「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ロシアに痛いところを突かれたアメリカと冬戦争(フィンランドVSソ連)の故事<2023年10月

2023-10-11 19:43:40 | アフリカと中東

①ロシア、米国の「破壊的」対応を非難 イスラエル巡り
ロイター編集
2023年10月9日午後 11:35 GMT+931分前更新
https://jp.reuters.com/world/security/XNNINAZNUJJ75J56OOK2OZXIO4-2023-10-09/

②ロシアとアラブ連盟、中東の「流血阻止」で協力 ラブロフ外相
2023年10月9日 21:39 発信地:モスクワ/ロシア [ ロシア ロシア・CIS パレスチナ自治区 イスラエル 中東・北アフリカ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3485410?cx_part=top_topstory&cx_position=2

ロシアのラブロフ外相は、①の声明を出す前にアラブ連盟のアハメド・アブルゲイト事務局長と会談して意見調整をしています。つまり①の声明は、ロシアとアラブ連盟の共同声明と言えます。ロシア単独ではない点が、ミソです。

そして声明の内容は、アメリカと西ヨーロッパ以外の地域の共通認識と言っていいと思います。つまり、アメリカと西ヨーロッパ以外の地域の国々は、この声明を妥当だと考えるし賛成しないまでも反対はしないでしょう。賛成する国もかなりあると思います。

イスラエルとパレスチナ問題に関しては、「アメリカと西ヨーロッパ」とそれ以外の地域の国々では、認識が正反対と言えるほど異なると言うことです。

そしてアメリカとNATOは、21世紀に入りイスラム諸国を荒らしまわった事実があります。「テロとの戦い」は自分たちの論理であり、全員の合意があるわけではありません。「テロとの戦い」で戦争や軍事力を用いた内政干渉を正当化してしまえば、大抵の紛争は正当化できると言うことです。

そうしないためには、公平性と妥当性が求められます。21世紀に入りアメリカとNATOが行った戦争や軍事介入に公平性と妥当性があったのかどうか・の問題です。

それを判断するのは、「アメリカとNATO」以外の国々です。

つまり、その部分をアメリカはロシアに「グサッと!」突かれてしまったわけです。

イスラエルがパレスチナにしていることは、ロシアがウクライナにしていることと、ほぼ同じです。軍事力が強い方が弱い方を侵略したり弾圧しています。

皮肉なことにイスラエルが正しいと言えば、ロシアも正しい事になってしまうわけです。イスラエルもロシアもやっている事は同じだからです。

だから国際関係においては、公平性と妥当性が必要になってくるわけです。それが、ないのを何というか?
『ダブル・スタンダード』

だからアメリカとNATOの認識と、それ以外の国々の認識が同じことについて違うか正反対になるケースが出てきてしまいます。

イスラエルとパレスチナの問題は、もろに正反対になるケースです。だから、いつまで経っても問題が解決しません。そうこうしているうちに今回のような大事件が起きてしまいます。

更に悪いことにこの問題は、アラブ世界・イスラム世界のど真ん中にあります。西欧の論理や価値観から一番、遠い地域です。ごり押しすれば、キリスト教VSイスラム教の現代版宗教戦争になります。

よくよく考えなければ、問題はいつまでも解決しないし時には大きな悲劇を引き起こし、それが延々と繰り返されるでしょう。どちらが、いい悪いは言いません。それを解決する意思があるか?ないか?の問題です。当事者同士では、解決不能です。だから周囲の人間が解決する方向に誘導しなければなりません。

(2)冬戦争(フィンランドVSソ連)の故事
『ゼレンスキー氏「イスラエルの自衛権に議論の余地なし」』
2023年10月8日 12:53 発信地:キーウ/ウクライナ [ ウクライナ ロシア・CIS イスラエル 中東・北アフリカ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3485276

これでウクライナは、アラブ世界の支持をほぼ失ったと思います。アラブ世界全体の国の数とイスラエル1国とどちらの数が多いか、数えなくても分るでしょう。
発言するべきではありませんでしたし、発言するなら曖昧に正論を言うべきでした。イスラエルを支持してしまえば、アラブ世界を否定したのと同じです。つまりアラブ世界は、ウクライナ不支持に回ると言うことです。

ウクライナを見ていると欧米の方しか向いていません。ロシアと戦うのであれば、少なくとも世界の過半数の支持が必要だと思います。ウクライナの主張は、自己中心的な部分が最近、非常に目立つように見えます。それは、結果として支持者を減らすと思います。

ロシアにだって応援団は、います。北朝鮮とイランです。南アフリカも軍事援助はしませんがロシア支持です。ブラジルもロシア支持です。中国は最初からロシア寄りです。インドも一見中立のように見えますがやっていることはロシア支持です。冷静に見てみるとウクライナの応援団は、欧米だけです。第三世界が中立であったりロシア支持が多いのは、欧米に対する反感です。欧米にひどい目にあわされた国々は、中立かロシア支持でしょう。現状、ウクライナはロシアと欧米の代理戦争を戦っていると言えます。

ロシアと欧米以外の国々から見ると?
「好きにしたら・・・」
的な感覚だと思います。
つまり、欧米以外の国々が欧米ほどウクライナを支持する理由も必要もないわけです。ウクライナ程度のひどいことかもっとひどい事は、世界中に転がっています。
「シリアをどうしてくれるんだ!」
「アフガンをどうしてくれるんだ!」
何も言えないでしょう。
ウクライナだけ特別扱いにするなら?
それは?
『ダブル・スタンダード』

ウクライナ紛争を第三者的に見るなら、ヨーロッパの地域紛争です。もちろんロシアは極悪です。しかし紛争において極悪なのは、ロシアだけではありません。大抵強い方が極悪です。だから極悪と隣り合わせにある弱い国は、極悪と折り合う知恵を身に着けます。そうでない国は、やがては滅ぼされます。

冬戦争
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%AC%E6%88%A6%E4%BA%89
継続戦争
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B6%99%E7%B6%9A%E6%88%A6%E4%BA%89

第2次世界大戦中に発生したフィンランドとソ連の戦争です。この戦争においてフィンランドには、何の非もありません。ソ連がフィンランドを軍事占領するために一方的に仕掛けた戦争です。フィンランドにとっては、祖国防衛戦争です。
第2次世界大戦中でありフィンランドを支援する国はありませんでした。フィンランドは、冬戦争はほぼ独力で戦いました。ソ連の方も損害が大きすぎていったん停戦しました。
それが継続戦争として再発します。この時はフィンランドも単独で戦うことは不可能で、ナチスドイツと同盟して主に武器援助を受けて戦いました。そののちやっと国土を回復しました。フィンランドは、国境線からソ連領に侵入はしませんでした。国土を回復したところで止めました。

しかし、戦後ナチスドイツと同盟した罪を問われます。フィンランドは、ソ連に占領されていた国土を回復しただけで非はありません。

しかしソ連との講和には、もっとも豊かなフィンランド南部の土地を割譲させられました。フィンランドは、その極めて不利益で不合理な条件を飲んでロシア=連合国と講和しました。

今あるフィンランドは、その後のフィンランドです。戦後はフィンランドは中立国としてソ連に対しては無害であるしかありませんでした。一時期は、ソ連から天然ガスを買ってエネルギーを賄うしかありませんでした。抵抗など出来るはずもありません。

その後フィンランドは、自立への道を徐々に歩み始めます。ロシアのガスから自立することもその一つです。そのためにフィンランドが選択したのが原発の導入です。原発の電力が得られるようになって、やっとエネルギーではロシアから自立できました。
それはフィンランド国内のすべての部分に及んでいます。軍事力もそうです。徐々にフィンランドはソ連と戦えるだけの軍事力を整備していきます。

今では北欧の軍事大国です。ヨーロッパで現在最強の陸軍を保有していると思います。北欧限定なら間違いなく最強だと思います。

しかしロシアのウクライナ軍事侵略がフィンランド国民の考え方を一変させ、NATOに加盟申請して今はNATOの一員です。最強のNATOメンバー言ってもいいかもしれません。フィンランドは独力でもロシアと戦えるだけの軍事力は既に保有しています。しかし安全のためにNATO加盟の保険を掛けました。

これがフィンランドの歩んできた、ごく大雑把な第2次世界大戦からの歴史です。

今のウクライナにとって大いに参考になる部分と教訓にするべき部分があると思います。小国には小国の生き延びる知恵があります。知恵だけでは、ダメですけれどね?

(ウクライナには、知恵の部分が少し足りないように思います)



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。