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ニュースサイト 宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

長妻年金相が誕生 民主党NC閣僚決定 防衛相は浅尾さん

2007年09月05日 11時21分49秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 第3次小沢一郎内閣の組閣が終わり5日、発表されました。気が早い?民主党次の内閣(NC)の話です。(写真は浅尾慶一郎ネクスト防衛相、民主党本部ウェブサイトから)

 NCに関して、「そもそも論」を書かせてください。

○日本はもともと二大政党制だった

 私たちの国は、イギリス型議会制民主政治を模範としています。日本は大正から昭和初期まで「二大政党制」でした。このことを知らない人はあまりにも多いです。立憲政友会(政友会)系と立憲民政党(民政党)系の政党が交代で政権を担っていた時代があったんです。(党名は度々変わっています)。

 西園寺公望(さいおんじ・きんもち)という元老(元首相)が昭和天皇に「次は民政党にやらせましょう」と助言する形でした。
 若き日の昭和天皇は、大陸での軍の行為に憤り、田中義一首相を叱ったところ、田中義一内閣は総辞職し、英国型の君主制ではそのようなことをしてはいけないと西園寺に叱られたことがあると述懐しています(「昭和天皇独白録」文春文庫)。

 英国のシャドウ・キャビネットの大臣は、週2回開かれる庶民院の党首討論でも「現在の大臣」と同じ席で向かい合います。日本でもNC大臣は「警護官(SP)が付かない大臣」と考えるべきだと思います。英国では与党(現在は労働党)に対して野党第一党(現在は保守党)は「女王陛下の反対党」として、国(女王)のための「バックアップ政党として位置づけられています。
 そういえばトニー・ブレア首相が党首討論で「これで終わりです。敵も味方もごきげんよう。ご多幸を祈ります」と語って5期(うち3期は首相として)務めた庶民院を「敵も味方も」立ち上がって拍手する中、さっそうと去っていった姿は感動的でした。(日本の政治にはこういう感動ってないですねえ)。
 英議会の中継もインターネットで見られますので、いずれまたご紹介します。

 日本の二大政党制は対米開戦の直前、近衛文麿元首相による「大政翼賛会」の結党(結成)で幕を閉じました。その孫の細川護煕さんが日本新党を結党したのは、祖父が日本の近代を振り出しに戻したことへの償いだったのかもしれませんね。

 さてさて。

 直嶋正行政調会長は民主党の次の内閣の顔ぶれを固め、小沢一郎代表が発表しました。新設の年金担当相には長妻昭政調会長代理(比例東京)を起用。
 テロ対策特別措置法(テロ特措法)の審議で注目される防衛相は浅尾慶一郎(参院神奈川選挙区)が入閣します。英語が得意で、金融に詳しいので、世界の流れをつかみやすいでしょう。民主党はテロ特措法の対案を参院に先に(参院先議)で提出するでしょうから、参院で浅尾NC防衛相が趣旨説明や答弁など審議の先頭に立つことになります。
外相には鉢呂吉雄さん(北海道4区)。ロシア通でも知られます。

 ■第3次小沢『次の内閣』閣僚名簿 ()内は副大臣
ネクスト総理大臣     小沢一郎
ネクスト副総理大臣    菅直人、輿石 東
ネクスト国務大臣     鳩山由紀夫
ネクスト官房長官     直嶋正行
ネクスト総務大臣     原口一博  (黄川田徹、内藤正光)
ネクスト外務大臣     鉢呂吉雄  (武正公一、犬塚直史)
ネクスト防衛大臣     浅尾慶一郎 (山口壯、藤田幸久)
ネクスト内閣府担当大臣  松井孝治 (吉良州司、山根隆治)
ネクスト財務大臣     中川正春 (松野頼久、辻泰弘)
ネクスト金融担当大臣
 (経済財政担当)    大畠章宏  (平岡秀夫、大久保勉)
ネクスト厚生労働大臣   山田正彦  (山井和則、 谷博之)
ネクスト年金担当大臣   長妻昭   (蓮舫)
ネクスト経済産業大臣   増子輝彦  (大島敦、藤原正司)
ネクスト法務大臣     細川律夫  (加藤公一、松岡徹)
ネクスト文部科学大臣   小宮山洋子 (牧義夫、林久美子)
ネクスト子ども・男女
  共同参画担当大臣   神本美恵子 (西村智奈美、嶋田智哉子)
ネクスト農林水産大臣   筒井信隆  (細野豪志、主濱了)
ネクスト国土交通大臣   長浜博行  (後藤斎、大江康弘)
ネクスト環境大臣     岡崎トミ子 (伴野豊、ツルネンマルテイ)
ネクスト官房副長官    長妻昭(年金担当大臣兼務)
    同        福山哲郎


追伸:「国会傍聴記by下町の太陽」が「gooブログランキング」で642位(850141ブログ中)に初登場しました。これからもよろしくお願いします。

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「日本政治は危機的状態」 団塊ジュニアの意見

2007年09月05日 01時04分23秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦
 「ここまで日本政治がめちゃくちゃになった記憶がない」 

 下町の太陽は、遠藤農相辞任を受け、団塊ジャニアに電話、メールで意見交換しましたが、ここまで日本政治がめちゃくちゃになった記憶がないという考えで一致しました。
多様な価値観を持つ団塊ジャニアでは異例です。

 ※団塊ジュニアとは、1971年~1974年生まれのことです。1学年につき、200万人以上います。50%弱が三大都市圏(東京、名古屋、大阪)生まれ、大学進学率は子どもが多すぎて50%未満です。また、「団塊の世代」の両親を持つ人は意外にも50%以下ですので、価値観が多様です。「三浦展・『難民世代―団塊ジュニア下流化白書』 (NHK出版)」
 キーワードは「ファミコン」「ひょうきん族」「オイルショック」「受験戦争」「バブル崩壊」「就職氷河期」といったところでしょうか。 ステレオタイプも含めて・・・
 下町の太陽はご多分に漏れず、「受験戦争」に「出兵」しました。何とか勝ったかもしれませんが、それが「=幸せ}でないことに気付いたのは、23歳のときでした。人は皆、そうでしょうが、僕も「青い鳥」を探し続けることになりそうです。
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遠藤武彦農相更迭 安倍改造内閣早くもつまづく

2007年09月03日 20時03分03秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 遠藤武彦農相(衆院山形2区)が、衆院議員当選前からトップを務める置賜農業共済組合(山形県)の補助金詐取事件の責任をとって辞任しました。=写真は自民党本部

 ちなみに今年の農相は 松岡利勝(熊本3区)→若林正俊臨時代理(参院長野選挙区、環境相兼務)→赤城徳彦(茨城1区)→若林正俊(環境相兼務)→遠藤武彦(山形2区)→若林正俊 4人(延べ6人)が入れ替わり立ち替わり務めたわけです。

 若林さん大忙し。TVで見ると、疲れてます。

 農林水産省(農水省)は、WTO(世界貿易機関)におけるEPA(包括的経済協定)における農業分野での交渉があるわけです。これらへの対応は大幅に遅れるでしょう。

 ただし、下町の太陽は日本農業がWTOの枠組みに組み込まれることに危惧していますので、不幸中の幸いになればいいのですが。

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森田高参院議員が民主会派入り

2007年09月01日 08時43分10秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦
森田高参院議員が民主会派入り(写真は宮崎信行撮影)

 第21回参院選で富山選挙区で当選した森田高さんが8月31日、「民主党・新緑風会」に入会しました。参院選では民主党社民党国民新党野党三党の推薦を受けました。
富山県は国民新党代表綿貫民輔さん(衆院富山3区)と社民党幹事長又市征治さん(参院比例代表)のお膝元ですから、野党協力の象徴的な県です。

 森田さんは医師。「富山の薬売り」で有名な同県で、祖父の代からの開業医「森田医院」の御曹司としてそれなりの知名度がありました。が、本人は長く県外で勤務医を務めていました。森田医院は現在ないそうです。40歳若手医師に注目しましょう。同い年の自民党公認の現職(二世議員)との対決を制しました。
 私も参院選中に富山に取材に行きましたが、選挙事務所が広く、和気あいあいとした明るい雰囲気だったことが印象に残りました。

【追記】2007-09-04

 国民新党の綿貫民輔代表は2日(日)「NHK日曜討論」で、
参議院でも「民主党・国民新党・新党日本」の統一会派結成について、「国民新党だけでは法案提出はできない。一緒に歩調を合わせられるような大きな問題があれば、手法としてあり得るかもしれない」と述べ、将来の結成に含みを残した
 綿貫氏のお膝元である富山県選出の森田高参院議員の民主党会派入りは、統一会派結成に向けた動きである可能性がある。 

(参照記事)
時事通信)民主との統一会派に含み=国民新・綿貫代表 9月2日13時1分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070902-00000035-jij-pol
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民主党、政調会長にトヨタの直嶋参院議員 輿石代表代行 参院重視

2007年08月31日 16時01分24秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 民主党の新しい政調会長(政策調査会長)に“トヨタの直さん”こと直嶋正行さん(参院・全国比例)が就任しました。 参院議員の政調会長は初めて、自民党でも過去に例がありません。

 国会対策委員長国対委員長)には参院議員(2期)経験のある山岡賢次衆院議員(比例北関東)を起用しました。

 小沢・民主党が9月10日(月曜日)召集の第168回臨時会で、参議院を「主戦場」に位置づけていることが改めて証明されました。

 輿石東参院議員会長(山梨選挙区)は代表代行に。これも異例で、小沢代表(衆)―鳩山幹事長(衆)―菅直人(衆)、輿石(参)両代表代行の4本柱となりました。

 両院議員総会は午後3時から開かれました。人事発表ということで、緊張感が漂っていました。民主党の小沢一郎代表は、党の新役員一覧を読み上げ、出席議員から異議はなく、承認されました。

 直さん(直嶋さん)は1945年(昭和20年)10月、大阪府池田市に生まれました。若いころにお父さんを亡くし、新聞配達などをしながらの少年時代。定時制高校から神戸大学に進学しました。

 その後はトヨタ自動車販売の社員になり、サラリーマンとして、クルマを売って歩きました。 全トヨタ労連(全ト労連)という、下請けも含めたトヨタ自動車関係の労働組合でつくる組織で同僚のお世話をしました。

 トヨタ自動車日産自動車は「自動車総連」という産業別労働組合(産別=さんべつ)をつくっています。自動車総連は3年ごとの参院選で1人ずつ代表者を国会に送っています。
 自動車総連は自由主義経済を前提にした労働組合ですから「非自民・反共」の立場で、民社党→新進党→民主党公認で比例代表に出馬させてきました。トヨタ出身者日産出身者が交代で出馬し、お互いを応援するしくみです。

 参院出身の政調会長は初めてですが、トヨタ自動車社員としては2人目です。衆議院愛知11区(豊田市など)から出ていた伊藤英成さんも政調会長を務めました。ちなみに伊藤さんは現在66歳ですが、仲間と同じ“60歳定年”ということで政界を引退しています。

 やはりトヨタ推薦ですから、選挙に強いので、勉強に時間を充てられるという利点がありません。下町の太陽日経新聞記者時代に3ヶ月間ほど、新党友愛の幹事長番としてエイセイさんに付きっきりでしたが、精力的な活動ぶりには感心しました。

 その一方、「日曜日の朝にTV出演が入ったから、週末は地元に帰らないよ」。共演した議員は番組が終わると、地元にトンボ返りしていましたから、その分勉強できるわけです。恵まれた国会議員はより選挙に強くなり、党でも出世します。そんなもんです。

当時、経団連会長が豊田章一郎さんでしたので、「経団連会長に一番会いやすい議員っていうのは自民党にいないんだよ。経団連会長連合会長創価学会会長の3人に直接会える国会議員は僕しかいないんだよ」と話していたのが印象的でした。当時の連合会長鷲尾悦也さん、創価学会会長秋谷栄之助さんでした。

 さて。直さんの話に戻ります。

「直嶋」といっても馴染みは少ないかも知れないですが、実力派政調会長と言っていいでしょう。自民党の石原伸晃政調会長(東京8区)も政策通(特に必須科目である金融が分かっている)ですので、第168回臨時国会は面白くなること請け合いです。蛇足ですが、直嶋事務所は「嶋」の字にこだわっているようです。念のため。

 安倍改造内閣も安定した顔ぶれですので、9月中旬~11月上旬は国会から目が離せませんよ!!!

【関連外部ウェブサイト】民主党 役員一覧(敬称略) 民主党ニュースから

 最高顧問=羽田孜、渡部恒三、藤井裕久、代表=小沢一郎、代表代行=菅直人、輿石東、副代表=岡田克也、前原誠司、川端達夫、石井一、高木義明、北澤俊美、円より子、幹事長=鳩山由紀夫、幹事長代理=平野博文、平田健二、政策調査会長=直嶋正行、政策調査会長代理=長妻昭、福山哲郎、国会対策委員長=山岡賢次、国会対策委員長代理=安住淳、簗瀬進、常任幹事会議長=中井洽、総務委員長=千葉景子、同役員室担当代理=奥村展三、選挙対策委員長=赤松広隆、財務委員長=佐藤泰介、組織委員長=柳田稔、広報委員長=野田佳彦、企業団体対策委員長=前田武志、国民運動委員長=小沢鋭仁

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安倍改造内閣は「土俵際内閣」 このダムが決壊したら救援なし

2007年08月27日 17時33分10秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 第一次安倍改造内閣が発足しました。〈写真は時事通信〉
 ベテランを中心とした重厚な布陣です。言ってみれば「土俵際内閣」。
 土俵際では技がなければ、逆転勝ちはできません。第21回参院選で土俵際に追い込まれた安倍内閣は地力があり、うっちゃりもできるベテランをそろえました。

 ベテランを中心とした重厚な布陣です。言ってみれば

 土俵際では技がなければ、逆転勝ちはできません。第21回参院選で土俵際に追い込まれた自民党安倍改造内閣は地力があり、うっちゃりもできるベテランをそろえた格好です。

 秋の臨時国会は自民党対民主党の面白い論戦が期待できそうです。

 それだけでなく、2年以内にある第45回衆院選の必勝を目指して背水の陣をしいた感じがします。

 いいかえると、この「重厚長大・自民党ダム」のどこかにアリの一穴があいた場合、救援はもはや期待できないと言ってもいいかもしれません。

例えば、町村信孝外相(北海道5区)は町村派(清和政治研究会)からただ1人の入閣ですから、何らかの理由で辞任に追い込まれた場合、町村派の閣僚がゼロになり、自民党内の権力のバランスが崩れる可能性があります。

 派閥領袖(自民党内の派閥の会長)は3人入っていますが、70歳代の重鎮議員による重しもなければ、「次」のリーダーを見すえた若手の抜擢も少ない。

 そういう意味で今回の内閣改造は自民党が土俵際に追い込まれた感じがします。減少傾向だった東大卒も増えました。ベテラン大臣なら答弁ミスは少ないでしょう。

 国民が期待を寄せるという感じの内閣ではなく、玄人受けですよね。もしこの内閣で支持率が上がらなければ、万策尽きてしまうのではないでしょうか?

 31日は民主党役員人事。これで各大臣に対応する野党のカウンターパートが決まります。

決戦場は9月10日ごろ召集の秋の第168回臨時国会です。

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【新聞を読もう】安倍改造内閣 官房長官・与謝野氏 外相・町村氏 厚労相・舛添氏 (西日本新聞から)

 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/gougai/20070827/20070827_001.shtml

 安倍晋三首相(自民党総裁)は27日午前、参院選惨敗を受けた党役員人事で、麻生派会長の麻生太郎外相(66)の幹事長就任に続き、政調会長に無派閥の石原伸晃幹事長代理(50)、総務会長に二階派会長の二階俊博国対委員長(68)を起用した。

 三役は「脱派閥」を印象付けるため、津島、古賀派など有力派閥でなく小派閥の会長らが並ぶ異例の顔触れとなった。首相は参院での与野党逆転状況を踏まえ、新執行部に「一致団結して難局を乗り越えてほしい」と指示した。官房長官に与謝野馨氏、外相に町村信孝氏、財務相に額賀福志郎氏、厚生労働相に舛添要一氏が内定した。同日夜に安倍改造内閣が発足する。

     ◇

 改造人事では冬柴鉄三国土交通相(公明党)の留任が内定、矢野哲朗参院国対委員長の起用が固まっている。自民党関係者によると、高村正彦元外相の入閣が内定したほか、地方活性化担当の特命相の新設と、前岩手県知事の増田寛也氏の起用も検討されている。

 首相は挙党態勢を構築し、次の衆院選をにらんで党内にくすぶる首相退陣論を封じ込めたい考え。内閣改造後の27日夜に会見し、参院選惨敗の「反省」を政権運営にどう反映させるか見解を表明する。麻生氏は就任会見で「党の信頼回復に努めたい」と強調した。

 首相は党人事をめぐり、国会対応や次期衆院選に向けた選挙態勢づくりで党側との緊密な連携が不可欠と判断、参院選惨敗にかかわらず首相続投支持をいち早く打ち出した麻生氏の幹事長起用を早くから固めていた。

 無派閥の石原氏起用は「清新さ」のアピールとともに、派閥均衡型人事との批判をかわす狙いがある。二階氏は首相と距離を置く古賀誠元幹事長とも親しく、党内の「反安倍勢力」けん制を念頭に置いたとみられる。

 党幹事長代理には町村派の細田博之元官房長官(63)、国対委員長は高村派の大島理森元農相(60)が就任し、古賀派の菅義偉総務相(58)は党選挙対策総局長で処遇した。衆院議院運営委員長に津島派の笹川尭党紀委員長(71)が内定した。

 塩崎恭久官房長官は退任、閣内横滑りも見送られることになった。

     ◇

▼自民党三役
 自民党を切り盛りする幹事長、総務会長、政務調査(政調)会長の総称。幹事長は総務、人事、経理など党組織を掌握、選挙、国会対策を指揮する。党総裁を補佐する事実上のナンバー2。総務会は党大会、両院議員総会に次ぐ最高意思決定機関で、総務会長が議長で党運営、国会活動など重要事項を審議、決定する。党則は多数決で議事を決定するとしているが、全会一致が慣例。党が採用する政策はすべて政務調査会を経なければならず、これを統括するのが政調会長だ。いずれも党総裁への登竜門とされる。

     ◇

 【幹事長】
 ▼麻生 太郎氏(あそう・たろう)学習院大卒。政調会長、総務相、外相。66歳。福岡8区、衆院当選9回(麻生派)

 【政調会長】
 ▼石原 伸晃氏(いしはら・のぶてる)慶大卒。行革相、国交相、幹事長代理。50歳。東京8区、衆院当選6回(無派閥)

 【総務会長】
 ▼二階 俊博氏(にかい・としひろ)中大卒。総務局長、経産相、国対委員長。68歳。和歌山3区、衆院当選8回(二階派)

=2007/08/27付 西日本新聞夕刊=

2007年08月27日17時25分

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【自民党執行部】麻生幹事長、二階総務会長、石原政調会長、細田幹事長代理 「安定感ある陳腐な布陣」

2007年08月27日 14時33分10秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 自民党安倍晋三総裁は27日(月曜日)の午前9時ごろ自民党新役員人事を内定、すぐさま自民党本部で開かれた総務会で承認され、正式決定しました。

 幹事長には麻生太郎(福岡8区)、総務会長二階俊博(和歌山3区)、政務調査会長(政調会長)には石原伸晃(東京8区)の各代議士を選びました。

【写真は朝日新聞】 自民党臨時総務会を終え、記念写真を撮影する尾辻参院議員会長、麻生幹事長、安倍総裁)、二階総務会長、石原政調会長、山崎参院幹事長(左から)=午前10時19分、千代田区永田町の自民党本部で

http://www.asahi.com/politics/update/0827/TKY200708270030.html

 

 また総裁と同じ派閥から起用され、首相官邸と自民党のパイプ役となる幹事長代理には元内閣官房長官の細田博之代議士(島根1区)を起用。国会対策委員長(国対委員長)には大島理森(青森3区)元国対委員長。

 この顔ぶれは
 「安定感がある」
 「少数派閥からも実力派を起用した」
 「総選挙を闘える布陣」

と言えましょう。

 一方で、

 「陳腐」

 「代わり映えがしない」

 「ありがち」

というマイナス評価もできそうです。

 私の第一印象(First Impression)としては、「陳腐だなあ」という感じです。

 麻生幹事長は党ナンバー2(総裁が首相なので実質ナンバー1)ですから、次の第45回総選挙の顔として、安倍総裁から禅譲を受け、首相に就任→解散総選挙という可能性もあります。

 二階総務会長は総裁&党3役のうち、唯一二世議員ではありません

(但し、麻生、石原伸両氏は選挙地盤をそのまま引き継いだわけではないので、厳密には二世議員ではないかも知れません)

顔がこわもてなので、汚職議員に見られがちですが、今まで政治倫理違反が表面化したことはありませんし、運輸族、親中国派ですが、代議士として丁寧に仕事をしてきた結果ですから、あまり顔のイメージで悪徳政治家のように思わないでほしいと思います。(悪い奴はいっぱいいます)。

 石原政調会長石原慎太郎・東京都知事の長男です。1998年(平成10年)秋の臨時国会(いわゆる金融国会)で小渕恵三内閣を助け、自民党の危機を救った「政策新人類」から初の政調会長就任です。東京都も「新銀行東京」をやっていますし、石原家は金融通のようですね。

 細田幹事長代理は官僚出身。役人経験がある二世議員は珍しくありませんが、通産省の課長まで務めてから代議士に転身したのは珍しいケースです。小泉純一郎内閣で内閣官房長官をやりましたから、首相官邸と自民党本部のパイプ役として、TVにはあまり映りませんが、キーパーソンになりそうです。

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新聞記事を読もう!】朝日新聞から

http://www.asahi.com/politics/update/0827/TKY200708270030.html

 

政調会長に石原氏、総務会長に二階氏 冬柴国交相は留任

2007年08月27日12時26分

 安倍首相(自民党総裁)は27日午前、自民党幹事長に麻生太郎外相(麻生派)、政調会長に石原伸晃幹事長代理(無派閥)、総務会長に二階俊博国会対策委員長(二階派)を起用する党三役人事を決定した。首相は午後には首相官邸で内閣改造に着手、同夜には安倍改造内閣が発足する。首相は人事刷新で参院選大敗による求心力低下に歯止めをかけたい考えだが、党役員は安倍政権で要職にあった人材の横滑りや昇格が目立ち、「人心一新」を印象づけられるかどうかは不透明だ。

 首相は27日朝に首相公邸から自民党本部に入り、新三役に正式に就任要請した。幹事長代理に細田博之経理局長(町村派)、国対委員長に大島理森元農林水産相(高村派)、選対総局長に菅義偉総務相(古賀派)、衆院議院運営委員長に笹川尭党紀委員長(津島派)を充てることを決めた。

 新三役は党本部で記者会見し、民主党が参院で多数を握った現状に言及。麻生氏は「後世、07年体制と言われる新しい状況になる。課題は自民党への信頼を回復し、国民の不安にいかに対応していくかだ」と強調した。石原氏は「野党とも十分な話をさせてもらう協議の場を設け、政策、法律を国会で通すべく努力することが最大の使命だ」と述べ、二階氏は「極めて困難な状況。身の引き締まる思いだ」と語った。

 首相の信頼が厚い麻生氏の幹事長起用とあわせ、石原氏は首相と個人的にも親しい間柄として知られ、昨秋の安倍政権発足時には幹事長代理に就任した。ただ、中川秀直幹事長とともに参院選敗北の責任を問われる立場だけに、党内からは批判も出ている。

 二階氏は小泉政権で自民党に合流して重用され、安倍政権で国対委員長に就いた。民主党の小沢代表とともに自民党を離党し、長く行動を共にしていた経験があることから、党内には幹事長や幹事長代理に推す声もあったが、党内論議の行司役を務める総務会長に落ち着いた。

 また、選対総局長に決まった菅氏は、昨秋の党総裁選で安倍総裁誕生に貢献し、首相の側近として頭角を現した。直前に政治資金問題が発覚したものの、次期総選挙をにらんだ処遇となった。

 首相は午前10時からの臨時総務会で「難局だが、がんばっていかないといけない」と結束を呼びかけ、人事案は了承された。だが、加藤紘一元幹事長は総務会後に記者団に「まだまだ非常に近い人たちでやっているというイメージは払拭(ふっしょく)しきれていない」と述べた。

 一方、内閣改造人事では公明党の太田代表が27日午前、首相に電話で冬柴国土交通相の留任を正式に要請、首相も受け入れた。午後1時に臨時閣議を開いて閣僚の辞表を取りまとめる。午後3時半に自公両党の党首会談を行い、首相官邸に組閣本部を設置して新閣僚を指名。同日夜に皇居での認証式を終え、首相自ら記者会見して人事の狙いを説明する方針だ。

 今回の人事は、首相が参院選大敗後の会見で「閣僚の任命責任については私にある。反省すべきは反省しながら人心を一新せよというのが国民の声だと思う」と表明したのを受けたものだ。党内からは地方重視と共に、構造改革路線の修正を打ち出すよう求める声が強まっており、どこまで政策転換を印象づけられるかも焦点だ。

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8月27日自民党役員人事と内閣改造、31日民主党役員人事

2007年08月24日 17時50分00秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

8月27日(月曜日)は、自民党役員人事内閣改造です。それを受けて、8月31日(金曜日)に民主党役員人事をやります。その顔ぶれで、秋の臨時国会(第168臨時会)を迎えます。政府・与党の人事の顔ぶれを見てから、民主党が役員を刷新するというのは小沢一郎代表の戦術は見事だと考えます。

 民主党は全国的には無名な若手を起用して、人材が揃っていることをアピールしてくるでしょう。私としては長妻昭衆院議員(比例東京)の政策調査会長(政調会長)昇格、松野頼久衆院議員(熊本1区)の国会対策委員長(国対委員長)抜擢などがあれば面白いと思います。

 一方で、それに先立つ安倍晋三首相の内閣改造が当選7~5回でまだ入閣していない議員の「滞貨一掃内閣」「在庫一掃内閣」だったら支持率低下に歯止めがかからないでしょう。

例えば当選6回の萩山教嚴衆院議員(比例北陸)あたりが入閣したら「滞貨一掃内閣」と考えていいでしょう。ところが入閣させないと、「滞貨」議員が不満分子として党内に残り、「安倍おろし」が始まります。安倍晋三首相の力量が問われます。

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秋の臨時国会は9月10日召集? 会期は60日間か

2007年08月23日 17時53分00秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

政府・与党は秋の臨時国会を9月10日に召集する方針を固めました。

 9月10日は月曜日です。その週に、首相の施政方針演説と各党の代表質問を終える日程です。

 連休明けの9月18日(火曜日)から予算委員会がスタートする運びでしょうか。

 それにしても、国会議員、秘書、公務員、マスコミ、有権者など様々な人に影響する日程ですから早く決めて欲しいですね。
 政府・与党の当事者能力はどうなっているのでしょうか?

 民主党の小沢一郎代表が臨時国会の日程を決められない首相官邸などを「脳死状態」※1と講演で語りましたが、的を射た表現だと思います。

※1ところで下町の太陽は新聞記者を5年以上やりましたが、「脳死状態」という表現は別段、問題がないと思います。なぜなら「脳死状態」でご苦労されている国民は極めて少数であり、この表現が「言葉狩り」の対象になったら、むしろ日本語文化の衰退を招くでしょう。下町の太陽は日経新聞時代、「下請け企業」という表現を「協力企業」に直された経験があります。これは「協力企業」様も主要な広告主だからだと推測します。

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参院自民党の司令塔(議員会長)に尾辻秀久さん

2007年08月21日 00時39分16秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 自民党の尾辻秀久参議院議員会長は第22回参議院議員選挙(2010年)まで少数与党、参院自民党を率いることになります。その間には現代の「大阪夏の陣・冬の陣」ともいうべき第45回衆議院議員総選挙もあります。「党5役」の一員として、歴史的惨敗を喫した党の立て直しにも取り組むことになります。

 尾辻さんというと、厚生労働大臣就任の会見で記者からお決まりの「靖国神社には参拝されますか?」との質問に「はい、私の父が祀られていますから」と答えたのが印象に残りました。

 厚労相としての答弁はそつがなく、手堅さを感じました。人柄も温厚に見受けられました。日本遺族会の副会長でもあります。世界110ヶ国以上を放浪。フィリピンなどでの旧日本軍兵士の遺骨収集にもあたっています。

調べてみたら、お父さんは海軍少佐だったそうです。

 父秀一さんは駆逐艦「夕霧」艦長として、尾辻さんが3歳の時に亡くなったそうです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%BE%E8%BE%BB%E7%A7%80%E4%B9%85

 鹿児島県議の後、衆院選に立候補し、落選、日本遺族会の推薦候補として参院・比例代表でこの夏、4回目の当選を果たしました。

 このエントリー記事の本文は以上です。 

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