「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

日本サッカー協会と日本野球連盟(ないです)の歴史<2023年8月

2023-08-27 14:14:02 | サッカー

サッカーと野球は、どちらも外国から入ってきたスポーツです。スポーツとしては、普及度で双璧でしょうね?

その後の流れは、大きく違います。

(1)野球の方は、早いうちからプロ化が進みました。
1920年:「合資会社日本運動協会」設立が最初のプロ野球です。
現在のような現在のようなペナントレース(公式戦)が始まったのが、1936年:日本初のプロ野球リーグとして「日本職業野球連盟」設立されてからです。
その後、あまり形態が変わらず現在の日本野球機構(NPB)が誕生(1949年)し2リーグ制になり現在に至っています。
2004年には、プロ野球再編問題が起き経営側はチーム数を減らして、1リーグにしようとしました。
選手会による史上初のストライキが発生し、それに賛成する関係者が多かったので、経営側が折れて近鉄と阪急が合併して1球団減り、「東北楽天ゴールデンイーグルス」の新規参入を認めて、かろうじて2リーグ制と12チームが維持されました。
つまり、収益が伸び悩み保有企業からの要請で規模を縮小して球団の経営の存続を図りました。それが失敗したのでやむを得ず、12球団を維持したうえで収益拡大を図る方向に経営が変化しました。その後は、企業努力の結果各球団の経営は安定しました。
見えるのは現状維持であり、拡大ではありません。それが今の日本のプロ野球を、つまらないものにしている根本的な問題だと思います。

(2)サッカーの方は、1921年「大日本蹴球協会」が設立されましたが、プロ化の方向には行きませんでした。あくまでアマチュアとして活動し、その流れは現在の「公益財団法人日本サッカー協会」でも同じです。
アマチュアの最高峰として1965年から日本サッカーリーグ(JSL)が始まります。しかし、野球とは正反対で全く人気はありませんでした。要は実業団サッカーですから人気が出て宣伝にならなければ、スポンサー企業も困ります。経費がかかるだけですもんね?

※しかし、この流れがサッカーと野球のその後を、大きく分けました。サッカーの方は、営利目的ではなかったので長いアマチュア・スポーツの中で「公益財団法人日本サッカー協会」を頂点とするピラミッド型の全国組織が形成されました。これが、「日本サッカー協会」の大きな財産ですし強みです。
トップが意思決定すれば、それは全国的に実行されます。

プロと各アマチュアの団体に分かれてばらばらの野球界とは、意思決定の速さとそれを実行させる強制力が、全然違います。野球は、今でもばらばらのままです。各団体に既得権益がありまとまりません。

そして不人気の改善を考えた「日本サッカー協会」は、大きな決断をします。

1991年11月1日「日本プロサッカーリーグ」を設立しました。ここでやっとサッカーは、プロ化の道を歩み始めました。そして、その手本にヨーロッパのプロ・リーグ運営方法を導入しました。企業名を排して地域名をクラブの名称に取り入れました。実業団チームが参加して最初のクラブになるのですから、プロ野球的な視点で見るとあり得ないと思います。

1993年に開幕し、最初の参加クラブは10チームでした。
1998年には、18クラブに増えました。
1999年から「Jリーグ ディビジョン1」(現J1リーグ)と
「Jリーグ ディビジョン2」(現J2リーグ)の2部制に変更になりました。
2014年には「J3リーグ」(J3)が創設され3部制になりました。これで、やっと今のプロ・クラブの制度が完成しました。設立から24年目です。
トップ・ダウンの意思決定システムがなければ、無理だったでしょうね。日本サッカー協会を頂点とするピラミッド型組織構造だったから、このような歴史的な大改革が断行でき、また成功したと思います。

そして今?
J1(18クラブ)
J2(22クラブ)
J3(18クラブ)
JFL 日本フットボールリーグ(15クラブ)リーグレベル第4部

地域リーグ (サッカー)リーグレベル第5〜6部 参加クラブ135
元々は実業団とノンプロのクラブチーム
大学サッカー部セカンドチーム
Jリーグ加盟を目指すクラブ(プロもしくはセミプロ)

都道府県リーグ (サッカー)リーグレベル第5〜6以下(6〜7以下)部~最下位のカテゴリー

6~7層の大組織が出来上がりました。このうちプロは、J1~J3までです。しかし、ヨーロッパの国と比べても遜色のない組織構造です。

※野球とサッカーは、ウサギと亀に見えます。
プロ化の早かった野球は、戦後の興隆期がありその後停滞しています。

まずアマチュアで全国組織を形成したサッカーは、プロ化後、わずか30年くらいでヨーロッパのサッカー先進国並みの大組織に変貌しました。

その後の流れは、既に今から見えています。野球は競技人口が徐々に減りスポーツとして衰退していくと思います。サッカーは、少子高齢化の流れの中でも競技人口を増やしつつ発展していくと思います。

その理由は、サッカーは日本サッカー界として一つにまとまって行動します。

野球は、旧態依然としてプロと各アマチュア団体がばらばらです。その状態の中でまとまって一つの行動は取れないからです。野球の特に打者のメジャーとの差が拡大しつつあるのに、プロ野球界として何ら対策を考えられないのがその証明です。問題はおおありなのに、現状を認識しようともしません。認識しないのだから改革も改善も出てきません。結果としてメジャーとの差が拡大するばかりです。

サッカーは、ヨーロッパのサッカー強豪国に追いつくために、日々努力しています。長い目で見れば、どちらが勝つかは、一目瞭然です。



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