南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

佐渡の4日間

2012-08-07 20:15:21 | Weblog
結婚して以来このかた、4日間もフリーの日を過ごしたことはありません。
8月3日静岡駅出発9時37分、東京駅から11時17分発上越新幹線新潟行き、14時発の佐渡汽船ジェットフォイル、手帳4日間はその予定しか書かれておりません。
宿泊先は佐渡両津港近くの100年以上経った木造3階建ての古民家です。
今はもう誰も住んではいませんが、先々代は佐渡ヶ島を束ねたテキヤの親方だったとか…そう言われてみれば何かを感じさせる風格のある家でした。

この1年あまり、とにかく一事が万事、起きている様々な現象にいささか嫌気がさしていました。
正直な話(もう勘弁してよ)と、もの凄く自分自身が落ち込んでいる時でもありました。
そんな時に、知人から佐渡ヶ島行きのお誘いがありました。
流人の島、伝統と文化の島、永六輔が独立国をめざした島、鬼太鼓と鼓童の本拠地などなど、一度は行ってみたかった佐渡ですから渡りに船です。
事務所のみなさんに留守をお願いし、思い切っての決行でした。

想定外の出来事がふたつありました。
ひとつは佐渡行きのジェットフォイルです。
1時間で行けますが、指定席でシートベルト着用ですから、まったく旅情が味わえませんでした。
(帰りは2時間半のフェリーを利用しました)
もうひとつは着いた日に飲んだお酒(つんぶり)にダウンしたことです。
実に切れ味が鋭い旨い日本酒だったので、720mlを飲み干してしまいました。
ところが寝るころになったら気持ちが悪くなってダウンしてしまいました。
翌日酒屋に寄ってカン違いに気づきました。
“つんぶり”とは25度の米焼酎だったのです。

そんなハプニングもありましたが、この4日間は新聞も読まず、テレビもオリンピック観戦だけで俗世間と離れての生活です。
はるか昔、順徳天皇が流され、世阿弥が流され、日蓮が流された佐渡ヶ島の名所・旧跡も訪ねました。
北朝鮮に誘拐された外海の現場や、信じられないくらい澄んだ日本海も堪能しました。
無理を言って寝所は先代たちの遺影が掲げられている仏間に、一人寝させていただきました。
初日はダウンしていましたが、2日目・3日目は“何か”を感じながら深い自己探索ができました。

あっという間の4日間が終了しました。
いろんなことを考えさせられましたが、結論らしきものをひとつだけお土産に帰ってきました。
それは“理念をきちんと伝え続けること”と“その理念を自ら実践すること”です。
今私にできることはそれだけですね。


カモメたちに見送られて佐渡ヶ島を後にしました。
今度来るときは、もっと気楽になって遊びにいきますね。