャー】

 そこで、菅財務大臣にお願いしたいのは、

 平成22年度本予算には、税外収入(その他収入)として、

 財投特会から一般会計に「4兆7752億円」を、
 外為特会から一般会計に「2兆8507億円」を繰り入れる、

 ことになっていますが、

 フローだけでなく、財務省がこの特会にどれだけお金を持っているのかストックのディスクロージャー(情報公開、荷ほどき)を促してほしい。

 私が知っている限りでは、外為特会にはナント100兆円(1兆ドル)の外貨があり、そのほとんどがドル建てで、8割近くが財務省短期証券(TB)という日米財務省間の帳簿上のやりとりの債権でだということ。これとは別にすでに円に換金しているお金が19兆円ほどあったと思うのですが、それを今年度の第1次補正(麻生14兆円補正)などで使い切ってしまっているようだ、ということです。

 これについては、2008年10月2日、参院の大塚耕平、大久保勉両議員が財務省4階の北側にある「為替市場課」の視察した際に同行したことを同日の民主党代表代行記者会見で明らかにしています。

 同日付民主党ニュースは次のように伝えています。

(抜粋引用はじめ)

 また、財務省為替市場課資金管理室視察メンバーと共に同日、為替介入を担当している財務省国際局為替市場課資金管理室を訪れ、特別会計の内部留保(いわゆる埋蔵金)の運用の実情を視察したと報告。「2重の意味で強い関心をもっていたので同行した」と述べ、第一には小沢代表が本会議の代表質問でも述べられたように民主党の新政策に必要な財源の一部を「いわゆる埋蔵金を活用する」と明言していることから現場を訪れ「使えるかどうか」という制度的な問題を掘り下げたことを明らかにした。

 さらに、同管理室の特徴的な仕事として、1兆ドルの外貨準備の運用を行っていることに言及。「私自身、運用を直接が財務省が日々行っていることを最近まで知らなかった」としたうえで菅代表代行は、日本円にすると100兆円もの資金を運用し、為替安定のためにドル買いしている点について、「諸外国に比べてドルの保有がGDPに比べても著しく大きくなっている。果たしてそれだけ大きな資金をドルという形で常にもっておかなければならないのか」と問題提起し、そうした資金の実態を国民にオープンにするとともに、本来あるべき姿の活用を行っていきたいと語った。


(抜粋引用おわり)

 菅さんは勤続30年ながら、外貨運用を「財務省が日々行っていることを最近まで知らなかった」という“未熟さのディスクロージャー”をしました。菅さんにしては珍しいことで、これは返って、「財務省は伏魔殿だな」という感想を持ちました。

 もちろん、ドル建て米国債を安易に取り崩してはいけません。でも、まずはディスクロージャー。「脱官僚」「政治主導」の美名の下に、官僚をいじめたり、無視するようでは困りますが、菅直人に期待するのは、「官僚との大立ち回り」です。それが、菅副総理兼財務大臣の手柄となるのです。

 菅直人よ、財務省に突撃せよ!

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鳩山総理=鳩山由紀夫首相
財投特会=財務省所管財政投融資特別会計
外為特会=財務省所管外国為替資金特別会計  

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藤井裕久財務大臣が辞任へ

2010年01月06日 04時53分06秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 藤井裕久財務大臣(民主党・比例南関東ブロック)が辞任する見通しとなりました。鳩山由紀夫総理はなお慰留しているようですが、本予算成立まで、まだ80日間あり、財務大臣交代は確実だと思います。

 藤井さんは、民主党が初めて予算を組んだ、今年度第2次補正予算案(ムダづかい凍結)と、2009年度本予算案の年内編成に成功しました。

 多大な功績です。

【辞任の理由に自由党党首・幹事長コンビの小沢一郎さんの影】

 検査入院のタイミングが毎日新聞1面トップで「自由党残余財産15億円が不透明」が出た翌日だったことも何か関係があるのでしょうか。

 6日付朝日新聞2面は「心折れた? 藤井財務相が辞意 『疲れた』理由それだけ? 小沢氏とぎくしゃく」として、小沢、藤井両氏の足跡として1955年から2010年までの55年間の2人の年表が載っています。

 
[画像]6日付朝日新聞の2面

 朝日がここまで踏み込んだのは、藤井さんの表舞台はおそらくこれが最後になるので、記者が「知っていて書かなかったこと」をすべて書いたんだ、と思います。私が知らないこともいっぱい載っています。

【前回の予算審議も財務大臣・副大臣が辞任しているが乗り切っている】

 以下、一部敬称略です。

 もうお忘れの方も多いでしょうが、一つ前の通常国会でも、財務・金融大臣(中川昭一)と財務副大臣の1人(平田耕一)が辞任しています。自民党は財務大臣に、経財相(与謝野馨)の「3職兼務」で予算審議を乗り切っています。

 私の国会傍聴ノートをひもとくと・・・

 昨年2月19日の衆院予算委では、新財務大臣を前に、民主党筆頭理事(菅直人)が「予算より前に麻生内閣の体制について質問する」として、首相(麻生太郎)は「(G7で)メシは食ったが、酒は飲んでいない」と不毛の答弁。

 が、しかし翌日(2月20日)になると、もはや大臣交代は争点ではなく、

 「法人税収が激減しているのではないか」(仙谷由人)、

 「かんぽの宿は2004年以降急速に経営悪化している」(前原誠司)、

 「返済猶予は中小企業だけでなく銀行にもメリットがある」(大島敦)

 と野党(民主党)の予算委員が怒濤の質問攻め。

 これを見ると、新しい財務大臣には、予算編成チーム(内閣)にいた閣僚が横滑りするのが順当でに思えます。

 昨年の予算審議(171国会)で財務大臣が交代した時期に書いたエントリーを紹介します。
麻布学園による財務大臣の“世襲”について
【バチカン問題】キリスト教に造詣が深い鳩山幹事長、中川前財務相の議員辞職を求める
民主党が八面六臂の大活躍 2月19日・20日の国会
「小泉を先に殺すべし」2次補正関連法案は3分の2で再可決させるべきだ
【かんぽの宿】“九州1区王子”が重大事実引き出す 松野頼久、川内博史、下地幹郎
「副代表のタバコを叱る」民主党vs自民党「飲酒を叱れずG7で最悪の失態」

【鳩山代表(総理)にお願いしたい「踏み絵」】

 最優先人事として、鳩山由紀夫首相は内閣法に定める閣僚人数に1人空きがでるのですから、「踏み絵」をやってほしい。

 「幹事長の国務大臣兼務」の要請です。いや総理なんですから、要請というよりも「命令」です。

 閣僚を財務相に横滑りさせたうえで、小沢一郎幹事長に無任所大臣としての入閣を促すのです。

 小沢さんがこれを受け入れれば、「閣僚の義務」という鈴を、総理&私たちが彼にかけることができます。もしも拒否したら、代表(総理)をお支えするつもりのない闇将軍だということが明確になります。

 小沢さんが入閣した場合は、幹事長代理として中野寛成さんに党本部にいてもらうというのがいい手でしょう。中野さんは「小沢党首-中野国対委員長」「鳩山代表-中野幹事長-岡田克也幹事長代理」などの経験があります。

 民主党内の財務大臣(大蔵大臣)経験者は羽田孜さん。また衆院予算委員長の鹿野道彦さんは2回の閣僚経験(農相、総務庁長官)があります。

 民主党はもう与党であり、守備側ですから、予算編成にあたっていない人を財務大臣に据えてしまう、という手もあります。野党(自民党)からみると脅威です。だって「聞かれても、分からない」。それは大臣交代でやむを得ない面もあり、自民党はかなり攻めあぐねるでしょう。これは、衆参決算委員会では当たり前の構図で、野党議員は毎年攻めあぐねています。

 この場合は、財務省政務三役が新大臣をバックアップすればいいのです。

 財務省政務三役は、

 野田佳彦副大臣が予算、峰崎直樹副大臣(参)が税制
 大串博史政務官が予算、古本伸一郎政務官が税制を担当しています。
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1月18日(月曜日)召集へ

2010年01月04日 20時59分38秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 [画像]横路孝弘衆院議長(左)、江田五月参院議長。

 鳩山由紀夫首相は政権交代後初の通常国会(会期150日間、1回延長可能)を「1月18日(月曜日)」に召集することを決めました。

 憲法7条「二、国会を召集すること」に基づく天皇の国事行為ですので、内閣が決めることができます。

 3年に1度くる「参院選のために大幅延長のない通常国会」ですが、例年以上に「きつい日程」になります。閣僚は答弁ミスをしたら「国会審議の正常化」のためにすぐにクビを切られると覚悟すべきです。そしてすべての与党議員は「人に疑われることのない」清潔な政治活動、身ぎれいな日常生活を心がけなければいけません。

 第174通常国会は冒頭から、今年度第2次補正予算案(ムダづかい凍結・雇用対策)が審議入り。

 その後、2010年度本予算案(命を守る予算)、国会法・行組法改正案(政務三役増員、官僚の答弁・国会待機の見直し)、子ども手当法案、税制関連法案(暫定税率のしくみ変更など)など重要法案が目白押しです。

 現在、自民党が審議拒否をしている状態です。自民党からの審議復帰の条件をていねいに聞く必要があります。それを受け入れたうえですが「1月18日(月)召集」のスケジュールは動かないでしょう。

 自民党の審議復帰があれば、今年度第2次補正予算案の1月中の成立にめどが立ちます。

 ◇

 まさに「良識の府」を代表して、江田五月参院議長(岡山)が年頭所感を発表しました。

 江田議長は「党首討論が行われず」「国会の生命というべき充実した審議とは遠い結果に終わりました。残念なことです」と第173臨時国会での民主党・自民党の国会運営を批判しました。

 第173国会の参院では「総理所信表明への代表質問」「予算委員会での鳩山内閣の予算執行に関する質疑」というNHK中継入りの審議は活発でした。ところが、3週間にわたって、衆院から法案が回ってこず、参院先議の閣法もなく、審議をしようにも議案がない、という異常事態に見舞われました。大変な時間のムダがありました。江田議長は名指しをしていませんが、所感の内容は、小沢一郎幹事長・山岡賢次国対委員長による与党国対も批判も含んでいるでしょう。

 「2次補正→本予算・予算関連法案→重要法案→参院選」のスケジュール感の絵図を描けている議員がいるように思えません。鳩山民主丸は、海図なき、波高き航海を強いられることになりそうな気配です。

 江田議長は所感で、「昨年は『事業仕分け』が注目を集めましたが、すべての国会議員は国会の場で活気ある議論を交わし、ここに国民の注目を集めたいと思っていますし、国民の皆さんもそれを望んでいるはずです」と強調しました。

 議長、大丈夫だと思いますよ。

 政権交代、不況、不安、インターネット--国民の国会への関心は確実に高まっています。政治を国民の手に取り戻そうとする輿論(世論)で、民主党政権は天気晴朗です。

 本日、天気晴朗なれども波高し。

 力のある者が批判を気にせずに前に進む。そうでない者は、力のある者を僻まない、妬まない。

 政治・社会・経済の激動の中、2010年国会が歴史に名を残すことは確実です。 

江田五月参議院議長の年頭所感

 明けましておめでとうございます。皆さんには、すばらしい新年をお迎えのことと思います。本年が皆さんにとって幸多く、実り豊かな一年となることを心よりお祈りいたします。

 昨年夏の衆議院選挙により、政権が交代し、わが国の政治は大きく転換しました。有権者が投票により政権を実質的に選択したのは、歴史上初めてのことで、まさに画期的です。国会も、衆参のいわゆる「ねじれ」が解消し、新たな局面に入っています。「ねじれ」国会の運営にはさまざまな困難がありましたが、この経験は必ず将来に生かされると確信しています。しかし現在のところ、国会も政府もまだ手探りの状態にあるようです。先の臨時国会では、党首討論が行われず、また最後の本会議にも全会派揃っての出席が得られなかったなど、国会の生命というべき充実した審議とは遠い結果に終わりました。残念なことです。

 議院内閣制の下では、与党は政府とともに、自らの施策について説明を尽くし理解を得る努力をしなければなりません。他方、野党は政権運営を厳しく監視するという民主主義に欠かせない重い役割を果たす必要があります。それぞれの主張を一方的に言い放つだけで、噛み合った討論がないのでは、議会政治の本義は生かされません。何はともあれ各会派がテーブルに着いて現実に政策論争を行い、協調して合意点を探って初めて、国会が仕事をしていることになるのだと思います。昨年は「事業仕分け」が注目を集めましたが、すべての国会議員は国会の場で活気ある議論を交わし、ここに国民の注目を集めたいと思っていますし、国民の皆さんもそれを望んでいるはずです。

 私はこれまで、「政権交代構造の構築」とともに「市民政治の前進」を目指して政治に携わってきました。国会での活発な議論は、必ず市民の政治参加に結びつきます。これを促す議長の責務はますます重く、身の引き締まる思いでさらに力を尽くします。

 幸いにして参議院には、先の臨時国会の厳しい与野党対立の中でも、参議院が重視する決算審査の本会議質疑が全会派出席の下で行われたように、与野党の枠を超えて課題に取り組もうとする伝統があります。この夏、参議院議員選挙が行われますが、引き続きこの伝統を大切に守っていくべきだと思います。国民の皆さんには、今後も参議院の活動に対し、ご理解とご支援をいただくようお願いして、年頭のご挨拶といたします。

参議院議長議長の署名

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細川護煕元首相が『私の履歴書』

2010年01月03日 01時31分52秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
 1月1日付日経新聞のバックフロント(最終)面から「細川護煕 私の履歴書」の連載がスタートしました。2日は休刊ですから、けさ(3日)、2回目が掲載されます。おそらく30回にわたって毎日連載されると思います。

 

[画像]2010年1月1日付日経新聞「細川護煕 私の履歴書①」。全文キャプチャー、2回目以降の宣伝ということで、許してちょ(^^)/

 1回目の履歴書のなかで、細川さんは「首相在任中は記録のため簡単なメモは残していたものの、足跡は極力消し去っ」たとしています。

 が、「昨年の政権交代で日本の政治は再び未知の時代に突入した。激動の時期に国政を預かった者として、当時の経験や背景を紹介しておくことはいくらか責めを果たすことにもなるかと思い直し、筆をとることにした」としています。

 私は「細川メモ」の存在を知りませんでした。細川メモでは、連立政権を取り仕切った「小沢一郎・新生党代表幹事」とのやりとりも含められていると思います。

 「私の履歴書」はライフステージ順に進みますから、中旬から下旬にかけて、小沢氏による政権への過干渉の知られざる事実が出てきて、世論に影響を与えるかもしれません。注目です。

 1月中旬からは通常国会と並行して、「履歴書」の連載が続きます。秘書・インターンは切り抜いて、議員向けのスクラップ集に入れた方がいいでしょうね。

 東京地検特捜部は、シナリオの一つとして「小沢一郎容疑者の逮捕」も選択肢にして、世論の動向を慎重に検討している、とされています。「小沢一郎」をめぐる国民世論に影響を与える可能性が高く、注目されます。
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2010年は鳩山総理とツイッターでつながろう!

2010年01月01日 15時07分14秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 総理(鳩山由紀夫さん)は、2010年1月1日午前10時過ぎ、ツイッター(Twitter)

 http://twitter.com/hatoyamayukio

 のアカウントを開設。
 
 みなさん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。今日からツイッターとブログ「鳩cafe」を始めました。http://bit.ly/7OSH1o ご感想など@hatoyamayukioへお寄せください。馴れるまでは1日1ツイートが目標です。

 とつぶやきました。

 自己紹介欄は、
 
  • 名前 鳩山由紀夫 現在地 日本 自己紹介 政治の話に限らず、身辺に起こったいろいろな話題について書いていければと思っています。ご意見ご感想は @hatoyamayukio でお願いいたします。首相執務室の専用モニターに届きます。今後、政策についてのご意見をハッシュタグでいただくことも考えております。いただいたご意見は会議などに活用させていただく予定です。
  •  となっています。

     午後3時の時点で、2万2000人が総理(hatoyamayukio)をフォローし、総理は1000人弱をフォローしています。

     総理から”フォロー返し”を受けた人は、

     「わわわ。まさかのフォロー返し。宝くじあたったみたいでうれしいです。鳩山さんのおかげで少しずつ日本の政治を考えるようになりました。今年もよろしくお願いします。京都は風花がチラチラ舞っています。」

    「さっき携帯からだったからわからなかったけど@hatoyamayukioは本当に本物みたいだね。俺35番目ぐらいにフォローした気がするんだけどwしかもフォローされてるしww少し自慢できることかもしれんww」

       と喜びました。

     総理への提案も続出。

    「あけましておめでとうございます。国家のリーダーが国民と直接対話できる手段を持つということは画期的だと思います。日本の未来にどのように反映されていくのか、とても期待しています。ツイッターではぜひ投稿への返信で議論なども行ってください。」

    「ズバリ、提案です。お金を掛けずにECOなLIFESTYLEを首相自ら実践しませんか? 25%目標に対して、マスコミは即負担額について言及します。しかしお金を掛けずにできる日々のECOがある筈です。」

    「@hatoyamayukio フォローしてください!」

    という建設的な声が多く寄せられています。

     「フォローしてください!」というツイートは、総理と自分がつながりたいという感情の表出です。今までは、総理と自分がつながっているという感覚がなかったので、新鮮です。

     私は原口一博総務大臣のツイッター(http://twitter.com/kharaguchi)のフォロー先に「鳩山由紀夫総理の顔のアバター」があったので、本物の総理がツイッターを始めたことに気付きました。

     まさに、昨年9月16日の総理所信表明にあった、

     「誰もが誰もを知っている共同体」から「誰かが誰かを知っている共同体」
     の幕開けです。おそらくそれが「友愛社会」なのかな。

     2010年最初の1句。
     「友愛の 鳩がもたらす お年玉」

     さて、私(http://twitter.com/kokkaiblog)もさっそく、

    総理、あけましておめでとうございます。改正国家行政組織法を成立させて政務三役を増員してから本予算審議に入るべきだと思います。それと、閣議のネット中継をやると、支持率が上がると思います。@hatoyamayukio

     とツイートしました。

     自民党政権の総理は、1月1日に「公邸開き」といって首相公邸中庭に高級ホテルの料理人を呼んで野外で料理させ、国会議員、事務次官ら官僚、マスコミ関係者を招いて、飲めや歌えやのドンチャン騒ぎを繰り広げました。民主党内でも「お金と犬だけが友達の小沢一郎」が深沢の私邸に国会議員を呼び、自宅なのにスーツ姿で表れ、新年会を催しました。

     鳩山さんは音羽のおぼっちゃまですから、そう言うことには興味はありません。上善水の如し。邪心無く「国家国民のため」になれる人です。


     2010年、総理(鳩山さん)とともに私たちが日本を良くしていきましょう!

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    ついに出た 自由党残余財産などが小沢一郎個人団体に流れたと毎日新聞が報じる

    2009年12月27日 15時06分59秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導


     ついに一般紙で報道されました。
     2009年12月27日付1面トップ。

     まさに公然の秘密というやつです。前々から噂されていたんです。松田賢弥さんや大下英治さんの著作や過去の新聞記事などで何度も指摘されてきたんですが、いかんせん証拠が出ない。

     自由党解党時の残余財産、15億円が小沢一郎さんの政治団体に流れていた。これは違法かどうかの問題ではなく、こういうことをする政治家を人間として信用できるかどうかの問題です。

     
    [写真]税金を食い物にする小沢一郎=2009年12月21日、宮崎信行撮影

     こういう議員が一人でもいると、民主党議員全員がこういうことをやっているやつだと疑われても仕方ないよね。

     それにしても、毎日新聞さんがついに書いてくれたことには本当に感謝です。きょうの青空のようにスッキリとした気分爽快です。

     総理や幹事長は、検察が指名する、という憲法はありません。正当に選挙された国会議員が指名するのです。民主党国会議員の多くが検察に期待しているように感じますが、腰抜けです。それでは、検察がこの国の最高権力者になってしまいます。

     鳩山由紀夫代表(総理)は、ぜひこの問題の検証委員会を党内でも党外でも設けていただきたいと思います。あるいは所属議員の3分の1以上の署名があれば両院議員総会を開けます。

     僕は自民党を飛び出した小沢さんが好きです。小沢さんは自ら苦境を脱する策があります。この22億円余りを小沢一郎(小澤一郎)さん個人の所得として、国税庁に修正申告するのです。所得税及び延滞税は、おそらく二十数億円ほどになると推測しますが、小沢先生なら、現金で即日完納できるはずです。

     僕は小沢一郎さん(67歳)には長生きしてほしいと思います。政治的・社会的に屍になっても、それから長く生きて、自分の過去を反省する日々を送ってほしいのです。 

    【関連サイト】

    政治資金収支報告書
     
    「改革フォーラム21」平成20年定期公表分
    http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/090930/000013303.pdf
    平成19年定期公表分
    http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/000025228.pdf
    平成18年定期公表分
    http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/000021544.pdf

    「改革国民会議」平成20年定期公表分
    http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/090930/000013300.pdf
    平成19年定期公表分
    http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/000025226.pdf
    平成18年定期公表分
    http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/000021543.pdf

    資金移動:小沢氏側に新生、自由党解党時残金22億円余 - 毎日jp(毎日新聞)

     小沢一郎民主党幹事長が過去に率いた2政党「新生党」と「自由党」を解党した際、党に残った資金の大半に当たる計22億円余を、自分の運営する政治団体に移して支配下に置いていたことが分かった。自分の政治活動のほか、親族への支出などにも充てていた。両党の資金には政党交付金など多額の公金が含まれており、こうした資金移動の手法が論議を呼びそうだ。

     政治資金収支報告書などによると、小沢氏が代表幹事を務めた新生党は新進党に移行する直前の94年12月、党本部と10支部に残った資金のほとんどに当たる9億2526万円余を、政治団体「改革フォーラム21」に移した。党本部に限ると5億5948万円余のほぼ全額が同フォーラムに移され、この大半は国から支給された「立法事務費」だった。同フォーラムは、東京都千代田区にある小沢氏の個人事務所を所在地とし、小沢氏が実質的に運営している。

     また、03年9月には小沢氏が党首だった自由党と民主党の合併に伴い自由党が解党。同党に残った15億5715万円余(うち5億6096万円余は政党交付金)は、所属する議員らの35政治団体に各500万円が分配されたほか、13億6186万円余が同党の政治資金団体だった「改革国民会議」に移された。同会議は自由党解党後に一般の政治団体に変更され、小沢氏による若手政治家の育成事業「小沢一郎政治塾」の運営母体となった。

     同会議も所在地を小沢氏の個人事務所に置き、最近5年間は事務所費として毎年1096万~2532万円を計上、政治塾の会場費や講師への謝礼などに2354万~2690万円を支出している。06~07年には農水省OBの小沢氏の義兄に対し「組織維持費」の名目で計495万円の支出もあった。支出額は毎年6066万~8308万円、5年間で3億4556万円余に上る。解党時の残資金を巡っては、政党交付金に限り他団体への寄付を禁じる改正法案が今年、衆院を通過したが、解散で廃案となった。

     解党に伴う資金移動について毎日新聞は小沢氏の事務所に説明を求めたが、26日までに回答はなかった。【政治資金問題取材班】

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    2・5兆削減も?前原大臣「八ッ場」「浅川ダム」など検証→中止? 地元町長インタビュー付き

    2009年12月26日 11時49分16秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
     国の予算案というものは、閣議決定後もなかなか全容が分からないものです。とくに国交省の個別事業への予算の配分、箇所付けに関しては、予算が執行される4月になってから分かる場合もあります。総理もほっと一息されていたようですが、政務三役は役所内の情報をどんどんディスクロージャーしていただきたい。

     私もけさの新聞を読みながら、しばらくしてかなりすごい内容が昨日、発表されていたことに気付きました。

     国交省が25日発表した資料の中に、

     「新たな基準に沿った検証の対象とするダム事業を選定する考え方について」
     というペーパーがありました。同省内のPDFファイルは次のアドレスです。

    http://www.mlit.go.jp/common/000055943.pdf

     これは、2010年度に本体工事や生活再建工事(道のつけかえなど)が行われる143ダム事業のうち、89ダムに関して、来夏をめどに「事業を継続するかどうか(=中止の可能性を)検証する」と発表したものです。

     この89ダムには、国と水資源機構による「八ッ場ダム」や、県が事業主体となり、国が半額程度を補助する、いわゆる補助ダムのうち、長野県の「浅川ダム」、これは田中康夫知事の「脱ダム宣言」をめぐる政争の舞台となったところですが、合計89ダムを「検証」します。

     朝日新聞1面の記事によると、143事業の総事業費はおよそ8・5兆円で、仮定の話として89ダムがすべて中止されると、総事業費は2・5兆円前後にのぼると見込まれます。これは私の推測では、国庫で2兆円近い「ムダづかい削減」となるのではないでしょうか。

     ◇

     上のリンク先にあるリストには和歌山県が事業主体の「切目川ダム」も「検証」の対象になりました。切目川ダムは、ことしは生活再建工事、来年ダムの本体工事が着工する予定だそうです。

     私は昨年2月に彼の地を訪れています。選挙カーの後続車の助手席から、切目川ダムを何度も周回しています。

     切目川ダムがある和歌山県日高郡印南町の玄素彰人町長(36)から直接話を聞きました。

     玄素町長は「検証の結果、“中止”という答えが出た場合は、

    住民投票などで住民の意向を確認したうえで、
    中止してほしい
    」と語りました。

     町長によると、総事業160億円の県営ダムとはいえ、町も1%を負担することになっているそうです。現在編成中の来年度予算案に盛り込まれるはずですが、具体的にどのような内容になるか、これを聞くと、玄素君と僕がともに傷つくことになりますので、親しき仲にも礼儀あり、友情にかけて絶対に何も聞いておりません。町議の先生方も3月議会で大いに議論して下さい。ただ、玄素君からは「反対している住民は当然いる」「県営なので町の財政負担としてはあまり関係ない」という本音を教えてもらいまいた。私は町長に「ピンチはチャンスだ」と言って電話を切りました。

     本予算のどさくさ、土日前、年末というタイミングで発表したのは、前原さんが情報の出し入れに長けていることを示した、と思います。世論というものを理解している。今年初め、前原代表が情報の出し入れの未熟さで守りきれなかった国会議員が若くしてこの世を去りました。その年の暮れ、前原大臣は情報の管理で見事な手綱さばきを見せました。

     前原誠司と民主党は成長し、確実に一歩前進したように思えます。ダム絡みでは「恐い人」がいます。国民がしっかり守り抜きましょう。

    asahi.com(朝日新聞社):本体未着工の89ダム事業、事実上凍結 国交相が表明 - 政治

     前原誠司国土交通相は25日、国と38道府県が進める143のダム事業のうち、ダム本体に着工していない89のダム事業(計90カ所)を来年度、新たな国の治水基準による検証の対象とすることを明らかにした。新基準はダムに頼らない前提で検討されており、89事業は事実上、凍結される可能性が高い。

     前原国交相は、(1)11月までにダム本体工事に着工している(2)すでにあるダムの機能を強化する事業(堤のかさ上げや新ダム建設は含まない)(3)すでにダムに頼らない治水対策を検討している――のいずれかに該当するものは検証の対象から外したと説明した。

     143のうち、7事業は今年度完成したり、すでに中止が決まったりしている。残る136事業のうち、89事業が三つの条件のいずれも満たしていないため、検証対象になるという。

     このうち、国直轄と水資源機構によるダム事業は31で、58事業は道府県が国から約半分の補助金を受けて進めている補助ダム。前原国交相は「国に検証を強制する権限はない」としつつ、「国の補助金をどうするか裁量の余地はある」と述べ、道府県が国の求める検証を拒否した場合、国の補助を減額する可能性に言及した。道府県は国の補助を受けずに事業を継続することはできる。

     143事業の総事業費は計約8兆5千億円。89事業が検証の結果、仮に中止されれば2兆5千億円前後の事業費が削減される見通し。(歌野清一郎)

         ◇

    《検証対象になる国と水資源機構のダム事業》

     【北海道】新桂沢、三笠ぽんべつ、平取、サンル【秋田】鳥海、成瀬【宮城】鳴瀬川【栃木】南摩【茨城】霞ケ浦導水【群馬】八ツ場、吾妻川上流【群馬、埼玉】利根川上流【埼玉】荒川上流再開発【富山】利賀【長野】戸草【岐阜】木曽川導水、新丸山【愛知】設楽【三重】川上【福井】足羽川【滋賀】丹生、大戸川【高知】横瀬川【愛媛】山鳥坂【福岡】小石原川、筑後川水系【佐賀】城原川【大分】大分川【熊本】七滝、立野【長崎】本明川【沖縄】奥間

         ◇

    《検証対象になる道府県のダム事業》 【北海道】厚幌【青森】駒込、奥戸、大和沢【岩手】簗川、津付【宮城】筒砂子、川内沢【山形】最上小国川【群馬】倉渕、増田川【千葉】大多喜【新潟】儀明川、常浪川、新保川再開発、晒川【長野】浅川、角間、黒沢、駒沢【岐阜】大島、内ケ谷、水無瀬【静岡】布沢川【三重】鳥羽河内【福井】河内川、吉野瀬川【滋賀】北川【大阪】安威川【兵庫】金出地、武庫川、与布土、西紀【和歌山】切目川【島根】波積、矢原川【岡山】大谷川【広島】野間川、庄原【山口】平瀬、大河内川、木屋川再開発【徳島】柴川【香川】椛川、五名再開発、内海再開発、長柄再開発【高知】和食、春遠【福岡】五ケ山、伊良原【長崎】石木、浦上【熊本】路木、五木【佐賀】猿川【大分】玉来【沖縄】タイ原

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    ◎鳩山内閣「命を守る予算」決定 平成22年度本予算の年内編成に成功!

    2009年12月25日 19時05分45秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
     鳩山由紀夫内閣は25日の閣議で平成22年度(2010年度)の本予算案(当初予算案)を決定しました。民主党が本予算を編成するのは、結党以来初めて。

     総理は午後6時過ぎから記者会見しました。

     総理は平成22年度予算案を

     「命を守る予算

     と名付けました。

     そして、予算編成の3原則として、

    ①「コンクリートから人へ」の既存予算の見直し
    ②政治家が考え、政治家が責任を持つ「政治主導」
    ③予算編成プロセスの透明化

     の3つを考慮したとしました。

     抽象的な数字が並ぶ予算編成では政治家が態度で示すことが重要ですが、

     ・行政刷新会議の事業仕分け(歳出面)
     ・政治家だけの税制調査会(歳入面)

     そして、きょうの総理の記者会見が「予算編成プロセスの透明化」の証拠です。

     ナント、平成22年度予算案は財務省のホームページに載っています。昔は与党議員が箇所付け先に電話したり、ファクスしていて夜が忙しかったのですが、こんなところにも時代の変化を感じます。国民全員のための予算なのですから、こうやってインターネットで瞬時に発表するのが当然です。

    http://www.mof.go.jp/seifuan22/yosan.htm

     本予算の年内編成により、昨年来繰り広げられた自民党による「民主党には政担権当能力がない」とのネガティブ・キャンペーンはまったく根拠のないデマカセだったことが確定しました。

     総理は一般会計の歳入・歳出規模を「92・3兆円(きゅうじゅうにいてんさんちょうえん)」と表現しました。そして、特別会計や公益法人の埋蔵金(税外収入)について「過去最大の役11兆円の税外収入」を確保した、と胸を張りました。新聞では毎日のようにみる「過去最大の」という言葉ですが、総理が会見で自らの口から発することはマレで、総理の並々ならぬ自信を感じました。

     総理は、社会保障関係費が10%増、公共事業関係費が11%減として、「コンクリートから人へ」のメリハリある予算を強調。

     その後、

     2兆円の景気対策の予算枠、これはおそらく予備費1兆円と国庫債務負担行為が1兆円です。この予算の執行プロセスも透明化してほしいですね。

     そして、

     ・子ども手当をまずは年間15万6000円支給し、所得制限は設けない。
     ・肝炎対策
     ・科学技術
     ・農業者戸別所得補償を「お約束通り」実施する
     ・ガソリン税の暫定税率を廃止し代替税源をお願いするがガソリン高騰時には安くできる仕組みをこれから作る
     ・財政規律のため複数年度によるフレームワークをつくる

     総理は少し早口で高揚感を隠せない様子でした。菅副総理、藤井財務相、平野官房長官らが同席しました。

     とりあえず年内の政治日程はこれで終わりです。

     国会への提出が宿題のように憲法で義務づけられた議案というのはほとんどなく、本予算ぐらいです。通常国会はまず今年度二次補正予算案の審議から始まり、その後、きょう決定した平成22年度予算案の審議になります。審議入りはおそらく2月上旬で、衆院では2月26日(金)には通過させたいところです。与野党伯仲の参院に送付され、3月31日(水)までには、絶対に成立させないといけません。

     ところで民主党は結党以来11年連続で、当初予算を年度内成立させています。この健全野党ぶりを有権者は高く評価しました。このことを自民党はよく頭に入れておくべきでしょう。

     きょうの総理は堂々としてました。

     さあ、鳩山総理の巻き返しが始まりました!
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    鳩山総理「正直言ってくやしい」献金問題、終局の見通し

    2009年12月24日 20時01分29秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導


     のど元に刺さった魚の小骨のように鳩山内閣100日間の前進力を削いでいた鳩山由紀夫衆院議員(総理、民主党代表)の総務省届出政治資金管理団体「友愛政経懇話会」をめぐるお金の問題に一区切りつきました。

     東京地検特捜部は24日、

     「友愛」事務担当者(鳩山議員元公設第一秘書)を虚偽記載で起訴(在宅)しました。来年、東京地裁で公判が進みます。勝場啓二さんと言います。

     「友愛」会計責任者(同元政策秘書)を重過失による虚偽記載罪で略式起訴しました。東京簡裁は速やかに「罰金30万円、公民権停止3年」にしました=確定の見通し=にしました。芳賀大輔さんと言います。

     そして、総理の実母、鳩山安子さんは上申書提出のうえ不起訴。

     そして、「友愛政経懇話会」の代表者である鳩山由紀夫さんは上申書提出のうえ、嫌疑不十分で不起訴としました。

     世論は、この処分で軟着陸する見通しで、友愛政経懇話会の問題に関しては、ヤマ場を越えました。来年の国会で自民党からの質問にていねいに答えれば、乗り切れそうです。

     総理は午後6時から1時間強、記者会見し、国民におわびしました。そのうえで、若き日、当選1回生のころ、自民党経世会に所属しながら、ボス・金丸信に対する反発心も含めて「ユートピア政治研究会」(武村正義代表)に所属し、政治資金を自主的に国民に公開した日の志はいずこ?と質問され、

     「正直に申し上げると、悔しいです」と語りました。

     ユートピア研究会は、新党さきがけの母体となり、細川内閣樹立の一翼を担いました。そして、総務省に届け出た政治資金管理団体1つが、総務省のインターネットや収支公開室、各県の選管などで毎年分公開される、改正政治資金規正法へとつながりました。

     結果として、鳩山さんが「第二の金丸信」になってしまった皮肉、ずさんさ。総理は大いに反省すべきです。あの日と同じ志で、総理は残す人生のすべてを、政治の透明性・ディスクロージャーに捧げていただきたい。総理はきょう、上申書の写しを公開しました。その心意気は評価に値します。

     李下に冠を正さずといいますが、政権政党の議員は身内に厳しくなければなりません。鳩山献金問題では、予算委員会で自民党議員をヤジり倒す見苦しい民主党議員の姿がありました。このようなことではいけません。

     いずれ内閣改造があって、政務三役から政府外議員に転じた民主党議員は、似たような事件が起きたら、「説明が不十分だ」「大いに反省を」とどんどん厳しい発言をしてほしい。実はそれが政権を助けることになるのです。身内(権力者)に甘い政権与党議員など、国会議員以前に人間として最低の姿です。

     1月18日~22日召集見込みの通常国会にかけて、今後は、小沢一郎幹事長の「陸山会」による不動産不明朗取得事件に関心が移っていくことになります。

     暴風雨の中、民主党はきょうも一歩だけ、ちょっとかっこわるいけど、一歩前進しました。

    asahi.com(朝日新聞社):鳩山首相の元公設秘書を在宅起訴、元政策秘書も略式起訴 - 社会

     鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の政治資金収支報告書をめぐる偽装献金問題で東京地検特捜部は24日、実務担当の勝場啓二・元公設第1秘書(59)を総額約4億100万円の政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で在宅起訴した。会計責任者の芳賀大輔・元政策秘書(55)=現在は私設秘書=を同法違反(重過失による虚偽記載)罪で略式起訴し、代表の首相は不起訴処分(嫌疑不十分)とした。

     特捜部の調べなどでは、勝場元秘書は04~08年分の同懇話会の収支報告書に記載した収入のうち、故人らの名義を「寄付者」に使ったり、政治資金集めのパーティー券収入を水増ししたりして、計約3億5900万円分を虚偽記載したとされる。芳賀秘書は虚偽記載には直接関与していないが、会計責任者としての職務を怠った重大な過失により虚偽記載を見過ごしたとされる。これを受けて東京簡裁は同日、芳賀秘書を罰金30万円、公民権停止3年とする略式命令を出した。

     虚偽分の実際の原資は、鳩山家の資産管理会社「六幸商会」などから同期間に拠出された、首相と首相の実母の資金計約11億5千万円の一部とみられる。

     特捜部は、資金の管理や収支報告書の作成は勝場元秘書に一任されていたと判断。首相本人については、虚偽記載への関与は見当たらず、会計責任者の選任・監督責任についても不適格者を選んだとまでは言えないため、不起訴処分としたとみられる。

     また、勝場元秘書は、首相関連の政治団体「北海道友愛政経懇話会」(代表・芳賀秘書)の収支報告書の作成実務も担い、05~08年分で、首相の実母と姉からの年間各150万円の献金計1200万円を記載しなかったほか、パーティー券収入を計3千万円水増しした分も起訴内容に盛り込まれた。

     勝場元秘書は任意の事情聴取に対して容疑を認め、「親族からではなく、きちんと政治活動をして資金集めをいるように見せたかった。見栄えを良くしようと思った」などと動機を供述しているという。

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    ◎「控除から手当へ」納税者主権の税制改正大綱決定

    2009年12月22日 20時15分01秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
    [写真]左上から時計回りに、原口総務大臣、鳩山総理、藤井財務大臣、古川元久・内閣府副大臣、峰崎直樹・財務副大臣、小川淳也・総務大臣政務官

     代表無くして課税無し。
     税とはすなわち政治なり。

     鳩山内閣は22日、平成22年度税制改革大綱を決定しました。

     112ページの「大綱」をプリントアウトしていますので、感想はのちほど。

     50年続く暫定税率の廃止、代わったかたちで暫定的に1年間、ご負担をいただくことになります。

     とはいえ、「控除から手当へ」という民主党税制の基本理念がちりばめられた内容に仕上がったようです。「控除から手当へ」とは「税制の透明化(ディスクロージャー)」と同じ意味です。税理士を雇ったり、経理部を持つことができない私たち庶民、「家計」も、簡素な税制で公正な納税を安心してすることができる。その一歩です。

     1949年、GHQ(進駐軍)の要請で米国からやってきたカール・S・シャウプ先生、ウィリアム・S・ヴィックリー先生=後にノーベル経済学賞=らによる調査団の報告書、いわゆる「シャウプ勧告」から60年経って、私たちは国民による税制に一歩踏み出したことになるでしょう。

     偶然にも、尾張名古屋では、河村たかし市長が「市民税(=個人住民税と法人住民税)の減税条例」の可決・成立にこぎ着けました。

     突然ですが、クイズです。

     Q,社長とお母さん、賢いのはどっちでしょう?

     A.答えはお母さんです。なぜならメンバーすべての事情を見抜いているからです。控除から手当へ。企業から家計へ。政治が私たちの手元に戻りつつあります。

     経団連による法人優位の税制は、きょう、崩れ去りました。もちろん、粗特への切り込みにはまだまだ宿題が残りました。

     税制ですから、革命的な変化はあってはなりません。積み残しもたくさんあります。しかし、党内外からの理不尽な要求をはねのけ、野党時代からの信念を貫いた民主党税調は、もとい、政府税調は素晴らしかったと思います。

     増子輝彦・経産副大臣の一部ふるまいには、残念な面がありました。

     峰崎直樹・財務副大臣におかれましては、ぜひ来夏の参院選後も引き続き税制審議のリード役を務めてほしい、と思いますね。

     内閣府のホームページ(http://www.cao.go.jp/zei-cho/chukei/chukei.html)。

     民主党政権の税制調査会はすべてインターネット中継、資料のPDFダウンロードというオープンな透明な環境で審議されています。ただし、ここのネット中継が遅いんだけどね(笑)。

     2009年12月22日。
     民主党と日本国民は大きな1歩を、名古屋市民はさらにもう1歩、前進しました。
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    前原国交相、小沢チンピラ恫喝を拒否 幹事長室経由の「陳情」にゼロ回答

    2009年12月22日 19時24分13秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

    [写真]北方領土を視察する前原誠司国交相、右は泉健太・内閣府大臣政務官

     前原誠司国土交通大臣は22日の閣議後会見で、民主党の小沢一郎幹事長が突き付けた「重要要点」(通称:チンピラ恫喝ペーパー)の(8)の(1)について、「今まで申し上げてきた道路整備と全く違う考え方だ」と語り、平成22年度予算案(25日決定へ)に盛り込まないと表明しました。すでに鳩山総理に連絡済みのようです。

     あまり詳しくないので調べたのですが、「新直轄方式」と呼ばれる道路の整備方式があって、国3:自治体1の割合でおカネを出します。この国というのは、国交省の出先機関である地方整備局のことで、民主党は出先機関を全廃(職員の雇用は維持)することをマニフェストに掲げています。

     このため、これに代わり高速道路会社(旧日本道路公団など)が新規高速道路をつくるべきだ、という「陳情仕分けによる全国民からの要望」(小沢)とする「重要要点」では、

    (引用はじめ)

      (8)高速道路の整備

    (1)平成22年度において、高速道路会社による高速道路整備を推進するため、利便増進事業を抜本的に見直すとともに、いわゆる新直轄事業を取りやめ、これに見合う額を国が高速道路会社に対し支援する。また所要の法律を手当てする。

    (引用おわり)

     と書いてあります。ところが、これは党内でまったく議論されていない、党内デモクラシーに反する物です。

     前原国交相は「コンクリートから人へ、公共事業を抑制する姿勢に変わりはなく、高速道路整備も同様の方針で臨ませていただきたい」と、民主党支持者の間では有名なキャッチフレーズを交えながら、小沢幹事長の恫喝を突っぱねました。

     これにより、

    民主党幹事長室に陳情をしても、予算に反映されないことが明確になりました。

     陳情政治の終わりとともに小沢一郎の政治的な死が近づいてきました。それは同時に政治を国民の手に取り戻す、一歩です。

     前原ガンバレ!!

     負けるな前原!!


    asahi.com(朝日新聞社):前原国交相、高速整備の民主党要望「拒否」の意向表明 - 政治

     前原誠司国土交通相は22日の閣議後の記者会見で、高速道路会社による高速道整備を求めた民主党の予算要望について、「今まで申し上げてきた道路整備と全く違う考え方だ」と述べ、党の要望を拒否する意向を表明した。

     高速料金割引の見直しなどで出た財源を高速道路会社に回し、整備を推進するよう求めた党の要望に対し、前原氏は「高速道路会社にお金を渡して整備するということは全く議論していない」と反論した。前原氏は、来年度予算案への反映を拒否する意向と、2011年度予算の概算要求段階までに高速道整備のあり方を抜本的に見直す考えを、鳩山首相に伝えており、首相の判断を仰ぐという。

    「まったく議論されていない」高速道路会社による高速道路整備 | レスポンス自動車ニュース(Response.jp)

    民主党の来年度予算の重点要望で、突如、浮上した高速道路会社による高速道路整備について、前原国交相は22日「平成22年度の予算に含めることは余りにも短期間で、方針変更は国民に理解を得られない」という見解を示した。

    16日、民主党が政府にあてた「平成22年度予算重要要点」には、従来の国主導の高速道路整備を否定し、「平成22年度において、高速道路会社による高速道路整備を推進するため……、いわゆる新直轄事業を取り止め、これに見合う額を国が高速道路会社に対し支援する。また所要の法律を手当てする」とある。

    新直轄事業は道路公団民営化に伴い2003年、不採算でも必要な道路を国が税金を投入して整備する目的で採用された。民営化後の高速道路会社は採算の取れる道路だけを建設して赤字の拡大を防止し、高速道路の無料化開放に弾みをつけたはずだった。

    そのため前原氏も「今まで我々が申し上げてきた道路整備とまったく違う考え方で、党としてのまとまった議論としても認識していない」と、要望の真意を測りかねた様子。

    無駄な道路整備が拡大する懸念を否定するように、「コンクリートから人へ、公共事業を抑制する姿勢に変わりはなく、高速道路整備も同様の方針で臨ませていただきたい」と話した。

    《中島みなみ》
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    総理の背中を側近が後押し 暫定税率ついに廃止へ

    2009年12月21日 23時33分26秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

     鳩山由紀夫総理(民主党代表)は21日夕方、首相官邸に同党の小沢一郎幹事長を呼び出し、「暫定税率を廃止する」と通告しました。

     2008年4月1日、暫定税率の失効は、まさに民主党の青春の思い出であり、野党が政治を変えた憲政史上最大の出来事でした。

     小沢幹事長は、16日、揮発油税(ガソリン税)の暫定税率を維持すると読める「重要要点」という謎のペーパーを鳩山総理に突き付けていました。

     マニフェスト通り、国民目くらまし暫定税率は廃止し、税収難とガソリン価格の安定という現状を踏まえた、緊急避難的な代替財源(税制含む)に切り替えることを決断。小沢幹事長の要求をはねのけ、総理の求心力を高めることに成功しました。

     最終局面で、特別会計などから毎年出てくる「フローの埋蔵金」があるから、暫定税率を廃止しても大丈夫だという、総理側近議員の助言が決断を大きく後押しした、との観測が浮上しています。

     重要要点からほぼ24時間後。17日午後5時45分から、国会内民主党幹事長室に鹿児島県選出議員と県議団が小沢一郎さんを訪れ、具体的な政策提言をしました。

     このとき、小沢幹事長は「地方の経済は厳しいから、こういう要望は大事だよね。要望に応えるために、地方の皆さんが自由に使えるお金として、地方交付税1・1兆円、国交省・農水省に使い勝手の良い基金1・1兆円超を用意するよう、鳩山総理への重要要点に盛り込んだ」という趣旨の発言をしました。

     この発言はおそらく、「政策要望を受け付けない」という意味で、「地方交付税と新基金の総額2・2兆円に期待しろ」とうっちゃったのだと思います。

     この新しい歳出は「2・2兆円超」です。一方、歳入で維持するように「重要要点」に盛り込まれた暫定税率の額は「2・6兆円」。額が似通っています。

     この場に居合わせた総理側近は、強面の幹事長にひるまず、「ああ、だから私はガソリン値下げ隊長をクビになるんですね」と切り返した、と出席者が証言しています。これは、「北朝鮮」とも揶揄される政権交代後の民主党では勇気ある発言です。

     これに対して、小沢幹事長は「君が隊長だった頃のガソリン価格は180円ぐらいだったろ。今よりずっと高い」として、「(埋蔵金など)財源はあるんだけど、政府の中には『財源がない』と言っている人もいる」と語りました。これは、暫定税率を続けたうえで、来年度以降、ガソリン高騰の局面に、租税特別措置法(粗特)の暫定税率をいじることもあり得る、との考えを示したものでしょう。

     この場合、「暫定税率廃止」のマニフェストは「先送り」であって、「違反」ではありません。なぜなら、2008年4月の暫定税率失効に困り果てた自民党政権は、法律の付則で、暫定税率を向こう10年間、2018年3月31日まで延長していたからです。

     総理側近はこの日はここまでで議論を止めて、幹事長室から出ていったようです。

     ◇

     さて、その2日後。鳩山総理はコペンハーゲンから帰国すると同時に、首相公邸に側近を呼び、小沢幹事長からどのような話があったか、聞きました。この会合は秘書官も同席せず、サシで行われました。

     この中で、側近は「総理、マニフェストの旗は絶対に降ろしてはいけません」として国民との約束である暫定税率廃止の御旗はけっして降ろしてはいけないと進言したとされています。

     その上で、新たな財源(埋蔵金、税外収入)として、
     ①外為特会②財投特会③一般会計の不用額④特別会計の不用額--という4つの毎年出てくる「フローの埋蔵金」について、ペーパーを見せながら詳しく説明したようです。

     側近の話を、興味深く聞いた総理は、「これは菅副総理に話しておいてくれよ」と言いました。しかし、側近は「実は、副総理には1ヶ月前からアポを取っているのですが、財務省から出向している秘書官が会わせてくれないのです」と嘆くと、総理は目を丸くして、「それは本当かい?」と驚いたようです。

     そして暫定税率をめぐる小沢幹事長とのやりとりを聞いた総理は
     「なんで君が(暫定税率を廃止しろと)幹事長に直接言ってくれなかったんだい
     と聞くと、
     「そんなこと怖くて言えませんよ」。総理は「そうだよね」とうなずきました。

     公邸を後にする側近の背中を見ながら、鳩山総理は、建物に彫り込まれたフクロウの像に向かって、「彼もガソリン値下げ隊長を卒業して、立派な与党議員に成長したな」とつぶやいたとか、つぶやかなかったとか。

     政府外議員であっても、鳩山政権を守り抜こうとする側近の後押しが、総理の勇気につながりました。

     ガソリン値下げ隊の志とあの日と変わらぬ澄んだ瞳があれば、民主党はどんな苦難も絶対に乗り越えることができます。

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    あっぱれ総理大英断! 子ども手当は所得制限なし

    2009年12月21日 20時35分40秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
    [写真]英断を下した鳩山由紀夫首相(右)。左は静岡3区の小山展弘衆院議員=この記事とは特に関係なし=2009年12月15日、首相公邸で。

     鳩山由紀夫総理は21日夕、子ども手当に所得制限を設けないという英断を下しました。総理のご指示を受けた財務省政務三役は、厚労省の子ども手当に関する概算要求をそのまま平成22年度(2010年度)本予算案に盛り込むことにしました。すでに主計局のコンピュータ上の作業も済んでいるでしょう。

     子ども手当に関しては、16日、小沢一郎・民主党幹事長が官邸に乗り込み、「全国民の要望だ」として、「平成22年度予算重要要点」という謎のペーパーを総理に突き付けました。

     このペーパーには、「所得制限については、その限度額は予算編成にあたり政府与党で調整し決定する」と書いてありました。

     しかし、民主党のマニフェストや、野党時代の議員立法「子ども手当法案」には、「所得制限」という論点自体がなく、「筋が通っているようでそれ自体が言い掛かり」だという小沢幹事長特有チンピラまがいの恫喝でした。

     意を決した副幹事長のひとりがこの文面について「国民・団体からの陳情は一件もなかった」と勇気ある告発をし、きょうの総理の英断につながりました。これにより、小沢幹事長の民主党内での影響力は大きく低下しました。

     鳩山内閣はあす22日(火)に、税制調査会の税制改正答申、さらに25日(金)に平成22年度本予算案を閣議決定する見通し。

     当たり前のことを当たり前にやっただけのように思えますが、実際は、当たり前のことを当たり前にやることがイチバン難しいのです。台風のような税収難に日本丸は襲われています。しばらくは日本国民一致団結です。

     コメント欄で当ブログの背中を押してくださった皆さまもありがとうございました。そして、おめでとうございます。政治を国民の手に取り戻す大きな一歩です。

     総理のご英断もあり、何とかよい年越しができそうな気配が出てきましたよ! 
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    拝啓 可部哲生・主計官 子ども手当の所得制限へ反対の声を聞いてください

    2009年12月20日 11時57分09秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

    [写真]財務省(東京・霞が関、宮崎信行撮影)

     財務省主計局厚生労働係担当主計官 可部哲生様

     拝啓

     厳冬の中、平成22年度予算政府原案に向けて、不眠不休で働く主計官に突然、お手紙をお送りする非礼をお許しください。

     一般会計で「26兆4133億円」と昨年を1兆2565億円も上回る概算要求をしてきた厚生労働省。本当に困りものですね。ご同情申し上げます。

     可部主計官は昭和60年に大蔵省に入省された後も、主計局主査として児童手当をご担当になったことがあるようで、その経験も「子ども手当」に生かされようとされていることかと拝察いたします。

     「子ども手当」ですが、「児童手当」と同様の所得制限をかけることについて、霞が関の外で、大変な反対論が上がっています。

     ぜひとも、平成22年度予算の査定では、「所得制限」を見送って頂きたく存じます。

     政権交代による、長妻大臣の概算要求は、まさに私たち民主党に期待した国民の概算要求です。

     誇り高き主計官が、「社会全体で子どもを育てる」というマニフェストの根本哲学を理解され、「日本の未来」「日本の希望」に予算付けをしてくださることに期待しています。

     さて、お忙しい主計官のために、民主党幹事長の「重点要点」提出後に、ネット社会に寄せられた「国民の声」をお届けします。ご笑覧いただければ幸いです。

     メリハリのあるさすがは主計局だ、と思わせる予算の仕上がりを楽しみにしております。

     激務のさなか、お風邪など召されませんように。日本のために、叡智をいかんなく発揮されることを、市井から期待しております。
                                                 敬具

    平成21年12月20日 宮崎信行


    【当ブログ内に寄せられたコメント】

     そもそも、配偶者・扶養控除を廃止することにより重病人や障害者が苦境に追い込まれる恐れがあったのに、ここにきて子ども手当の所得制限とは。この制限額は、すぐに年収を下げられて、まともなサラリーマンはあっと言う間に対象外になります。そこに創価公明・創価自民の利権の温床があり、租税も福祉行政も腐り果てさせてしまったのです。

     子供手当ては「社会で子供を育てる」「少子化対策」の二つの大きな柱が政策理念のはずです。
    「所得再配分の機能」あるいは「貧困層の子育て支援」がこの政策の目的ではなかったはずです。
    2000万円以上は子供手当てをしないということなら、共働き世帯の夫婦で子供1人の家庭で「もう1人産もうかな」という夫婦の出産意欲を殺ぐでしょう。先行して行なっているフランスやドイツが所得制限をつけずにおこなって出産率が上昇しているという事実を無視するのでしょうか。
    外国の良い政策を「そのままモノマネ」することは日本人の特技であり、それで成功したはずです。

     高い税金毎月まじめに支払って、7歳の子供の子育てしています。税金払わずに、パチンコ、酒、生活保護を受けているひともいます。同じ子育てしているのに、所得制限なんて、ひどい話です。高額所得のぎりぎりラインで、くぎられている私たちなんて、毎月高すぎる税金はらうのもうんざりしています。言わせて貰えれば、それなりのお金をかけてきたこその今の所得なんです。差別はゆるせません。

     高校の先輩や同級生が民主党の議員なので、民主党に投票してきましたが、約束破りはがっかりです。がっかりというか、ちょっと死活問題です、私としては。

     所得制限私も大反対です。いつもぎりぎりのラインで児童手当もらえませんでした。夫は営業職なので、持ち出しが多く、実際手元には少ない生活費しか残りません。所得制限がないというから民主党にいれたのに、大嘘つきですよね!!小沢ほんとにむかつきます。

    【ツイッターのつぶやきから】

     子ども手当の所得制限に反対してたら「私高所得者なのよね」って言ってるみたいで逆に非難されそうだからあまり表立っては反対運動できないかも。ツイッターでなら本音だしまくれるけどね。そういうところを民主党の皆さんにみてもらいたいですね。

     現金給付はもらえたりもらえなかったりすると(該当する年の子どもいるいない、所得制限ひっかかるひっかからない)誰かが喜び誰かが悔やみ、そして恨まれる。だって、貧しくても余裕があってもお金は欲しいんだもん。あると助かるレベルでも、あるとまた遊べるってレベル 。

     子供手当の支給に所得制限か… 財源が苦しい中、一見良案だけれども、これからの日本を担う彼らに「国からの愛情」に差をつけて良いのだろうか?

     えー!!全員に子ども手当支給つってただろーが!ぼけ!かすが!ミンスー!まぢないわ!所得制限とかまぢksg!!!!!

    【与党議員の個人ブログから(抜粋)】 

    宮崎岳志・衆院議員(群馬1区、衆院厚生労働委員)

     政策会議に出席された長妻厚労大臣は、挨拶の中で「家内に『うわごとを言っていたよ』と言われた。予算折衝の夢を見て、うなされていた」とこぼしていました。財務省との攻防は、熾烈を極めているようです。(中略)子ども手当の所得制限が浮上しているようですが、私は「子ども手当」のそもそもの理念から考えて、所得制限には反対です。もし財源が足りないとしても、所得制限をかけるくらいなら額を減らすか、これまで児童手当で負担してもらっていた分くらいは自治体に負担してもらう方が良いと考えています。

     ◇

    井戸正枝・衆院議員(兵庫1区、5人の子どもを育てる)

     亀井大臣が「鳩山さんのお孫さんにも子ども手当をさしあげるのはいかがなもんか」発言をされたが、実は・・・所得制限をしても、その可能性は消えないのである。・・ってのは。どんな大豪邸に住んいようと、軽井沢に別荘持っていてもこの「所得制限」に関しては、純粋に所得しか見ない。つまり、たとえば鳩山さんのお孫さんの親が、学生だったり、所得が少なかったりしたら、貯蓄の額だとか、株式保有数がケタ違いだったりしても・・もらえるんですね。だ・か・ら。子育て環境に関しては、フロー見ちゃうと限界があり、ストックを加味しなければ、不公平感は解決されないのである。それと、所得制限するということは、少なくとも女性の社会進出についてはブレーキがかかる。少子高齢化社会の中では、女性と、高齢者の社会での貢献が必要だが、結局「働く方が損」となると、ますます子は産まれず、負のスパイラルの逆転はおぼつかないであろう。貧困対策と、少子対策は重なる部分はもちろんあるが、根本的は違う。そして子ども手当はもちろん経済政策、景気対策的側面が強いわけだが、どうもその辺がきっちり伝わっていないのでないかと危惧する。

     ◇

    江田五月・参議院議長

     保有する資産価値の減少による将来不安に備えるため、節約志向で消費抑制している。家計を直接暖める予算措置を急がなければならない。

     ◇

    長尾敬・衆院議員(大阪14区、衆院厚生労働委員)

     国会に来て驚くことばかりであるが、何よりも驚くのは、我が党の事情、国会の様子を新聞で初めて知ることが多いことだ。これは他党の議員との雑談でも同様のようだ。また、事実と違うことが実に多い。成る程、世論はこうして歪められていくのかと納得。例えば、来年6月から実施を目指す子供手当ては、子供に支払われる。事務的には口座名義人が親である口座への振込みになどになると思うが、子供には基本的に所得がない。つい先程、長妻大臣から直接伺った事だが、よって、この政策には所得制限を設けないと言うことを一貫させている。しかし、報道では所得制限の文字が踊っている。少なくとも今はそういう議論がないのに火の無い所に煙が立つのだ。

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