きときと日記

「きときと」とは富山の方言で「ぴちぴち(新鮮な)」という意味。きときとな日々の記録を更新中。

ナオミとカナコ

2015-01-06 | 


今日は雨。強い風が吹き、雨が降り続いて、どんよりしていますが、気温は高めでした。今日は一日、家で仕事しました。図書館で借りて、奥田英朗の「ナオミとカナコ」を読みました。評判が良かったので期待して読みましたが、期待を裏切らない面白さでした。437ページの分厚い本ですが、前半、「ナオミの章」を一日、後半「カナコの章」を一日、一気に二日間で読み終わりました。ナオミは百貨店で外商の仕事をし、中国人の李朱美と出会います。外商の仕事の様子も、中国人とのやりとりも、とても面白くて、どんどん読み進みます。そんな中、カナコが旦那のDVを受けていることを知り、救い出そうとしますが難しく、ついには二人で旦那を殺す計画を立て、実行します。ここまでが前半のナオミ視点の話。

後半、カナコ視点では実は裏があったという展開かと思ったら違っていて、後半は、殺人のその後です。完全犯罪のつもりが、あちこちに綻びがあり、どんどん追い詰められていきます。そして読んでいるうちに二人を応援してしまっています。殺人なんて愚かな解決策を取った二人ですが、捕まるな、頑張れ、とハラハラドキドキ。本の帯に書いてある通り、「やがて読者も二人の共犯者になる」という感じです。いやー、うまいなあ、文章も展開も、とてもよくできていて、引き込まれます。奥田英朗は、伊良部シリーズの「インザプール」や「空中ブランコ」も大好きでしたが、それとはまた違った面白さでした。読んで良かった、今年一冊目、とても面白い本でした。

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