恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

小説を検索しやすくするためインデックスを作りました

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インデックス ハルルートの譲二…ハルくんルートの茶倉譲二の小説の検索のためのインデックス。

手書きイラスト インデックス…自分で描いた乙女ゲームキャラのイラスト記事


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クリスマスの魔法~その8

2015-12-25 08:00:11 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

彡*<(* ̄▽)/▽▼▽†Merry X’mas†▽▼▽\(▽ ̄*)>*☆彡


クリスマスの魔法~その8

〈譲二〉
百花ちゃんと手を繋いで、イルミネーションを見ながらそぞろ歩いた。

最初は、人混みで百花ちゃんとはぐれないためだったけど、嫌がるふうも無いので、繫いだままにしている。

(図々しいな…俺って)

イブの夜に一緒にお祝いできなかったのは、残念だけど、こうやって2人で歩けるのは楽しい。

それも『大好きな女の子』と

これもクリスマスの魔法だな。

こんなことができるのも、百花ちゃんにまだ彼氏がいないからだけど。


譲二「百花ちゃん、来年もよろしくね?」

百花「え?」

譲二「いや…、もうすぐ年も変わるからね…」

百花「はい、私こそよろしくお願いします」


2人で顔を見合わせて微笑みあう。

来年のクリスマスもこんなふうに2人で過ごせたらいいのに…。

そこまで望むのは図々しいだろうか?


譲二「ちょっと冷えてきたね?」

百花「そうですね」


相槌を打つ百花ちゃんの息も白くなっている。


譲二「そろそろ帰ろう。それで一緒にココアでも飲もう」

百花「はい!」


商店街を通って帰る。

いつの間にか、繋いだ手は離れていた。


2人で並んで歩きながら、百花ちゃんと恋人になった気分を味わう。


(こんなおじさんの俺から「好きだ」とも「付き合って欲しい」とも言う勇気はないけど…)


百花「あ!」


百花ちゃんが急に立ち止まった。


百花「マスター!雪!」


ちらちらと舞う雪を手のひらで受けている。


譲二「冷えるはずだね」

百花「積もればいいのになぁ」


両手を広げて空を見上げる百花ちゃん。

そのあどけない姿は昔と変わらない。


(君のことが大好きだよ)


心の中でそうつぶやくと、雪と戯れる彼女の姿を心の目に焼き付けた。

クリスマスの魔法 おわり


☆彡*<(* ̄▽)/▽▼▽†Merry X’mas†▽▼▽\(▽ ̄*)>*☆彡


まだ恋人未満の2人のクリスマスストーリーを書いてみました。

実はこの話は二年越しだったりします。
途中で話が止まり、その後が書けずに苦しみました^^;

この物語は2人の気持ちが通じ合わないまま終わります。
物足りなく思われる方がいたらごめんなさい。
その代わり、以前書いたバレンタインストーリー『ドキドキバレンタイン』につながる、と思っていただければ。

恋人になってからのラブラブもいいけど、好きな人が自分をどう思ってくれてるかわからないドキドキ感も恋の醍醐味だったりします。

冬の冷たさはそういう切ない気持ちによく合う気がします。

 

 


クリスマスの魔法~その7

2015-12-24 06:49:46 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

彡*<(* ̄▽)/▽▼▽†Merry X’mas†▽▼▽\(▽ ̄*)>*☆彡


クリスマスの魔法~その7

〈百花〉

駅前はたくさんの人でごった返していた。

ぼぉっと歩いていると、向こうから来た人にぶつかってしまう。


譲二「百花ちゃん、こっちにおいで…」


マスターは私の手をとって引き寄せてくれた。

マスターは手を握ったままだ。

そして、そのまま私たちは並んで歩いている。


(マスターと手を繫いじゃった…。マスターの手…。大きくて温かい)


大好きな人とこうして手を繋いで歩けるなんて、とても嬉しい。

なんだかドキドキしてしまうけど…。

マスターは大人だからドキドキなんてしないんだろうな。


譲二「イルミネーション、見事だね。いつも通りがかりにしか見ないから、じっくりと見たのは初めてだよ」

百花「そうなんですか?」

譲二「ああ、男一人で見に来てもしょうがないしね」


マスターは苦笑いする。


譲二「だから、じっくりとイルミネーションが見られるのは百花ちゃんのお陰だな」

百花「お陰だなんて…でも私も嬉しいです」


私がマスターの手をしっかりと握ると、マスターも握り返してくれた。

大好きな人と今こうしていられるのは…。


百花「まるで魔法みたい…」

譲二「ああ、幻想的だね…」


マスターは、私がイルミネーションのことを魔法みたいだと言ったのだ、と取ったようだった。

そっと見上げるとマスターの綺麗な横顔がイルミネーションをバックに浮かんでいる。

私は小さな幸せを感じながら、大好きな人の手の温かさに浸っていた。

 

その8へつづく


クリスマスの魔法~その6

2015-12-23 09:10:24 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

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クリスマスの魔法~その6

〈百花〉

みんなが帰った後、洗った食器を片付けながらマスターが言った。


譲二「百花ちゃん。片付けはこれぐらいにしてちょっと出かけない?」

百花「出かける?」

譲二「うん。クリスマスのお祝いをしようと言ってたのに、昨日何も出来なかったから」

譲二「駅前のイルミネーションを見にいかない? 」

百花「はい!」

譲二「じゃあ、着替えておいで、あったかくしてね」


急いで部屋に戻るとコートを着て、マスターへのプレゼントを持った。

出かける前に渡してしまおう。


☆彡*<(* ̄▽)/▽▼▽†Merry X’mas†▽▼▽\(▽ ̄*)>*☆彡


譲二「あ、百花ちゃん早かったね」


厨房の電気を消しながらマスターが言った。

マスターも既にコートを着ている。


譲二「じゃあ、行こうか」

百花「あの…マスター」

譲二「何?」


私は後ろに隠していたプレゼントを両手で差し出した。


百花「あの…これ…よかったら…クリスマスのプレゼントです」


マスターはちょっと驚いたように笑顔を見せた。


譲二「え? ほんとにもらってもいいの?」

百花「はい…。それでよかったら、今開けて下さい」


マスターは「それじゃ、遠慮無く」と言って、プレゼントの包を開けた。


譲二「あ! これ…暖かそうだね」


私が用意したのはマフラーだった。


百花「もし良かったら…外は寒いので…」

譲二「うん。さっそく巻かせてもらうよ」


マスターはマフラーをふわりと巻いた。


譲二「うん。とってもあったかいよ。ありがとう」


そう言いながらマスターはコートのポケットから小さな包を取り出した。


百花「それは…?」

譲二「イルミネーションを見ながら渡そうかなって思ってたんだけど…」

百花「私に?」

譲二「うん。気に入ってくれるといいんだけど…」


包装紙から出てきたのは…。


百花「バレッタ…。可愛い…」


天然石がお花のように縁取っている。


百花「ありがとうございます」

譲二「良かったら、百花ちゃんも付けてみて?」


鏡で見ながら、髪をひねって付けてみる。


百花「変じゃないですか?」

譲二「……。いや…。とっても似合ってるよ」

 

その7へつづく


クリスマスの魔法~その5

2015-12-22 08:04:00 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

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クリスマスの魔法~その5

〈百花〉

理人「次はプレゼントの交換だよ。はい。みんなここからひとつずつとって」


りっちゃんがダンボールの箱を持ってくる。

そこには最初にみんながそれぞれ持ってきたプレゼントが入ってる。


竜蔵「まてまて、ここは慎重に…」

春樹「リュウ兄、今手に持つのはとりあえずだよ」

理人「みんな輪になって…。歌を歌いながら、隣の人に手渡していくからね。歌が終わった時に手に持った物が自分のプレゼントだからね」

一護「え~、マジで歌うのかよ…」

理人「そうだよ! ジングルベルならいっちゃんも歌えるでしょ?」


☆彡*<(* ̄▽)/▽▼▽†Merry X’mas†▽▼▽\(▽ ̄*)>*☆彡


ジングルベルを歌いながら、プレゼントを手渡して行く。

歌い終わってそれぞれの手にプレゼントが渡った。


私の包みは結構重たい。

開けてみると少年マンガが出てきた。

五巻セットだ。


百花「これって…」

剛史「それは俺からのプレゼントだ。読み応えがあって面白い」

百花「…ありがとう。剛史くん」

譲二「うわ、これは…。女物だ…」


マスターの包みからは可愛らしい柄のハンカチとポーチが出てきた。


理人「あーあ、マスターにあたっちゃった」

譲二「もしかして、これりっちゃんの?」

理人「百花ちゃん用のしか買わなかったから…。よかったら、百花ちゃんにあげてくれていいよ」


りっちゃんが天使のような笑顔でニッコリ笑う。


譲二「いやいや。せっかくだから…。何か使い道を考えるよ」

理人「ちぇっ…」

竜蔵「ジョージ。これお前が選んだんだろう?」


リュウ兄の袋からは日本史のクイズ本が出てきた。


譲二「うん。初心者も楽しめるような歴史のウンチクが満載なんだ。誰に当たってもいいように選んだんだよ」

竜蔵「そっか。ありがとよ。正月にでも読んでみるか」

春樹「これは…もしかして佐々木が選んだの?」


ハルくんが当てたのは男物の手袋。


百花「そうだよ。私以外はみんな男性だから、誰にでも合うようにと思って」

春樹「ありがとう」


ハルくんは爽やかに微笑んだ。


理人「ちぇっ、ハルくんだけずるい」

一護「で、お前は何をもらったんだよ」

理人「えっと…。何これ?」

百花「ピーラーにナイフ、キッチンばさみ…」

竜蔵「それで野菜をどんどん食べてくれ」

理人「でも、僕、手を怪我しそうなことはできないよ…」

竜蔵「お前の母さんにでも使ってもらえばいいだろ」

理人「…ありがとう。…きっと喜ぶよ。で、いっちゃんは?」

一護「花の栽培キット…ハルか…」

春樹「ああ、一護に当たったんだな。初心者でもちゃんと咲かせられるような丈夫な花だから育ててみて?」

一護「…まぁ、おふくろなら喜んで育てるだろうけどな」

剛史「…美味い」

理人「あ~、焼き菓子の詰め合わせ」

一護「店の残り物だ…タンと食え」

剛史「…ありがとう」


プレゼントの交換の後、いつものように雑談が盛り上がり、時計をみるともう8時近かった。

譲二「いくらなんでも高校生はそろそろ帰れよ」


マスターの声掛けに、みんなは「まだ早いのに」と文句を言いながら、しぶしぶ片付けモードに入った。

 

その6へつづく


クリスマスの魔法~その4

2015-12-21 07:15:49 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

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クリスマスの魔法~その4

〈百花〉

24日の夕方。

コンビニの袋をさげて、勝手口から中に入る。

厨房ではマスターが忙しそうに料理を作っていた。


譲二「百花ちゃん、おかえり。早かったね。もう食べてきたの?」

百花「いいえ。部屋で食べようと思って」


私はコンビニの袋をあげてみせた。


譲二「そっか…。ごめんね」

客「マスター。取り皿が足りないぞ!」

譲二「はい、はい。すぐ持って行きます」


これではマスターとおしゃべりも出来そうにない。

私は肩をすくめて二階に上がった。


☆彡*<(* ̄▽)/▽▼▽†Merry X’mas†▽▼▽\(▽ ̄*)>*☆彡


本を読んだり、宿題をすませたり…。

その間、階下からは賑やかな声が聞こえてくる。


一度「差し入れ」だと言って、マスターがココアと小さなケーキを持って覗きにきてくれたが、直ぐに階下からマスターを呼ぶ声がして、降りてしまった。


時計を見るともう11時。

いつまでやっているのだろう?

今日のうちには終わらないのかもしれない。


部屋の隅に置いたプレゼントの包みを眺めた。


(本当は今日のうちに渡したかったんだけど…)


私はため息をついて、寝る準備を始めた。


☆彡*<(* ̄▽)/▽▼▽†Merry X’mas†▽▼▽\(▽ ̄*)>*☆彡

翌日のクロフネでのクリスマスパーティ。

二日連続でマスターは疲れていないか心配したが、軽口を叩きながら手際よく料理を仕上げて行く。


譲二「昨日は本当にごめんね」

百花「いいえ。マスターこそお疲れ様でした」

譲二「料理を出した後は大してすることはないからね。ただ、何かと話し相手にさせられるから、その場を抜けるわけにはいかなくてね」

カウンターからリュウ兄が顔をのぞかせた。

竜蔵「おい、ジョージ! ガムテープがもう無くなっちまったぞ!」

譲二「ああ、ごめんごめん。新しいのを出してくるよ」

そう答えると、マスターは私に盛り付けを任せてガムテープを取りに行った。

 

その5へつづく