自民党が総裁選でさんざん、時間を食いつぶしておきながら、大幅延長というのも自分勝手ですね。自民党ではなく自分党ではないでしょうか。
ところがハッキリ言って、国民はすぐに忘れてしまうんですね。ですからこの大幅延長は自民党の都合だということを年末まで、覚えておきましょうよ。
福田新総裁が誕生、24日に党3役選任へ(ロイター) - goo ニュース
自民党の両院議員総会が23日開かれ、総裁に福田康夫さん(群馬4区)を選びました。 国会議員票と地方票(47都道府県連が3票ずつ)をあわせて、福田康夫さんが330票、麻生太郎幹事長(福岡8区)が197票でした。
8つの派閥の推薦を取り付けた福田さんの国会議員票は254票、国民的人気は高いと言われた麻生さんが132票。各マスコミは「麻生氏が健闘した」と評価していますが、私は麻生さんの票は伸び悩んだと思います。
福田さんに投票しても、閣僚になれるのは14人~17人ほどですし、党幹部も限られています。無記名ですから第45回総選挙で勝てる総裁という判断基準なら、麻生氏に投票する衆院議員が最終局面で増えると予想していました。
福田さんは次のように述べました。――「感激している。職責を十分に果たすよう全身全霊かけて励んでいく覚悟。自民党は大きな困難に直面している。国民の信頼を回復し、着実に政策を実行する政党に生まれ変わりたい。私はその先頭に立ってやっていく」――
このロイター(Reuters)の配信記事に私の恩師がコメントを寄せていました。
――総裁選の結果について、山本武彦・早稲田大学政経学部教授はロイターの取材に対し「福田新総裁は、安心・安定・安全を象徴している。今の自民党内のそうした期待を福田氏は示している」と指摘。この先の政権運営では、野党が過半数を握る参院での法案審議が政府・与党にとって障害となるが「日本には妥協の美学がある」とし、福田総裁が妥協を図ることで局面の展開を目指すのではないかとの見方を示した。――
昨年、山本先生と内外の政治情勢について意見交換したときも、当時「麻垣康三」(麻生、谷垣禎一、福田、安倍晋三の各氏)と言われた小泉純一郎総裁の後継は福田康夫さんがいいのではないかということで意見が一致しました。5年半にわたる長期政権、構造改革による経済・社会の激変の後には、調整型の政権の方が、自民党にとっても政権政党であり続けることができる。外交面でもそうです。
昨年の総裁選で安倍さんが地滑り的勝利を収めた理由は理解しがたいです。まるで集団催眠現象に陥ったようでした。
総裁の任期は、前総裁の残り任期の2009年9月まで。24日に決定する党3役のうち、幹事長は政権をかけた第45回総選挙の公認、陣頭指揮にあたる大役となります。
組閣は25日中にできるでしょうか? 少なくとも「お友達内閣」という心配はないでしょう。この内閣で次の総選挙に望む可能性が高いので、よりいっそう、注目したいものです。
福田さんのプロフィール | ||
● | 当選回数: | 6回 |
● | 生年月日: | 1946年(昭和11年)7月16日 |
● | ホームページ | http://www.y-fukuda.or.jp/e_index.html |
【初投稿2007-9-22】
民主、農業者所得補償法案を今国会提出へ(朝日新聞) - goo ニュース
【戸別所得保障制度が法案化、臨時国会で参院可決も?】
民主党は21日、農家への「戸別所得補償制度」を創設する「農業者戸別所得補償法案」(仮称)を参院に提出出することを決めました。
米、麦、大豆、菜種、てんさい、でんぷん原料用馬鈴薯(ばれいしょ)などを対象に、標準的な販売価格と生産費の差額を、生産農家に直接補償する法案です。
農家への戸別所得保障制度(予算額1兆円)は民主党が第21回参院選挙で「国民との3つの約束」の一つとして打ち出しました。
ちなみに「3つの約束」とは、①年金通帳を交付し、正しい年金記録を作り直したうえで、年金の基礎部分を税金でまかなう(収入が多い人は傾斜的に減額)②子ども手当を中学3年生まで一人毎月2万6000円支給する③農家の市場価格と生産価格の差額を政府がささえる戸別所得補償制度――でした。
ビラ(最近では、簡易版マニフェストと言うんですね!)では3番目の「国民との約束」でした。が、演説では小沢一郎代表が一番力を込めて演説していたのが印象的でした。演説の趣旨は食糧自給率100%を目指すことで、それによる国家の安全が保障されるという意味合いに私は解釈しました。
この政策には、前の通常国会で農林水産委員会の野党側筆頭理事として活躍した篠原孝さん(長野1区比例)の考えが多く採用されていると聞きます。
【日本農業の粗生産高はわずか9兆円】
農業は林業・漁業と同じ第一次産業に分類されます(以下、wikipedia「農業」からの引用です)。
農作物栽培の場合、基本的に自然を対象にするため、日照や気温、降水量などの気象状態に左右されやすく、市場での価格変動もあり、収入面での安定に欠ける面があるとのことです。
ちなみに2003年の日本の農業の粗生産高は8兆9,986億円・・・これって少ないですよね。この粗生産高というのは、現金(マネー)の動きに限らず、牛が2頭増えれば、その評価額も計上されるようです。言ってみれば、棚卸し資産のようなものでしょうか。
予算額1兆円というと、大それたことのように思えるのですが、ここは数字の錯覚で、カロリーベースでわずか39%の食糧自給率、生産価額ベースではもっと低い日本の農業。減反して補助金、生産調整のため野菜を潰して補助金――という補助金の削減。それと農業土木の削減。この2つをやれば、十分財源は確保できると私は考えます。
ですから、超極端な話をすれば、国営農業でもやっていけそうなくらい、日本の農業の付加価値額は低いようです。このまま世界貿易機関(WTO)の農業交渉で、経済のグローバリゼーションの世界に日本農業を送り出していいんでしょうか?
【追記 2007-09-28】
このエントリー(記事)は、連日google検索で多くの方が訪れてくださっています。(gooの分析によるもので、IPアドレスなどはこちらから見えませんから、御安心ください)
農家の方がこの法案にたいへん興味を持っていらっしゃることをひしひしと感じます。
【追記 2007-10-18】
民主党が法案を参院に正式に提出しました。
次のエントリーにまとめましたので、ぜひご覧ください。
政権交代へついに切り札登場! 民主党、農業者戸別所得補償法案を参院に提出
アフガンメディア、民主の「黄門様」直撃(朝日新聞)
2007年9月6日(木)22:49
「もっとわが国も積極的な協力をしたい」。民主党の「黄門様」の愛称で知られる渡部恒三・同党最高顧問は6日、国会内でアフガニスタンの新聞の取材を受け、同国支援への協力姿勢をしきりに強調した。
小沢代表は同国での対テロ作戦を支援するテロ対策特別措置法の延長に反対しているが、記者は渡部氏に復興支援への関与を引き続き求めた。ただ、渡部氏は「臨時国会で議論する。私がどっちがどうとは言えない」と静観の姿勢を示した。
アフガンメディア、民主の「黄門様」直撃(朝日新聞) - goo ニュース
国会論戦は休戦中。しかたがないので、自民党総裁選挙の福田康夫、麻生太郎候補の街頭演説でも聴きに脚を運ぼうかと思ったら、「二人とも議員会館で党所属の全国会議員にあいさつ周り」とお昼のNHKニュース。しかたがないので、12日たってしまいましたが、この記事について書きたいと思います。
渡部恒三さん(福島4区)が日本アフガニスタン友好議員連盟会長だったことは初めて知りました。こういうのって外交・安全保障とどう関係があるのか?と思う向きもあるでしょうが、私は大いに関係があると思います。
国際政治学・安全保障論に「信頼醸成措置」という言葉があります。英語ではConfidence Buillding Measures、頭文字を取って、「CBM」ないしは「CBMs」などと言います。この「CBMs」の複数形を意味する「s」(スモール・エス)がミソです。
二国間外交にしろ、多国間外交にしろ、首脳会談だけでは意味がないということに異論をとなえる方はいないでしょう。駐在外交官が食事会を開いて情報交換。経済使節団が訪問してビジネス交流。民間人による文化交流。学生訪問団や相互の交換留学制度などがあれば、その友好関係は半世紀を超えるものになるでしょう。
安倍晋三政権の功績として、日韓外交の改善を挙げる人が多いです。なぜ、日韓外交は改善したのか。日本から韓国への年間の観光客が以前に比べて1・5倍に増えたことも複数の理由の一つです。特に40~60歳代の女性の団体客が飛躍的に伸びました。
その要因は何でしょうか? そうです「ヨン様」です! ペ・ヨンジュンさんをはじめとする韓国俳優たちの人気が韓国への関心を高め、観光というか、人的交流というか、とにかく日韓関係を大きく改善させたわけです。「微笑みの貴公子」ヨン様は「平和の貴公子」だったのです。このことを、「ヨン様ブーム」に「何だよ、チッ!」と舌打ちした、日本のステキなおじさまも素直に認めましょう。
「民主党の黄門様」の話が「ヨン様」の話になってしまいましたが、つまるところ、外交は首相、外相、外交官の独占物ではない。
インド洋で海上自衛隊がパキスタン軍艦船に無料でガソリンを提供することは、アフガニスタン国民と日本国民のCBMsの「s」(スモール・エス)の一つといえるのでしょう。日本・アフガニスタンの友好関係にとって、アフガニスタンが平和であることは絶対的な条件です。でもそれに至る方策には、絶対的な一つの条件があるわけでなく、いろいろな条件があります。恒三さんが、アフガニスタンの新聞に「支援への協力姿勢をしきりに強調した」――それも「s」(スモール・エス)です。
アメリカ発行部数最大(550万部)のニュース週刊誌「タイム(TIME)」の最新号の表紙は安倍晋三さんです。アジア版・2007年9月24日号です。私はこの雑誌を定期購読していて、最近、日本に関するページが他のアジア諸国と比べて減っているような感じがしていて「日本への関心が薄れてきたのかな」と嘆いていたのですが、久々の日本人登場です。
表紙には「安倍首相の後継者――若きボクサーに敗北のタオルが投げ込まれた。日本が必要とするリーダーシップを発揮できるのは誰?」と書かれています。 原文は“After Abe--The young champion throws in the towel.Who will give Japan the leadership it needs?”
この記事を読んでいて、デクライン(decline)という言葉が頻りに出てくることが気になりました。出生数のデクライン、株価のデクライン・・・デクラインにはいろいろな語義があり、グランドコンサイス英和辞典(三省堂)には「衰退、下落、下り坂」などが載っています。
こうして写真で振り返ってみると、わずか1年の政権でもいろいろなことがあったんですね。衆院補選では二世候補を擁立して2勝0敗、中国の温家宝首相が来日、閣僚の自殺、参院選、そして退陣表明・・・
権力の座から去る者の孤独を表現した上手い構図の写真です。
おつかれさまでした。
安倍晋三首相の辞意表明に伴う第22代自由民主党総裁選挙は15日午前、党本部で立候補を受け付けました。立候補者は福田康夫衆院議員(71歳、群馬4区)と麻生太郎衆院議員(66歳、福岡8区)の2人だけで、両氏の一騎打ちとなりました。再来週の24日(祝日)に衆参国会議員と県連代表3人ずつによる投票で新総裁を選出します。安倍総裁選出時と同様、党大会は開催しません。
福田康夫さんは福田赳夫元首相・蔵相の長男で、森・小泉内閣の官房長官を務めました。
麻生太郎さんは吉田茂元首相・外相の長女、麻生和子さんと麻生太賀吉元衆院議員の長男。経済企画庁長官、総務相、外相を務めました。実妹は三笠宮寛仁親王のお妃である三笠宮寛仁親王妃信子さま。
第22代総裁の任期は2009年9月までで、偶然ですが、現在の衆院議員の任期と同じです。
年金保険料流用禁止法案、民主が参院に提出(読売新聞) - goo ニュース
このエントリーは民主党本部のウェブサイトを参考に作成しました。
(http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=11797)
【民主党、年金流用禁止法案を参院先議で国会に提出】
自民党総裁選のため国会が休会状態になっている9月14日、民主党は「年金流用禁止法案」を参院に提出しました。7月の第21回参院選の圧勝を受けて、第167臨時国会にも提出していましたが、同国会は4日間の会期でしたので、審議されることなく廃案となっていました。
これまで国民が掛けた年金保険料は、社会保険庁が広報活動などの事務費にも使っていました。民主党案は年金の保険料は年金受給者への年金給付にしか充てられないことにします。
直嶋正行政調会長(参院全国比例)、福山哲郎会長代理(京都選挙区)、大塚耕平副会長(愛知選挙区)、蓮舫・民主党ネクスト年金担当副大臣(東京選挙区)の4人の参院議員が記者会見しました。(ちなみに長妻昭ネクスト年金担当大臣は衆院議員です)。
直嶋政調会長は「年金保険料を年金給付以外に流用する制度は廃止するという参院選での国民との約束(政権公約)をできるだけ早く実現する」との考えを説明。通常国会で政府与党が強行採決した法律によって、年金事務費に保険料を使う仕組みが恒久化されたとして、過去の「グリーンピア」などのハコモノ事業や年金記録漏れ事件などを挙げ、「(現状の年金制度は)運用面で国民の皆さんの信頼を失っている」と指摘しました。
【国民皆年金は日本の宝、年金ダムからの横流しを許すな】
下町の太陽はこの法案は至極当然の法案だと思います。我が国は世界に誇る「国民皆年金」制度を持つ国家です。異論を挟む方もいるでしょうが、「国民皆年金のダム」には穴こそ空いているけれども、決壊はしていません。その国民皆年金を保証するのは政府の役目ですから、広報や強制徴収など最低限の予算は政府の一個目の財布である一般会計から出すのは当然のことです。
郵便貯金には長年にわたって政府保証をしていながら(10月1日以降は郵政民営化に伴い、政府保証はなくなり、銀行・信用金庫同様に預金保険制度(いわゆるペイオフ)の対象になります)、年金ダムには穴が空いているのを見過ごし、ダムの水を特別会計ダムに横流ししてきた自民党政権の態度は、ハッキリ言って「犯罪」だったと思います。
【参考】 下のエントリー(記事)もあわせてご覧ください。
「野党、年金流用禁止法案と郵政民営化凍結法案を参院に提出」
2007-08-10 07:37:51 | 第167臨時会(2007年8月)
http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/72b427187012ddaf01d101264ee4ab86
【2007年9月12日安倍首相記者会見(首相官邸)】
安倍晋三首相の記者会見が終わりました。本来は7月29日参院選開票日に内閣退陣を表明すべきでした。
私が日経新聞記者として総理番を担当した橋本龍太郎さんは、怒ると恐い人でした。しかし、政策に関して、よく準備して質問を投げかけると丁寧に答えてくれました。日本の民主政治の原理原則である「憲政の常道」を大事にした政治家でした。
だから、第18回参院選での自民党大敗・民主党圧勝のその当日に退陣を表明したのだと思います。後に自民党総裁選挙に再チャレンジしましたので、首相としてやりたいことは残っていたはずです。「橋本6大改革」は中央省庁再編しか実現しませんでした。公約達成率はわずか16・6% に終わったという表現も出来るでしょう。悔しかったでしょう。憲法の規定からすれば、参院選で負けても、総理大臣を続けられます。それでも守らなければいけないのが憲政の常道です。
所信表明演説を終え、代表質問を受ける前に首相が辞めたのは歴史上初めてのことだと思います。
虚心坦懐、さっぱりとするのなら、衆院解散→総選挙が一番手っ取り早いです。安倍晋三首相(52)が最後の記者会見でも口にした「戦後レジーム(体制)からの脱却」。それはすなわち、安倍さんと同い年の自民党がいったん政権から離れ、野党になることにほかならない、と私は考えます。
安倍晋三さんは馬鹿です。私は昨年、小泉政権時代の安倍官房長官の答弁を聞いて、そのことを確信しました。具体的にどの答弁かは、質問を受ければ、はっきり示します。馬鹿を首相にしたのは自民党国会議員です。任期満了に伴う党首選挙にもかかわらず、党大会を開かず、国会議員だけで決めたのです。世界の民主主義政党でこのような暴挙に出る政党を私は知りません。既に1年前から今日の結果は目に見えていたのです。
現在、今夜の晩ご飯は食べられそうだけど、明日の晩ご飯のめどはつかないなあ、という方もいらっしゃると思います。もう少し、あきらめないでください。日本の夜明けはもうすぐです、きっと。
第168回臨時国会が10日(月)、始まりました!「国会傍聴記」もいよいよ本格スタートです!
これから11月10日(土)までの62日間の会期中に、私たちがかつて見たことがないような光景、聞いたことがないような論戦が繰り広げられるでしょう。歴史の分水嶺です。不安を感じる方も多いでしょうが、一人一人が歴史の証人になるチャンスなんです。
■国会傍聴記 9月10日衆院本会議 総理所信表明演説■
まずは、安倍晋三首相の所信表明演説が衆議院本会議場と参議院本会議場で1回ずつ行われました。忙しい人のためにかいつまんで言うと「特筆すべきことはない」20分弱の演説でした。が、いくつか思いついた点を上げてみますね。(衆参とも同じ内容ですが、私が聞いたのは衆院本会議です)。
写真は共同通信、第168臨時国会で所信表明演説をする安倍首相=10日午後、衆院本会議場
【改革を止めてはならない→首相続投】
まず参院選で大敗したにもかかわらず、安倍さんが引き続き政権を担当する理由を説明。この中で「戦後レジームからの脱却」「改革を止めてはならない」という選挙前からのキーワードを使いました。それは自民党が政権から離れるのが一番だと思うのですが。
参院選惨敗の一因である中央と地方との地域格差の問題では「県境なき医師団」を提示しました。(たぶん初めて?)。
【日本人24名が亡くなった「9・11」→テロ特措法継続すべし】
第168回臨時国会の与野党攻防の最大のカギは、「テロ対策特別措置法」(11月1日期限切れ)。約6年前の「9・11同時多発テロ」に対して同年11月にできた法律です。インド洋(アフガニスタン周辺)で自衛隊が米国などの軍への給油などの後方支援活動をする根拠となっている法律です。これを延長するか、新しい根拠法をつくらないと、自衛隊は給油活動をやめなければならず、総理はこれが継続できなければ内閣総辞職する考えを記者会見を示唆しました。
所信表明では「総辞職」についてはふれず、「米国同時多発テロで24名もの日本人の尊い命が失われたことを忘れてはいけません」と語りました。米同時多発テロは日本にも他人事ではない。つまり、「ブッシュ大統領に頼まれたから、延長するんじゃないんだよ~~」という趣旨のメッセージです。この発言をどう解きほぐしていくかは、12日(水)~14日(金)の野党の代表質問に期待したいです。
【「美しい国づくり」が出てこない!?】
演説を聴いていて「あれっ?」と思いました。「美しい国」という言葉が出てこないのです。まるっきり、出てこないので、参院選惨敗で封印したのかと思いました。
演説中、「世界一災害に強い国づくり」などあいまいな文言が並びました。(「災害に強い国づくり」って、国によって地理的条件が違うのに何をもって「世界一」というのでしょうか?)
「主張する外交」という対外姿勢は就任時から変わらず、首相の1年間の外交方針からも評価できます。
さて、演説の終わり、最後の最後までためて、「美しい国づくり」が出てきました。
「私の目指す政治とは我が国をとりまく厳しい環境変化に対応しながら、日本が本来持っている今も生活の中に息づいている自立の精神、他者への思いやり、あたたかさといった価値を守り、伸ばしていくこと、そして国民ひとりひとりが日々の生活において真の豊かさ潤いを実感できるようにすることすなわち美しい国づくりを進めていくことであります」と語りました。
「すなわち」というのですから、これをひっくり返すと、
美しい国づくりとは、(=)国民ひとりひとりが日々の生活において真の豊かさ潤いを実感できるようにすることである。
と定義できることになります。よく覚えておきたいものです。
【中川幹事長退任で重しが取れた?】
このほか、選挙後の修正点としては、財政改革について、「2011年にプライマリーバランス(基礎的な財政の収入と支出)を黒字化するとの目標に向け、揺るぎない歳出・歳入一体改革の道を進みます」と語りました。ここは少し違っていました。「確実に黒字化する」(1月施政方針演説)→「黒字化するとの目標に向け」とハードルを下げています。
ただ、「歳出歳入一体改革」(税金のムダを減らし、増税なども同時に行う)をハッキリ言った印象がありました。これは自民党幹事長だった中川秀直さんが「上げ潮路線」という景気回復を優先する経済・財政政策を進めていたことに対して、参院選惨敗の責任をとって中川さんが幹事長を辞めたことで重しが取れ、総理は持論をハッキリ言えるようになったのではないかと思いました。
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第168回臨時国会召集を前日にひかえて、安倍晋三首相が極めて重要な発言をしました。主権者(有権者)にとって、総理のこの記者会見での発言(=国民との約束)は少なくとも11月1日まで、けっして忘れてはいけないものだと思います。
給油、継続できなければ退陣 安倍首相「職を賭す」(朝日新聞) - goo ニュース
安倍首相は9日、シドニーでの記者会見で、自衛隊の給油活動について「国際社会から高く評価、期待されている」として、「継続のための法案を提出し、成立を果たしていかなければいけない」と強調した。
「活動が継続できなければ内閣総辞職する覚悟か」との質問に、「あらゆるすべての力を振り絞って職責を果たしていかなければならない」と答えた後、数秒考え、次のひと言を加えた。「当然、私は職責にしがみつくということはありません」
これは11月2日の時点で、アフガニスタン周辺のインド洋で米軍などへの海上自衛隊の給油活動ができなかったら、首相を辞めるという意味に他なりません。
まあ、この発言の真意をあれこれ考えてみましたが、どうもはっきりしませんので、今回は下町の太陽の考えは書きません。
ただ、10日発売の夕刊フジ2面(2007年9月11日付B版)に興味深い見方がありましたので、ご紹介します。
政治アナリスト・伊藤惇夫氏の話「民主党にしてみれば、安倍首相で総選挙をしたいわけだから、ポスト安倍次第ではあるが、総辞職されたら困ってしまう。『辞めるぞ』というのは、民主党に対する脅し、ブラフになる。そういう意味では『オレで総選挙したかったら法案を通せ』という開き直りともいえる」
この見方は面白いですね。とはいえ、ほかの見方もできるでしょう。いずれにしろ、この発言に対する答えは2ヶ月以内に答えはでます。
【追記9月10日午後23時】
首相官邸ウェブサイトで、記者会見の全文を確認したのですが、よく読むと、「総辞職」とは言っていませんね!?
記者の「先ほどのインド洋での給油活動の継続の関連でお伺いするが、先ほど総理は継続に全力を挙げて取り組むと、職を賭して取り組んでいくと仰ったが、これは継続が叶わなかった場合には、内閣総辞職するという覚悟で臨むと、そういうふうに理解してよいか?」と質問しました。これに対して安倍首相は
「私が申し上げたのは、継続を可能にするためには、あらゆる努力を払わなければいけないということである。私の責任において、職責において、あらゆる全ての力を振り絞って、職責を果たしていかなければならないと考えている。当然、私は、私の職責にしがみつくということはない」
これは内閣総辞職を意味していないですね。ただ、新聞社や通信社など報道機関が「内閣総辞職」と受け取らざるを得ないと思います。読売新聞夕刊1面(朝刊は休刊)は、「内閣総辞職」を少し打ち消す小見出しを付けていました。
【11月1日まで絶対保存します! 安倍総理のAPEC首脳会議における内外記者会見・全文】(色・ゴチック部分は下町の太陽)
http://www.kantei.go.jp/jp/abespeech/2007/09/09press.html [テキスト版・首相官邸website]
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg1372.html[動画版・政府インターネットTVwebsite]
【安倍総理冒頭発言】
今回のAPEC首脳会議では、気候変動とエネルギー安全保障について、地球環境の将来やエネルギー資源の有効性を考慮した上で、どうすれば世界全体の繁栄が確保できるかという視点から、突っ込んだ議論を行った。
私からは、「美しい星50」の構想を説明し、発展著しいアジア太平洋地域で、気候変動問題が重要であること、そして日本が省エネルギー技術などで貢献することを強調した。そして、各国首脳から理解と評価を得ることができた。首脳宣言は、「美しい星50」を反映をしている。また、エネルギー効率の向上、森林面積の増加についての数値目標を含む内容となった。今回の成果は、北海道洞爺湖サミットにつながる進展であると考えている。
今回の会議では、WTOドーハ・ラウンド交渉についても、首脳間の認識を特別の文書としてまとめることができた。
個別の会談については、基本的価値と戦略的利益を共有する日米豪において、初めての首脳会談を行った。この会合においては、地域の平和と安定のため、三カ国の連携の重要性を確認するとともに、米豪両国首脳から、テロとの闘いについて、日本の貢献に対して高い評価、謝意が表明された。私からは、日本として、テロとの闘いを継続していく意志について説明をした。これは、ブッシュ大統領との日米首脳会談においても、説明をしたところである。国会の状況は大変厳しいが、このように国際的な公約となった以上、私には大きな責任がある。テロとの闘い、現在行っている自衛隊の補給活動を継続させるためには、あらゆる努力を行わなければならない、このように決意をしているところである。民主党をはじめ、野党の皆様のご理解をいただくために、職を賭して取り組んでいく考えである。
二国間会談については、ブッシュ米大統領、プーチン露大統領、ハワード豪首相、そしてカルデロン墨大統領と個別に会談を行った。二国間の関係について、また、国際的な情勢について協議を行った。
最後に、今回、オーストラリア政府そして国民の皆様から、大変暖かい歓迎をいただき、この美しいシドニーの地で歓待をいただいたことに感謝を申し上げたい。
【質疑応答】
(質問)
ブッシュ大統領に対して、インド洋での給油活動を継続するためには最大限の努力をすると伝えられたが、明日からの臨時国会では、テロ対策特措法を延長する法案を提出するか、それとも初めから新たな法案を提出するのか。また、場合によっては、法案の提出前でも、民主党などと党首会談を行う用意はあるのか。
(安倍総理)
9・11同時多発テロにおいては、24名の日本人の尊い命が奪われた訳である。このことを忘れてはならない。「テロとの闘い」について、国際社会が今、連携して取り組んでいる。今後ともテロを許してはならない。その中において、国際貢献を果たしていくということは、私の主張する外交の根幹の一つであり、何としてもこの活動は継続をしていかなければいけないと考えている。
国際社会から高い評価、そして期待されている自衛隊の補給活動を継続していくための法案をこの国会に提出をしなければならない。そして提出をした以上、成立を何とか果たしていかなければなりません。
提出をするにあたって、まず、民主党をはじめ、野党、特に民主党の皆様のご理解を得るために、私はあらゆる最大限の努力を払わなければならないと考えている。そのために、全力を尽くしていく、職を賭していくという考えで臨んで理解を求めていかなければならないと思う。小沢党首との党首会談についてもなるべく早い段階でお願いしたいと思っている。
(質問)
総理は、引き続き日豪EPAにコミットされているか。今回のハワード豪首相との会談を通じ、何らかの進展を得ることが出来たか。
(安倍総理)
日豪両国は、まず、豪州は日本にとって、鉄鉱石あるいは石炭、食料等、重要な資源の供給国であり、また豪州にとって日本は、最大の貿易相手国、そして、基本的な価値を共有する両国であります。両国がしっかりと連携を強化していくことは、両国の未来にとって、大変重要なことであり、地域の発展にも資すると考える。今までもEPAを結んだ国々との貿易投資が飛躍的に増大している。日豪においても、EPAを結ぶことにより、両国の関係はもとより、両国それぞれが経済を発展させていくことにつながっていくことを確信している。
EPAについては、ハワード豪首相との間で、交渉については、お互いのセンシティビティーに配慮しつつ、特に、日本にとっての農業の重要性を踏まえながら、建設的な議論を行いたいと確認したところである。
(質問)
先ほどのインド洋での給油活動の継続の関連でお伺いするが、先ほど総理は継続に全力を挙げて取り組むと、職を賭して取り組んでいくと仰ったが、これは継続が叶わなかった場合には、内閣総辞職するという覚悟で臨むと、そういうふうに理解してよいか。
(安倍総理)
私が申し上げたのは、継続を可能にするためには、あらゆる努力を払わなければいけないということである。私の責任において、職責において、あらゆる全ての力を振り絞って、職責を果たしていかなければならないと考えている。当然、私は、私の職責にしがみつくということはない。
(質問)
本日、安倍総理はハワード豪首相と日豪安全保障協力について協議されたと承知している。この分野において、豪州が日本と協力できる具体的な例は何か、また、自衛隊が共同訓練のために豪州を訪問する予定はあるか。訪問する場合、いかなる時期に、どの程度の規模の自衛隊員が参加するのか。
(安倍総理)
オーストラリアと我が国は、アジア太平洋地域の平和と安定を考える上において、不可欠なパートナーであると思う。その上において、安全保障協力に関する、日豪の共同宣言を発したわけである。そして、「2+2」の会合を行った。日豪の安全保障協力関係は、近年、急速に緊密化していると言っていい。本日合意した行動計画は、実務的な安全保障協力を更に前進させるものである。これを着実にフォローアップしていかなければならないと思う。共同訓練の規模等々、その実施については、答える材料をもっていないが、いずれにせよ、日豪で安全保障の協力を進めていくことは、地域の安定、そして平和にも大きく貢献している。それは、日豪両国の共通の認識であると思う。
(質問)
世界経済の不安定要因になっているアメリカのサブ・プライム・ローンが、日本及び世界経済に与えている深刻な影響をどのように捉えているか。日本政府や日本銀行が、どのように対処していくべきか。
(安倍総理)
我が国の経済は、大局的には、息の長い回復を続けていると考えている。今後とも、海外の市場動向も含めて、様々な経済指標に注意を払っていく必要があると考えている。
今回のAPEC会合においても、ご質問の点について、どう判断しているかということについて、過剰な反応をしてはいけないという判断もあったようである。
日本銀行の個々の金融政策については、私から口を挟むことは差し控えたいと思うが、ただ、これまでも各国の中央銀行において、適切な対応をとってきていると考えており、今後共、それを期待したいと思っている。
予算委員会は国会の最大の華であり、基本的質疑や証人喚問を中心にNHKでも放送されます。
参院の構成(議席数)は通常国会でもほとんど変わらないわけですから、再び予算委員長ポストを要求するわけにもいかないでしょう。
読売新聞の記事では、小沢一郎代表を初めとする衆院側とも合意しているとされています。
民主党は政策は得意ですが、「けんか」は苦手なようです。「けんか」が上手くなくては政権は取れません。今回のケースはどうでしょうか。
参院予算委員長は自民が確保、民主は外交防衛など獲得へ(読売新聞) - goo ニュース
第168臨時会では、民主党は参院予算委員長よりも、外交防衛委員長の方が重要です。テロ特措法が最大のカギを握る国会であり、予算案の審議は来年の通常国会になります。
しかし、予算委員会は国会の最大の華であり、基本的質疑や証人喚問を中心にNHKでも放送されます。 参院の構成(議席数)は通常国会でもほとんど変わらないわけですから、再び予算委員長ポストを要求するわけにもいかないでしょう。
この読売新聞の記事では、小沢一郎代表を初めとする衆院側とも合意しているとされています。
1998年の金融国会などもそうでしたが、民主党は政策は得意ですが、けんかは苦手なようです。けんかが上手くなくては政権は取れません。今回のケースはどうでしょうか。
(上記の読売からの引用です)
自民、民主両党の参院国会対策委員長は7日、国会内で参院常任委員長ポストの配分問題を巡って断続的に協議し、焦点となっていた予算委員長ポストは、自民党がこれまで通り確保することで合意した。
民主党は、テロ対策特別措置法の延長問題で論戦の舞台となる外交防衛、年金問題を扱う厚生労働などの主要委員長ポストを獲得する。 同日の協議で、自民党の鈴木政二参院国対委員長は「予算委員長以外のポストはすべて民主党の要求に対応したい」と提案した。これを受け、民主党の輿石参院議員会長ら参院執行部が小沢代表ら衆院側と協議した結果、自民党の提案を受け入れることを決めた。
自民党は予算、文部科学の2ポストを維持、内閣、国土交通などを民主党から譲り受けた。民主党は外交防衛、厚生労働、農林水産、経済産業、決算、総務の各委員長ポストを自民党から奪取した。 (引用終わり)
【追記(2007年9月8日)】
マッタク不可解な参院民主党です。軟弱すぎます。「あり得ない」といっていいくらい意味不明な輿石東・参院議員会長(山梨選挙区)の対応です。猛暑の中、第21回参院選に勝利した同僚や支持者が必死で作った「貯金」の3分の1をみすみす自民党に渡した・・・というような印象です。「政治とカネ」に限らず、さまざまな問題で証人喚問ができる予算委員長をみすみす自民党に渡してどうするのでしょうか?
「テロ特措法の対案」「年金流用禁止法案」は参院先議で提出するのですから、委員長が自民党であっても多数決で可決し、衆院に送付できるわけです。ですから外交防衛委員会や厚生労働委員会はだれが委員長を務めても、民主党が優位に国会審議を進めることができるわけです。
委員長が民主党案の採決を職権で抵抗しても、民主党が委員長解任動議を提出すれば、採決の結果、過半数で成立→民主党委員が議事を進める・・・ということで済むわけです。
一方、参院予算委員長を民主党をとれば、証人喚問などで、政治資金に問題がある遠藤武彦前農相(山形2区)や偽装請負の問題がある御手洗富士夫・日本経団連会長などはビビりまくります。
公法人(特殊法人)などの国会同意人事に関しても、参考人招致をして話を聞くことにすれば、首相官邸など政府・与党も対応が慎重になりますし、民主党により配慮した国会運営が必要になります。
民主党国会対策委員会の中での衆参の足並みの乱れ。これは第168臨時国会において、民主党の致命的なミスになるのではないでしょうか?
日刊スポーツが踏み込んで書いていますので、要約します。全文はlink先か紙面でお読みください。
「民主党が予算委員長で衆参足並み乱れる」
民主党は7日、与野党が逆転した参院の予算委員長ポストをめぐり早くも衆院と参院の足並みが乱れた。小沢一郎代表は証人喚問など疑惑追及の場となる予算委員会で主導権を握るため委員長獲得に固執したが、参院議員会長の輿石東代表代行は与党との融和を優先し最終的に自民党にポストを譲る形となった。
民主党は衆参両院が一体となって安倍政権を追い込む戦略を描いていたが、臨時国会を前に連携不安が表面化、与党にとっては「付け入るすき」を見いだした格好だ。
ところがふたを開けてみれば予算委員長はこれまで通り自民党で決着。輿石氏は会見で「選挙をやれば取れるが、衆院で同じことをされる。最終的に予算以外の希望する委員長を取れる」と“実利”を強調した。ただ輿石氏は自民党の青木幹雄前参院議員会長との関係が深いとされており、民主党の衆院側からは「談合か」との見方も出かねない。
山岡賢次国対委員長は「最終的には小沢氏も了承し、輿石氏に一任していた。参院議員会長の判断だ」と述べた。関係者によると、報告を受けた小沢氏は厳しい表情だったという。衆院側の党幹部は「党内融和のためだ。仕方がない」とつぶやいた。
[2007年9月7日22時34分]
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農水事務次官、退任へ 混乱で引責の見方も(朝日新聞) - goo ニュース
大臣がこれだけかわるからと言って、事務方トップの事務次官までかわってどうするんですか!農政はどれだけ混乱しているんでしょうか。あきれます。
(写真は記者会見する農水省の小林芳雄前事務次官(左)と白須敏朗新事務次官=7日午後0時12分gooニュース-共同通信)
この退任する小林芳雄・農林水産(農水)事務次官ですが、若林正俊農相(農林水産大臣)と同じ、長野県出身で東大法学部卒なんですね。この辺で何かあるのでしょうか? 同じ出身となると、意外とウマが合わないということもあるのかもしれませんが・・・
ところで農水省と東大法学部というと、面白いデータがあります。2006年度採用の農水省キャリア組は東大法学部卒がゼロだったのです。
(AERA:2007年07月30日号)から。
2005年の夏、農林水産省の人事担当者に衝撃が走った。06年度入省予定の内々定者に、東大法学部の学生が1人もいなかったのだ。表向きには、「出身大学にこだわらず、人物本位で採用した結果」と説明したが、ある幹部は、「採用したかった学生の多くが、新しく始まった法科大学院(ロースクール)への進学や、外資系企業などへの就職を選んだ」と打ち明ける。
東大法学部の学生は農水省の一連のトラブルを見越していたのでしょうか。