天台寺門修験

修験道の教義は如何に

修験第五十二号 質疑応答欄①- 十界の内「天」の境界について -

2012年08月15日 10時25分46秒 | 修験問答

 

 問・・・ 十界の内「天(てん)」の境界について御説明(ごせつめい)が承はりたく存じます。(白子生)

 答・・・ 天(てん)と云ふのはもとより仏教の思想であつたと云ふよりも、仏教より古い婆羅門(ばらもん)の神々を天と名けたのであります。それは人間が地面に住してゐるに対して婆羅門の神々の住居を、須弥山(すみざん)と云ふ高山(こうざん)や、又は蒼空(そうくう)に住してゐて、人間とことなる美妙(びめう)の飲食をなし勝(すぐ)れた境界であるとなした説を、仏教でもこの婆羅門の神々を排斥せずとり入れて人間の上の境界となし、更に其上(そのうえ)に仏道修行(ぶつどうしうげう)の声聞(せいもん) 、縁覚(えんがく) 、菩薩(ぼさつ) 、を置いたものであります。精神的に考へて見るならば、足(た)ることを知つて軽安自由(けいあんじいう)の境界を得たものと見てもよろしい。天については欲界(よくかい)の六天、色界(しきかい)の十八天、無色界(むしきかい)の四天等の種類が説かれてゐますが、こゝでは略することゝ致します。


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