二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡をつくるための費用とその問題点(自分で二胡を造ってみよう)

2018-03-21 10:40:02 | ■工房便り 総合 
二胡作るのは簡単だと豪語していた人もいます。

ある意味簡単でもあります。

ただ音が出るだけならデス。

確かに見た感じは、ヴァイオリンなどに比べると曲線も少なく何とかなりそうな気がしますが、

ヴァイオリンなどでしたらキットも販売されていますし、

最初から全部作ろうとしても、普通の座木材屋さんで何とか手に入る材料ですし、

その上ヴァイオリン専門の材料屋さんもあるくらいなのです。

良い材料ですと、全部で20万くらいもしますが、3,4万でも手に入れることはできます。

二胡とはかくかくしかじか、といろいろ自説を唱える人もいます。

もちろんそれもとても良いことです。

それに楽しいですしね。

私なんかもろくに走れもしないのに、あの選手の動きはなどと、ラグビーの試合見ていて思います。

また、みなさんだって、友達の展覧会などあるいは趣味でやっている方は陶芸の展覧会など見に行って、

あの釉薬はなどと思いませんか、

趣味の良いところです、またそれらの趣味のある人が、お客さんでもあるのです。

まったく興味のない人は、陶芸の作品なんか買わないでしょうから。

ある意味、様々なスポーツ演劇、映画あるいは音楽に対して、みんなが批評家でもあるのですから、

それらの批評家が数多くいればいるほどその業界は活発であるともいえるのではないでしょうか。

二胡の場合は、それらの美術や、あるいはヴァイオリンなんかに比べても、それらの趣味の批評家というのが少ないですね。

まずは、日本でも二胡を造る人が増えてこないと、、、、、

二胡を造るのは簡単ではないです。

本格的にやろうとするならです。

ヴァイオリンのプロの作家など、日本に100人以上いると思います。

趣味でヴァイオリンを造る人も多いです。

それは手作業で作れるからです。

材料も売っていますし、道具も極端に言うと全部手道具で済みます。

ストラデヴァリウスは、機械は使っていませんでしたから。

二胡にしても、戦前まではほとんどが手作業だったでしょう。

理由の一つは、材料が、手でも案外簡単に加工できる花梨ぐらいの硬さのものでしたから。

もちろん、紫檀や黒檀でも、手作業だけで作ることはできます。

ただその労力を考えると、趣味で楽しむ領域とは思えません。

興味のある人は、黒檀や紫檀を一度鑿や手鋸で加工してみてください

あるいは駒作るのでもよいではないですか、楽しいですよ。

二胡を造ることの費用と問題点、書いておきます。

良く乾いた紫檀を手に入れることができるのか?

ネットでも二胡を造る部品になるくらいなら、端材を集めれば購入できます。

現に二胡の駒や二胡そのものを造る人はほとんどが、ネットの端材を購入していると思います。

本紫檀、手違い紫檀、程度なら、たぶん、4,5万円あれば、購入できると思います。

ただ、それが二胡に使える製材をしてあるかどうかは別です。

本当に良いものを造るには丸太を買って、そこから製材をきちんとしなければいけません。

棹は芯に近いところ、胴は柾目に取れるところ、

節やら割れは全部省きます。

それこそ丸太の太さによって金額は違いますが、本紫檀なら立米500万くらい、小葉紫檀なら立米2000万といわれます。

中国ではキロいくらという計算になるようです。

木の材料は手にはいいったとしましょう。

次は、蛇皮ですね。

これも端切れなら、沖縄の三線作っているところへ行けば、譲ってもらえるかもしれません????。

交通費宿泊費など、5,6万かかりますかね???

でもあくまでも使った残りですから。

ですから本当に良いものは、一匹づつ買う切りありません。

たぶん、5,6万から10万くらいの幅があると思います。
(私は仕入れルートが違いますから現時点での沖縄の蛇皮の金額は完全には分かりません悪しからず)

沖縄の三線の業者さんに二胡の皮を張ってもらった人もいます、

また、3,4万円で皮の張り替えを頼んだ人もいるそうですが、どうやらトラブルが、、、、

又ある人は、ご自分の二胡の先生にお願いして、皮張り替えてもらったり、あるいは自作の二胡の胴に皮を張ってもらった人もいます。

後で光舜堂で張りなおしましたが、、

蛇の大きさによって、また質によって金額は変わります。

蛇皮は本当に二胡つくりにとっては厄介なものです。

良いところは5、6台分きり取れません。

さて紫檀で最初からあなたが二胡を造ろうとすると、

木工機会が必要です。

昇降板鋸、手押し、プレーナー、ルーターこれらがあれば、紫檀の胴の製材はできます。

中古の機械なら、100万ぐらいあればそろいます。

手押しやプレーナーの刃物は超鋼という金属も切れる刃物に替えなければいけません。

刃物は一枚3万くらい合計18万くらいあればそろうでしょうね。

ただしこの刃物研ぎに出さなければいけません。

それに3月に一回1600円ほどかかります。その間休んでいるわけに行きませんから、

刃物は2セット必要です。

それから棹を造ります棹の木軸を差し込む穴は、ただのドリルでは空きません。

ボール盤という機会が必要です。

又、テーパーのついている刃物が必要なのです。



左からヴァイオリン用、二胡用へグム用

これも2セット、5万くらいですかね。

これも時々研いでもらいます。

頭の曲がりなどは、ジグソーという曲線を切ることのできる機械があります。

或いはバンドソーという製材のための機械。

これは安いのでも、15万ほどしますかね。

次は、木軸です。

木軸は旋盤という、こけし等作る機械があります。

私は金属用のものを使っていますが、木工用のものもあります。

これも、中古でも20万くらい木工用はもっと安いかもしれません。

刃物は、私は45Cという鋼で自分でたたいていますから、費用は数千円かな?

それから胴を削っていくのにサンダーがいります。

まあ、これらを全部整えないと二胡は作れないという事をわかっていてほしいのです。

蛇皮にしろ、皮を伸ばして張り込むための道具は作るきりありません。

しかし、こんな紫檀でなくとも私のやっているように欅や、桜カエデなど使って二胡を造ることもできますし。

作っている人もいます。

欅は欅でとても良い音がします。

二胡の大本のラバナストロンというのは楓の木で作られているようです。(ヴァイオリンも)

また、パラゴンんどというスピーカーシステムは、ブラックチェりーで作られていてとても良い音がします。

これらの音響に使われている材は良い音の出る二胡になるはずです。

もし二胡に本当に興味があって、いろいろご自身の意見を言いたい方は、ご自身で作ってみてください。

なにも紫檀で作る必要はないです。桜や檜で作っている人もいます。

竹や、カンカラでも十分です。

また蛇皮でなくとも、桐の板や、スプルスという、建材などに使われる材料を張ることもできます。

工夫すれば、蛇皮のような音にもなります。

私のように和紙を張り合わせたり布地を張り合わせてもよいと思うのです。

大昔のスリランカのラバナストロンは、伝達していく地域地域で、そこでとれる材料を使って様々な楽器に変化してきています。

其れでよいのです。

あなた自身の二胡作ってみましょう。








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