恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

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26日のサンタクロース~その3

2015-12-28 08:05:31 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

譲二さんが実家に帰っていた頃のお話。

 

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26日のサンタクロース~その3

〈百花〉
譲二さんにもらった薔薇の花束。

一番大きな花瓶にいけて、メインテーブルに飾ってある。

冬の光が窓を通して、真紅の薔薇に柔らかく降り注いでいる。

その花びらをぼんやりと眺めていると、クロフネのチャイムが鳴って男の人の声がした。


???「荷物をお届けにまいりました」

百花「はーい。ちょっと待ってください」


私は急いで引き出しから印鑑を取ると戸口へ急いだ。

扉を後ろ手に閉めた大柄なその人を見て、私は一瞬戸惑った。

さっきまで、会いたいと強く願っていた、愛しい人がそこにいるのだ。


〈譲二〉
俺がいた頃と変わらないクロフネの扉。

ガラス越しに人影が見える。

百花ちゃんだ!

向こう向きに座っているようだ。

いたずら心を出して、宅配便の人のように声をかけた。

そっと後ろ手に扉を閉めて立つ。

百花ちゃんは俺のことを宅配便の人だと信じ込んでいたようで、印鑑を片手に驚いたように目を見開いている。


百花「じょ…譲二さん!!」

譲二「受け取りはハンコじゃなくて、キスしてもらえると嬉しいな」


駆け寄ってきた百花ちゃんを両手で抱きしめる。


百花「どう…して」

譲二「急に仕事がキャンセルになってね。兄貴も休みを取れって言ってくれたから、甘えることにしたんだ」

百花「ほんとに?」

譲二「ああ、だから今日は久しぶりに一緒に過ごせるよ。夜までだけどね」

百花「嬉しいです」


そう言って百花ちゃんは俺の胸に顔を埋めた。


〈百花〉
クリスマスは終わったけれど、譲二さんが私に会いに来てくれた。


譲二「1日遅れだけど、俺からのクリスマスプレゼント、気に入ってくれた?」

百花「はい…」


嬉しくて…涙で譲二さんの顔がよく見えない。


譲二「ちょ…ほら、もう泣かないで」

百花「泣いて…ません…」

譲二「俺の可愛い…嘘つきさん…」


譲二さんはそう言いながら、何度も私に口づけた。

 

。∠(*゜∇゜*)☆Merry X'mas☆┗*・ェ・*┛

26日のサンタクロース おわり