故 直林敬煩 監修
吉田光俊 編
第二章 宗学の組織
第一節 圓三学
宗学の組織
宗学(しゆがく)の組織とは佛教の目的である「転迷開悟(てんめいかいご)即ち成佛(ぜうぶつ)の理想に到達するに必要な、知識(哲学)と実践(宗教)と宗教生活の方法(倫理)との相互関係(さうごくわんけい)の次第秩序(しだいちつじよ)を意味するものであります。佛教が佛(覚者(かくしや))と法(達磨(だるま))の合成を語義(ごぎ)とするならば、宗学ー宗門(しゆうもん)の教学ーはこの上に開祖(かいそ)の佛教に対する批判(教判(けうはん))と独特の哲学が加へられたものと見なければならぬ。いま曩祖立教(のうそりつけう)の本旨(ほんし)に則(のつと)つて、宗学全般(しゆうがくぜんぱん)の組織を眺(なが)めることにする。この宗学を組織する根本(こんぽん)の体系(たいけい)が必要であつてそれは即(すなは)ち圓三学(えんさんがく)である。
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