二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

言わなければいけない事。

2013-10-30 09:43:09 | ■工房便り 総合 
光舜堂としては人様の二胡についてとやかく言わないでおこうと言うのが方針でした。

でも、このところとみに増えている蛇皮のねじれ歪み等、等、

とても多いのです、

多分普及品、中級品と言われるものの、50%位、

そして高級品と言われる物の、特に大葉紫檀、アフリカ紫檀と言うかなり高級な二胡にも50%位、

そして最近出てきた緑がかった黒っぽい、ストライプの老紅木と言われる物の、70%位に、この、皮の歪みと言うのが現れています。

ところが10年位前に購入した、初級者用、勿論高級品もそれほどの歪みと言うのが無いのです。

古ければ歪みそうなのですがむしろ、健全な状態の二胡と言うのがかなり多いです、

もちろん時間が経てば、皮は経年変化で傷んできますから、緩くもなり歪んでも来ますが、最近この5,6年に販売されたものより余程程度が良いのです。

理由は簡単です。以前は古い家具などを壊したり家の一部として使っていた物を製材したりして相当乾燥された木を使っていたというのが、古い楽器に皮が歪みにくい物が多いということでしょう。

日本で二胡が一時期、年間1万台も売れる時期がありました。

元々が細い紫檀系や黒檀系ですから、1万台と言うと200本位の木が消費されているのです。

もちろん本国では、二胡の生産は、年間100万台とも言われます(実際には50万台位でしょうが)

それにしても、年間で紫檀系黒檀系花梨系の木が、5千本位も無くなります。

当然、木は無くなり新たにどこかほかの国から探してくるほかないのです。

ですからこの5,6年位、聴いたことも無いような、名前のなんとか紫檀や、見たことも無い老紅木等が日本国内でも販売されてくるようになったのです。

10年くらい前には、薔薇檀や、鶏血紫檀等の名前で販売されている物は殆どありませんでした。

ましてや正確な表示なのかどうか、アフリカなんとか紫檀等これはホントに最近この5,6年増えてきたものです。

二胡に使う紫檀や黒檀は、それほど簡単に乾きません、多分最低でも20年、位は乾かさないとその収縮と言うのは止まりません。

5年や10年で紫檀黒檀が楽器に作れるほど乾燥はしないのです。

20年ぐらい経ってもやはり木は収縮するのですが、最初の10年ぐらいの縮み率よりは随分下がります。

伐採したての最初の木は、一年で、1mに付き、100分の5ミリくらいも縮みます。

其れが年々減っていて、20年ぐらいたつと、100分の0,5ミリくらいにまで落ちます。

革を張っていてその過程で、ネジの4分の1回転で音はもう半音ぐらいも上がったりもします。

そのくらいに張力が影響します。

木が縮むと皮が緩みます。

しかし均一には縮みません。

ですから革がひきつって音に雑音が混ざるか高音が出にくくなるかなのです。

多分もうこのような経験をしておられる方がこの5,6年で二胡を購入された方にとても多いはずです。

特に蘇州や上海など南方で作られた二胡には、その事が多いはずです。

これらは日本のエアコンの環境によっても、より加速されます。

中国の工場は木の人工乾燥と言うのをしていませんし、工場自体が、エアコンされているわけでもありません。

折角20万以上の中級品と言われる二胡を購入されても、これでは良い音がせず嫌になってしまいます。

これは中国で二胡を生産している人にも考えて欲しいことです。

或いは、日本に木の部分だけ持って来て日本のエアコンの乾燥にさらしてから皮をはる他無いですね。

私としては皮の張り替えと言うのをお勧めします、とんでもなく良い鳴りになり元々は二胡はこのように良い音だったのだと実感させてくれます。
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