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今日は晴れたり曇ったり。午後はグループホームに出勤しました。図書館で借りて、角田光代の「方舟を燃やす」を読みました。人気だったので予約して借りてみましたが、なかなかの長編。びっしり詰まった400ページ超え、読み終えた達成感は大きかったです。1969年生まれの飛馬と、戦後生まれの不三子の二人の話が交互に描かれています。大きく二部に分かれていて、第一部は1999年まで、第二部は2016年から最近の話です。
ノストラダムスやコックリさんや大地震やサリン事件、そしてコロナと、時代の出来事を背景に、オカルトや宗教やデマやSNSなど、信じるとは何かを問います。飛馬は母の死に責任を感じ、文通や無線を楽しみ、公務員となり、不三子はマクロビオティックの食事で子育てをしたが、娘や息子とはうまくいかず、普通の食事を続けた夫には先立たれ。そんなふたりが、コロナ禍の子ども食堂で出会い、人の役に立つ意味を考える。
とにかく丁寧に心情を描き、ゆっくりとした時間の流れの中で、何が間違っていたのかと自問自答する主人公たちとともに、なんだかすっきりしないまま最後まで駆け抜けました。面白かったとは思いますが、よく分からない気もします。コロナも過去になりつつある今だからこその物語という気もします。