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譲二の勝手に3年後編も今回で完結です。
☆☆☆☆☆
前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。
久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。
『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。
そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。
航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。
だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。
☆☆☆☆☆
いつまでも~その7
〈百花〉
一週間はあっという間に過ぎた。
今日、お父さんたちはイギリスに帰る。
空港には譲二さんと2人で見送りに来た。
父「譲二くん。百花のことを頼んだよ」
譲二「はい。百花さんのことは大切にします」
父「百花、譲二くんが一緒にいるから、安心してるよ。だけど、何かあったらどんな小さなことでも母さんや私に相談してくれると嬉しい」
百花「うん、わかった。きっと相談するよ。……お父さん、身体に気をつけてね」
父「ああ、ありがとう。お前もな…」
百花「お母さんも無理はしないでね」
良子「ええ。気をつけるわ。百花も元気でね。譲二くんも」
譲二「ありがとうございます」
いつまでも、話はつきないけど、搭乗手続きの時間は迫って、お母さんたちの姿を見送った。
☆☆☆☆☆
お母さんたちの乗った飛行機がどんどん小さくなって行く。
慌ただしかったけど、楽しかった思い出も一緒に遠ざかっていく。
いつまでも空を見つめる私の頭を、譲二さんが優しく撫でてくれる。
譲二「寂しくなったね」
百花「はい…。でも、私は大丈夫です。譲二さんがそばにいてくれるから」
そっと見上げると、譲二さんの頬が少し赤らんでいる。
譲二「…そうだね。うん、俺はもうどこにも行かないよ」
百花「はい。私もずっとそばにいます」
譲二さんは私の顔を覗き込むと、あのイギリスでの夜のように私の額にそっと口づけた。
百花「!」
(こんな外でキスされるのは、たとえおでこだとしてもちょっと恥ずかしい)
そんな私の気持ちに気づいてか気づかずにか、譲二さんは優しい笑顔をみせて言った。
譲二「百花ちゃん。これからもずっとずっと、よろしくね」
百花「はい!」
譲二「うん、元気ないい返事だ。百花ちゃんはこうでないとね」
(これから、どんなことがあるか先のことはわからないけど、私たちはいつも一緒に乗り越えていこう!)
そう決意して譲二さんの手を握る。
譲二さんもしっかりと私の手を握り返してくれた。
そして…手を繋いだまま、イギリスまで続く青い空を見上げた。
いつまでも〜おわり
☆☆☆☆☆
これで『勝手に3年後編』は終わりです。
最後まで書けていないのに、見切り発車でブログに載せはじめたけど、なんとかお話を終わらせる事ができて良かったです。
今、見返してみるとこのシリーズは今年の2月23日から載せてるのね。
長い間、付き合って読んでくださった方、ありがとうございます。
今後は、最初の部分は書けている禁断の愛の話と行きずりの関係から始まった話のふたつをどうにかブログに載せられるようにまとめるのが目標です。
それ以外にも何か妄想話が書けるといいな。
色んな漫画とか乙ゲーとかで栄養分は随分補給できたので、また譲二さんや吉恋の楽しい話が書けるといいなと思います。
譲二の勝手に3年後編も今回で完結です。
☆☆☆☆☆
前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。
久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。
『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。
そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。
航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。
だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。
☆☆☆☆☆
いつまでも~その6
〈百花〉
話が弾み、久しぶりに日本の銭湯に入りたいということで、私たちは福の湯にお母さんたちを案内した。
あい子「マスターに百花ちゃん、今日はお揃いで来てくれたんか?あれ、そっちのお客さん方は?」
百花「私の両親です」
あい子「ああ、イギリスに行かはってる? ほな久しぶりに日本に帰って来られたんやな」
父「はじめまして、百花の父の佐々木です」
良子「百花がいつもお世話になっています」
あい子「こちらこそ、よろしゅう。百花ちゃんにもマスターにもいつもお世話になってますよって」
あい子「そや! もしかしたら、マスターは『百花ちゃんをください』言うて挨拶したんかいな?」
譲二「あい子さん! 何言い出すんですか」
珍しく譲二さんが慌てている。
あい子「そやかて、久しぶりにご両親が揃うて日本に帰って来たんやろ?結婚の挨拶とちゃうの?」
譲二「いや、だからそれは…」
父「娘はまだ学生なので、そういうことはまだまだ先です」
お父さんは憮然としている。
あい子「そうか?残念やわ~。百花ちゃんの花嫁姿、見られるかと思うたのに」
花嫁姿と言われて、私も頬が赤くなってしまった。
そんな私達を見て、お母さんはニコニコと楽しそうにしている。
良子「百花の花嫁姿は私も楽しみだわ」
父「母さん、何をバカなこといってるんだ。百花の花嫁姿なんかまだまだ先のことだろ」
良子「だって…」
(あい子さんがいうように、いつか譲二さんのお嫁さんになれるといいな)
☆☆☆☆☆
お母さんとは久しぶりに一緒に買い物にも出かけた。
洋服や小物を見ながら、他愛もないおしゃべりをするのはとても楽しかった。
良子「百花、しばらく見ないうちに綺麗になったわね」
百花「え?お母さん、どうしたの?急に」
良子「譲二くんと幸せに暮らしてるんだなぁって思った」
百花「…うん。この三ヶ月色々あったけど、譲二さんと一緒に暮らせて、本当に幸せだと思うよ」
離れ離れで過ごした日々のことを思えばいくらだって頑張れる。
良子「日本に帰って来て良かった。微笑ましいあなたたちを見られて」
お母さんは手ぐしで私の髪を整えながら、にっこり微笑んだ。
その7へつづく