ライバル現る！

ライバルと言いえば花形満・・・なんて思うのは年齢のせい？
しかしこれはそんなカッコイイ話ではない。

道場に行くとアレ？っという顔が・・・。
彼の名はマサヒコ、幼稚園からの同級生、高校時代は卓球部。

息子が剣道を始めたことで40歳過ぎてから自分も剣道を始めた人間なのである。
ヤツは別の道場に通ってるはずなのに・・・。

マサヒコ「たまたま来たバイ、尚志がやってると聞いたから・・・オイ軽くもんでやるゼ！」

年取ってから始めたとは言え、ヤツも10年やっているから４段の腕前なのだ。

しかし少年期のイメージは未だに僕を支配している。
尚「なんで、卓球部のお前なんかに負けるかよ、アホッ！」

お互い基本運動をし、その後、剣を交える。

何故かいつもより気合が入っているのがわかる。

そう、練習なのに簡単に打たしてはくれないのだ。
そしてお互い「こいつ案外強い。」と思ったみたい。

桜木先生はそんな二人を見逃すはずもなく、稽古が終わるやいなや、
「この二人は50歳を過ぎて初めて剣を交えた。」
「今日はお前たちの気迫が伝わったいい稽古だったな。」と
みんなの前で褒めてくれた。

たしかに50歳も過ぎてマサヒコと真剣に戦ってるなんて想像もしなかった。

稽古終了後、二人は当たり前のように飲みに行った。
そして二人揃って言ったこと。

「お前の方が強かった！」

これからの稽古の楽しみが増えた。