茶倉譲二 続編第九話～その1

吉祥寺恋色デイズ　茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。　

☆☆☆☆☆

茶倉譲二　続編第九話～その1

〈譲二〉

クロフネが閉店するという話は、商店街に一気に広まった。

買い出しの時など、顔を合わせた近所の人たちに閉店のことを色々と聞かれる。

その人たちには、実家の都合でしばらく店を閉めることを話し、今までお世話になったとお礼を言った。

☆☆☆☆

譲二「クロフネウィーク?」

竜蔵「『また会おう! クロフネウィーク』だ」


リュウが得意そうに言う。


理人「『また会おう』は重要なところなの?」

竜蔵「それがあれば、またクロフネが復活する感じがするだろ!」


タケによると、クロフネウィークとは、商店街でクロフネをクローズアップして宣伝してくれるということらしい。

それも、タケの祖母のあい子さんが先頭に立って、宣伝してくれるという。

それから商店街のそれぞれの店にポスターを貼って、お客さんにもお知らせしてくれるそうだ。


一護「クロフネ最後の日はうちから特別ケーキ差し入れしてやる」

春樹「うちも、花束作って来るよ」

竜蔵「俺んちは最後の日まで、これまでと同様!　毎日新鮮な野菜を下ろすからな!」

理人「僕は放課後、お手伝いしに来るね」


みんなありがとう…。

俺一人の力じゃなく、みんなのお陰でここまでこれたんだなって、改めて思った。


百花ちゃんもウルウルした目でみんなを見回してる。

それがあまりにも可愛いすぎて、ちょっと妬いちゃうけど。

商店街のみんながクロフネを応援してくれるなら…、俺も何かしないとな…。


譲二「クロフネでも何かやろうかな。閉店まではコーヒー一杯サービスとか」

百花「それに、飾りつけしたり、常連のお客さんの写真を撮って貼るとか」

理人「最後までクロフネらしくやりたいよね」


ハルたちが口々に、自分の店のお客さんたちの反応を話してくれた。

クロフネの閉店を残念に思ってくれる人たちが、そんなにいてくれるのは…なんだか嬉しい。


(『また会おう! クロフネウィーク』か…)


俺がしみじみしていると、みんなはクロフネの飾り付けを始めた。

その2へつづく