南町の独り言

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歴史の転換点

2008-12-13 17:01:41 | ユニオン

連合本部は10月の中央執行委員会で「歴史の転換点にあたって~希望の国日本へ舵を切れ~」という文書を確認した。
米国のサブプライムローン問題に端を発した世界同時不況を単なる現象面だけで捉えるのではなく、世界を席巻してきた市場原理主義、金融資本主義(カジノ資本主義)の終焉を意味するものであり、パラダイム転換が今まさに求められているということを組織全体で共有しようと呼びかけるものである。
パラダイムとは“天動説や地動説などのように時代に共通な物の見方・思考”のことである。

まさに20世紀は「お金」を追い求める時代であった。
先進国に蓄積された巨額な資金が複雑怪奇な金融技術の発達により2重3重にレバレッジ(梃子)を利かせることで、実際に存在する資産をはるかに上回る投資余力が生まれている。
この急激な膨張により生まれた“使い切れないお金”が、行き場を求めてサブプライムローンなどに寄り付いたのだ。
なぜ人は“使い切れない”ほどのお金を求めるのか。
その価値観を変えることこそパラダイム転換である。

来春の賃金交渉が話題になっている。
こんな不況期に賃上げなどできるわけがない、という意見。
物価も上昇し、子供も生まれて生活が苦しいからもっと給料上げてくれ、という意見。
どちらも正しいし理解できるが、すべてを単一的に「お金」だけで解決しようとするところに無理があるのではないだろうか。

「連帯と相互の支え合い」を本文でも強調しているが、それは“分かち合い”ということでもある。
お金が使い切れないほどあるとしたら、それを分かち合う仕組みを考えればいい。
連合静岡で取り組んでいる個人別賃金分布図が完成すればそういった考え方も成り立つ。
例えば年収1千万を超える人は、時間短縮に成果配分をシフトするという具合にである。

現在、中央労福協が法制化を進めている「ワーカーズコープ」のモデルとなっている“モンドラゴン協同組合”の報酬の仕組みは、最も格付けの低い労働者と、協同組合最高責任者の報酬格差を3対1としている。
これを“報酬の連帯”としているが、このくらい革命的な提案をしないとせっかくの名文書もゴミ箱に捨てられてしまうかもしれない。
企業間の業績格差は税制により調整する手法も考えられる。
連合本部と次期政権を獲るであろう民主党が本気になって取り組めば叶うことと信じたい。


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