これまでは、支持と支援を求めるのが主な目的でした。それは、今も同じですが、最近は戦後に向けての外交も併せて行うようになりました。
戦後の国土復興や経済再建に向けてもプロジェクトの検討が複数の国との間で始まっています。
もう一つ大切なのは、安全保障の構築です。以前なら不可能な事が可能になりました。ロシアがウクライナに軍事侵略することで可能になりました。ロシアが明確に敵になれば、ウクライナがロシアに遠慮する必要は、なくなりました。
戦後のNATO加盟申請です。
今、ゼレンスキー大統領はNATO諸国の首脳を訪問し様々な打ち合わせをする中、ウクライナのNATO加盟の支持を取り付けようとしています。反対する国は少ないと思いますがより積極的に支持を表明してもらえば、NATO加盟の道がより確かなものになります。その外交努力を積極的に行っています。
賛成を渋りそうな国は、ブルガリアとハンガリーです。ハンガリーは、首相が親ロシア派ですのでフィンランドのNATO加盟申請の時も批准は、最後から2番目でした。1番最後が、トルコです。トルコは、スウエーデンとの絡みで批准が遅れました。しかし最後は政治的混乱を避けてトルコの大統領選挙の前に批准しました。
トルコは、ロシアとも親しい関係にありますがウクライナの領土保全を支持しており、そこにはクリミアも含まれます。黒海経由の穀物輸送合意でも、大きな役割を果たしました。
今回のトルコ訪問でエルドアン大統領の明確な支持を取り付けました。フィンランドの時とは異なり、トルコは積極的にウクライナのNATO加盟を支持すると思います。それだけでなく、トルコはロシアとウクライナのパイプ役としてもこれまで以上に貢献すると思います。
ワールド
2023年7月8日6:55 午前Updated 12時間前
戦争終結とウクライナ再建への取り組み継続=エルドアン大統領
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-grains-turkey-idJPKBN2YN1P5
ワールド
2023年7月7日1:58 午前2日前更新
ブルガリア、ウクライナNATO加盟を支持 ゼレンスキー氏が訪問
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-zelenskiy-bulgaria-idJPKBN2YM1EA
ブルガリアの懸念材料は、ロシア製の原子炉2基の運営や維持管理をどうするか?と言う問題です。多分、ロシアの技術者に依存していると思います。
ウクライナには、原発のノウハウも経験もあり技術者もいます。ロシアに依存している部分を全部補うことが出来ます。そこで一式、ウクライナの国営原子力会社、エネルゴアトムが買い取って運営から保守管理を丸ごと引き受ける案が検討されているようです。
ブルガリアは、ロシアと国境を接しておらず軍事的な脅威は、少ないと言えます。
既にNATO加盟国31か国のうち22か国がウクライナのNATO加盟を支持しています。
ここまで来れば、反対しそうなのはハンガリーだけです。ハンガリーも30か国が支持すれば反対は出来なくなると思います。
ワールド
2023年7月8日5:15 午前12時間前更新
ウクライナとスウェーデン、バイデン氏の主要議題 NATO首脳会議で
https://jp.reuters.com/article/nato-summit-usa-idJPKBN2YN1LC
そのような国々の支持と後押しを受けて、次のNATO首脳会議では、ウクライナの加盟問題について、より踏み込んだ議論が行われる予定です。
ゼレンスキー大統領の戦後に向けての外交努力は成功しつつあると言えます。
ロシアがウクライナに軍事侵略をしなければ不可能だった事が実現しました。
それ以前であれば、ウクライナを中立地帯にする程度の妥協策しかなかったと思います。事実、侵略前はゼレンスキー大統領自身がその心算でした。
つまり?
ロシアにとって悪夢だったNATOとの国境線が東に広がり、直接将来NATOに加盟するであろうウクライナと国境が接しています。NATOの国境線を東に呼び込んでしまいました。
万死に値する、大罪(ロシアにとって)だと思います。