Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

人の運命(ブライアント)

2011-07-29 18:49:07 | 他スポーツ
久々に野球ネタで、西武黄金時代だった80年代末から90年代初頭に近鉄の主砲として活躍したラルフ・ブライアント選手の思い出です。近鉄は比較的良い外国人選手を連れてくるスカウト網のうまさが評判だったチームですが、最高傑作とも言えるブライアントは近鉄のスカウト網で取ってきた選手ではありません。

当時は一軍に置ける外国人枠はわずか二つでした。二軍に置くことを覚悟すればあと一人取ってくることも物理的には可能でしたが、他の外国人に怪我や不振がない限り一軍に上がれないという状況でモチベーションを維持するのは困難で、なかなか実行するチームはありませんでした。

しかし、中日がこの困難な道に敢えて挑み、二軍の試合で四番を打たせる存在として第三の外国人のブライアントを獲得します。ブライアント自身もアメリカでは無名選手だったので、いつかはチャンスは来ると忍耐強く待つ立場を受け入れました。

しかし、そんなブライアントの運命は意外なところから変わります。近鉄の外国人選手が大麻事件を起こして強制送還になり、突然空いた外国人枠にブライアントの譲渡を持ちかけたことで、近鉄の四番ブライアントが誕生します。

西武ファンの私にとってはブライアントは敵役でしたが、その大きなフォロースルーとライナーで飛んで行く豪快なホームランは敵ながらあっぱれという存在でした。ブライアントの活躍した試合の思い出となると黄金時代の西武が唯一優勝を逃した1989年の西武球場で行われたダブルヘッダー第一戦のホームランが印象的です。

この試合、西武はダブルヘッダーのどちらか一方を勝てば優勝に近づく有利な立場でした。1点リードした終盤、打席にブライアントを迎えたとき、森監督はその年ブライアントに一本もホームランを打たれていなかった渡辺久信をワンポイントに送ります。

ホームランさえ打たれなければいいという状況でしたが、ブライアントはその厳重警戒を突破して、注文通りのホームランを打ってみせます。続くダブルヘッダー第二戦を勝った近鉄は優勝して、森監督率いる西武黄金時代で唯一の黒星をつけています。

ブライアントは長く近鉄でプレーしましたが、優勝となるとこのときだけです。彼のキャリアにとってもハイライトだったでしょう。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 川崎F戦プレビュー | トップ | 周りが見えている(ラフィーニャ) »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ブライアント (MAKOTO)
2011-07-29 22:40:43
ブライアント。懐かしいですね。
西武とのダブルヘッダーの第1戦の3連発は強烈なインパクトです。

特に現西武監督の渡辺久信から打った3本目はインハイの渾身のストレートをライトポール際の最上段まで飛ばしました。

「あれをあそこまで飛ばすのか」と久信ががっくりとヒザをついていたのが印象的です。

ブライアントといえば、これ以外では東京ドームのスピーカーに当てて、認定ホームランというのがありました。

私は巨人ファンなのでよくドームに行くのですが、行く度に「ブライアントはあそこに当てたのか!」と驚くばかりです。
認定ホームラン (kobby)
2011-07-30 14:29:38
MAKOTOさん:

そういえば、ブライアントの東京ドームのスピーカーに当てた認定ホームランも驚異的でしたね。スタジアムを設計するとき、どんなすごいホームランバッターでもここまでは当てないだろうと考えて作るのですが、あのスピーカーはMAKOTOさんのおっしゃる通りとんでもない高所にあって、あれに当てるとはと後に東京ドームを訪れたときに驚いたのは私も同じです。

推定飛距離170mとも言われる認定ホームランは、屋外の球場だったらどこまで飛ばせたかは興味があります。ひょっとしたら当時の西武球場だったらスコアボードを越えていたかもしれません。

コメントを投稿

他スポーツ」カテゴリの最新記事