「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

欧州委員会のメンバーと委員長の選出方法とは❓<2024.06.20

2024-06-22 19:17:47 | ヨーロッパ

欧州議会選挙2024、「極右」「EU懐疑派」大躍進の理由…EU市民は何を思って右派に票を投じたのか?
川口 マーン 惠美
2024.06.14
https://gendai.media/articles/-/131799?page=4

この記事は、一定期間無料記事で期間経過後、有料記事になります。
川口マーン惠美さんはドイツ在住の日本人でドイツ事情には詳しいです。
この人より詳しく書く人は、知りません。
立場は右派で保守的な考え方だと思います。

他の記事一覧
https://president.jp/list/author/%E5%B7%9D%E5%8F%A3%20%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%B3%20%E6%83%A0%E7%BE%8E

原発やエネルギー関係についての観察や考え方も参考になる部分は、多いと思います。
ドイツの脱原発の失敗の経緯をリアルタイムで見て実感しているからです。

記事の中に今回の欧州議会選挙を含む、今のドイツの政治事情が書かれています。非常に分かりやすいと思います。

今回は、EU政府についての面白い見解を紹介します。
特にEU委員長は、まるでヨーロッパの王様のごとくふるまっています。
そうできる理由は、まず選挙と無関係に推薦で選ばれ選ばれると5年の任期中は、身分が保証されます。
EU首相と言った方が、分かりやすいと思います。

その決め方
欧州委員会
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A
EUの「内閣」に当たる行政執行機関
「EU基本条約の守護者」
欧州全体の利益を代表し、追求する
欧州委の委員長
欧州理事会(首脳会議)が推薦する候補
欧州議会が絶対多数決で承認
最終的に欧州理事会により任命

選挙とは、まるで無関係に決められます。

川口マーン惠美さんの記事では、こう書かれています。
『欧州委のメンバーは国民の選挙を経ずに決まり
その委員長は、全加盟国の首脳が密室で決める。
欧州委員会の権限は、選挙の洗礼を受けた欧州議会よりも強く
密室で決められた委員長が絶大な権力を持つ。
EUが民主的な組織ではないと言われる所以』

更には、右派や極右の台頭についての意見
「(反対する勢力は)極右の台頭でEUが壊れ、さらにはヨーロッパの民主主義が危険に晒される(と主張している)
その反対で、彼ら(選挙民)は民主主義を守るつもりで、右派に票を投じたのではないか。」
(決め言葉)
『EUが壊れても、ヨーロッパは壊れない。』
『口先だけで民主主義を叫ぶ腐敗政治家には退場してほしいというのが、EU市民の本音だ。』

これがイギリスが、EU離脱を強引に決めた理由でもあります。結果、イギリスは経済が落ち込み良かったのかどうかは分かりません。

欧州議会選挙が行われるから一見民主的に見えますが❓
実際には、首相に当たる欧州委員長や閣僚に当たる欧州委員は非常に不透明で、委員長については各国の首脳が密室で決めていると言ってもいいでしょう。
ほぼ独裁政治と言っていいと思います。

何故、EU首脳が個人的な意見ではないのか❓と思える主張を強硬に言える根拠がここにあります。
5年間は、誰の掣肘も受けなければ事実上の独裁者です。

余りにも教条主義的なEU政府のウクライナ紛争に対する態度、ガザ紛争に対する態度の原因が、ここにあります。
フォン・デア・ライエン委員長の個人的な意見がそのまま表明されていると思います。
内閣にあたるEU委員会にしてもそうです。

EU市民の選挙で選ばれるわけではありませんから、自分たちが勝手に政権運営をしています。
そこに有権者の意見は、ほぼ反映されません。
自分たちの意見と利益があるだけです。

UE全域で吹き荒れた農民一揆ともいえる農民の抗議活動がありました。
選挙で選ばれるわけでないから、無視できるわけです。

そういった様々な矛盾が、一気に今回の欧州議会選で右派と極右が議席を大幅に増やす結果を招きました。
民主的と自称する現在の各国の政権与党が、今の欧州委員長や欧州委員会委員を選んでいるのと同じだからです。

それに反対するなら選択肢が極右か極左しかなかった・と言う分かりやすい理由によります。

こうやって実際にドイツに住んでいる日本人の作家が書いてくれると、日本人にも「なるほど!」と分かります。

『EUが壊れても、ヨーロッパは壊れない。』
『口先だけで民主主義を叫ぶ腐敗政治家には退場してほしいというのが、EU市民の本音だ』
これは、ウクライナ紛争に対するプロパガンダそのものです。
ウクライナがロシアに負けたところで、ヨーロッパが負ける訳ではありません。
不思議なほど同じ論理ですね❓

※関連記事目次
項目「ヨーロッパ」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d



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