「北の山・じろう」日記

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ゼレンスキー大統領、「ポーランド農家の抗議」を非難<ウクライナ紛争2024.2.21

2024-02-21 13:09:34 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ウクライナ大統領、ポーランド農家の抗議非難 「合理的決断」要請
ロイター編集
2024年2月20日午前 11:21 GMT+91時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/2YM4RQEMDFJWDF6327HK6WVOXY-2024-02-20/

ゼレンスキー氏の言う「合理的決断」とは、「ウクライナに不利益な事は一切ダメ!」と言う意味です。
ウクライナに反対する者やロシアを支援する者は、全部敵です。
つまり❓
ウクライナに反対すれば、支援国であろうと全部敵と言うことになります。

そもそもゼレンスキー氏は俳優上がりの政治未経験の大統領です。だから政治や外交においては、ド素人です。つまり、政治的なあるいは外交的な考え方も出来ませんし行動も出来ません。
ひたすら自分(ウクライナ)に不利益な相手を批判するだけです。

ウクライナ紛争は、本来ウクライナとロシアの戦争でありそれ以外の国の国民は、無関係です。EUが極端なウクライナ支援にのめりこんでいるだけです。EUがEUの予算でウクライナを支援する分には、支援国の国民も苦情は言わないと思います。

しかし、EU圏の国民まで巻き込んでしまえば、当然不利益を受けている国民は怒るし抗議活動を始めるのは、ごく当然です。
このケースでは、EUの農民の生活問題化しています。
特に東ヨーロッパの農民にとっては、死活問題になりました。
農民に関して問題になっているのは、EUの政策のうち・・・
「ウクライナの輸出品に対する関税や割当上限の一時停止(2024年6月まで有効)」
の1年延長です。
ポーランド、ブルガリア、ルーマニア、スロバキア、ハンガリーの農業相は欧州委員会に対して共同書簡で「輸入税=関税」の導入を要求しています。
https://grandfleet.info/european-region/72nd-day-of-closure-of-ukraine-border-romanian-farmers-also-close-two-checkpoints/

これに対し、欧州議会の国際貿易委員会は1年延長を可決しました。この案が5月の本会議で可決されるとウクライナ優遇処置の1年延長が決まります。
https://grandfleet.info/european-region/polish-farmers-disappointed-with-european-parliament-reopen-border-closure-to-ukraine-from-9th/

ポーランド農民の抗議活動は激化し・・・・・
『ポーランド人農民によるウクライナ国境の封鎖は3ヶ所から6ヶ所に拡大、この抗議活動を主導する労働組合は「20日からポーランドとウクライナの国境にある全検問所(計9ヶ所)を封鎖する」と予告しており、陸上輸送の混乱解消は全く目処がたっていない。』
https://grandfleet.info/european-region/polish-farmers-closure-of-ukraine-border-to-be-extended-to-all-checkpoints-from-tomorrow/

ポーランド農民の国境封鎖抗議活動は、全国境まで範囲が拡大しつつあります。
当然、ポーランド政府は黙認しておりポーランドの野党勢力は、これを支持しています。むしろ主導していると言っていいと思います。
<ちなみにウクライナの輸出と輸入に占める道路輸送の割合>
ウクライナ税関
「2023年の輸出額に占める道路輸送の割合は約35%」
「輸入額に占める割合は約70%」

輸入の方が問題でウクライナに入ってくる物資の70%が道路輸送です。ポーランドの全検問所9か所を封鎖されると、そのうちの50%以上は滞ると言うことです。
周辺のスロバキアとルーマニアは、より少ないと思います。しかも、この両国でも不定期に国境封鎖抗議が起きています。

ウクライナ政府はEUの決定を根拠に自分たちの既得権を主張しています。しかしEUがどう言おうと農民たちの死活問題化していますから、この問題は解決しません。
ウクライナが東欧諸国と妥協して、東欧諸国への農産物の輸出を止めるしかありません。
そもそもEUの臨時処置は、EUの農民を犠牲にした行き過ぎたウクライナ優遇政策です。

ですから妥当性は、農民たちにあり農民たちの生活を犠牲にするEU政府の側に非があります。

ゼレンスキー氏は最低限黙っているべきであり、「ポーランド農家の抗議」を非難してしまえばポーランドの農民や運送業者は確実に反ウクライナになります。それを支持基盤とするポーランドの野党も反ウクライナの立場を強めるでしょう。ポーランドの大統領もそれを支持しています。
現在の親EUのポーランド首相もポーランド農民を犠牲にしてまでEUの政策を支持したりは、しません。

ほぼポーランド全体を敵に回しつつあります。ゼレンスキー氏の今回の発言は、「火に油を注ぐ」ようなものです。
政治・外交においてド素人のゼレンスキー氏はそれが理解できません。
例えイギリス・フランス・ドイツの個別の大型支援を取り付けたとしても、それ以外の国々からの支持を失えばウクライナとって得は何もありません。
戦争が終われば、元の通りウクライナは東ヨーロッパの嫌われ者になるでしょう。
そうでなくてもポーランドは、反ウクライナ感情の強い国です。
こんな調子では、長い戦争は戦えそうにありません。
現にポーランド国境での国境封鎖抗議活動が続き激化しています。
結果として輸入貨物の到着が大幅に遅れ、ウクライナ国内では関連した物資の価格が高騰すると思います。=インフレが高進します。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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