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霧ヶ峰自然保護センター 自然情報ブログ

自然情報・登山情報・イベント情報・霧ヶ峰パークボランティアの活動など霧ヶ峰の今を伝えます。

久しぶりの…雪!!

2020年11月30日 | Weblog
先日霧ヶ峰に雪が降りました。

〈車山肩から車山山頂付近〉

積雪は2センチほどでしたが、キュッキュッと久しぶりに雪を踏みしめる
感覚に嬉しくなりました。

〈車山肩の積雪の様子〉

あたりを見回すと、木々には霧氷が付き、笹の上にはつぶつぶの雪が乗っています。
陽を受けると、木の枝が透き通ったガラスのような質感に見えます。
今までは通り過ぎていた景色も、雪の日はまた違った景色に見えて新鮮です。






この日はしばらくすると雲が厚くなり、パラパラと雪が…。
一層寒々しくなり、冬ならではの光景が広がりました。

〈車山北側斜面の霧氷〉


〈車山湿原〉

この写真に写っているピンクテープを巻いた竹竿は天然記念物境をしめすものです。
11月中に霧ヶ峰パークボランティアの皆さんと行政関係者、センター職員とで設置
したのですが、冬は積雪があっても天然記念物内(八島ヶ原・車山・踊場湿原)には入
れませんのでご注意ください。

ちなみに雪は翌日にはだいぶ溶けていましたが、日陰や登山道脇には少し残っていました。

〈鷲ヶ峰付近の登山道〉

周りの山々は粉砂糖をはたいたように雪化粧です。

〈蓼科山・北横岳方面〉


〈浅間山〉

日差しはあってもこれからの時期は気温が低く風が冷たいので、服装や休憩場所
など工夫して散策してくださいね。

秋、秋、秋。

2020年11月03日 | Weblog
晩秋の夕暮れは、冷たい風と西日と、どこか寂しい気持ちになります。
でも、歩いてみると…。


葉を落とす前に黄金色に、そして陽を受けて一層輝くカラマツ


八ヶ岳の裾野は黄葉が広がり


影がなが~く伸び


葉を落とした樹に光が当たって暖かな色に


足元にはたくさんのミズナラの落ち葉がカサカサと

…と、いろんな秋の景色に出会えました。

樹叢を歩いていると葉を落としてすっかり見通しが良くなったことに気づきました。
すると、どこからともなくコツコツと音が聞こえてきます…。




アカゲラです!久しぶりの遭遇で嬉しくなりました。
これからの時期はキツツキの仲間やカラ類と呼ばれる小鳥たちが
見つけやすくなりますね。


何もないような晩秋の景色ですが、植物も動物も命を繋いでいます。
歩いてみると発見があって、自然の移ろいを実感しますね。

最後に、霧ヶ峰自然保護センターは今年も11月16日から冬期閉館となります。
休館前に是非センターにお立ち寄りください。

周りの山々が初冠雪です

2020年10月19日 | Weblog
山々が白く雪化粧しています。昨日10月18日に初冠雪の山が多かったのではないかと思いますが、
センター周辺からよく見える八ヶ岳は、雪の白さがくっきりと目立ちます。



〈八ヶ岳、赤岳と阿弥陀岳〉

富士山はもちろんのこと、南アルプス、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプスと
どこを見ても真っ白。昨日までの景色とは一変です。

〈北アルプス、穂高岳・槍ヶ岳・常念岳の辺り〉


〈南アルプス、仙丈ケ岳〉

霧ヶ峰のお隣、美ヶ原でも積雪が見られました。
(美ヶ原は霧ヶ峰より標高が少し高く2000m程あります)
霧ヶ峰では積雪はなかったようですが、薄氷や霜柱を確認しました。
このまま気温が低い日が続けば、いよいよ冬本番でしょうか。


さらに昨日朝は雲海が広がり、センターに来られたお客さんも「見事な雲海だった」と
おっしゃっていました。麓の町に覆いかぶさるように雲が広がっているのですが、
眼下に広がる雲を眺めるのも不思議な気分です。

上空の雲の形も面白く、最近ついつい空を見上げてしまいます。
こちらは先日見られた雲の様子です。




巻積雲は、いわし雲、サバ雲、ひつじ雲など、様々な生き物に例えられています。
今朝見た雲は、私には揚げパンみたいに見えました!


変わりやすい秋の空ですが、少し立ち止まり、雲の形や動きをゆっくり眺めて
みるのも楽しいかもしれません。

樹叢の紅葉が見頃です

2020年10月13日 | Weblog
紅葉シーズン、霧ヶ峰では草原全体が茶色くなり、その中に紅葉した木々が
とても映えます。

センターの周辺ではミズナラやカエデなどの広葉樹が、黄色や赤と
色鮮やかで、思わず近くに寄ってみたくなります。




葉を落とす前の色づきは、この時にしか見られない光景ですね。

車山湿原では、車山北側斜面の木々の色づきがとても鮮やかで目に飛び込んできます。


それにしても木々はちょこちょことしか生えていませんが、どうしてでしょうか。

霧ヶ峰には風などの影響を受けて木が育たない場所もありますが、
主には、もともと木が生えていたところを伐採し、古くから採草地として
利用してきたからです。
車山北側は傾斜があり、草刈り場として適さなかったため
今も木々が残っていると言われています。



さて、レンゲツツジの葉も炎のような色合いです。
このレンゲツツジは、森林化への第一歩とも言われていますが、
これから先、未来の霧ヶ峰はどんな光景が広がっているのでしょうか。

さらに湿原を歩いていると、ノビタキに遭遇しました。
ノビタキはオスが黒と白い色ですが、秋になると全体が茶色になります。


目元には黒色が残っていて、夏とは違う秋の装いですが、
そんな彼らが見られるのもあとわずか。
もう南の国へと移動している頃です。
霧ヶ峰では例年遅くとも11月末頃には姿が見えなくなってしまいます。
ちょっと寂しいですね。

最後におしらせです。車山湿原は現在木道の整備を行っているため、
車山肩から湿原へと下った辺りで工事車両が出入りしていることがあります。


通行は可能ですが足元に気を付けて散策してください。

色付く湿原

2020年09月27日 | Weblog
最低気温が10℃を下回ることが多くなったここ一週間の霧ヶ峰では
草の紅葉が一気に進んできています。

霧ヶ峰にある3つの高層湿原の今朝の様子は
一番南に位置している踊場湿原


車山の北側に位置し、一番標高の高い場所にある車山湿原


霧ヶ峰の中では一番北に位置している八島ヶ原湿原


湿原によって草紅葉の様子は微妙に異なっています。

静かな湿原を歩いていると、草むらがガサゴソとしたかと思うと野鳥が飛び出してきます


昨夜の雨の名残が草花に滴となってキラキラとしていました


名前の由来だとも言われる真っ赤に紅葉したイワアカバナ


朝の静かな湿原では、夏とは違った心に響く出会いがあります。

※今年はドングリの出来が良くない様です。霧ヶ峰より下の方で熊の情報も出てきていますので、
 早朝や夕刻過ぎに散策や登山を、お一人でされる場合は気を付けてください。


秋深まる霧ヶ峰

2020年09月21日 | Weblog
みなさん秋といえば何を思い浮かべるでしょうか。
紅葉、木の実、ススキ、秋の七花、虫の音色…。
霧ヶ峰にもいろんな秋の姿がありますが、夕方忘れ路の丘を歩いてみると
ススキの穂が風でサラサラと音を立て、陽の光を受けて白く輝いていました。


空気が冷たく、気温は10度ほど。手が冷たくなるほどの寒さです。
少し寂しいような、秋の独特の空気を感じました。

花の種類はだいぶ少なくなってきましたが、この時期ならではの花が咲いています。
ヤマラッキョウは、すっと伸びた細い茎の先に、まあるく花を咲かせます。


あちらこちらでポツポツと見られるのですが、色合いと姿かたちが目立ちますね。

先日の花の名札付けの作業で、ボランティアさんが園地で見つけたリンドウ。
霧ヶ峰で秋の終わりに咲く花のひとつです。



閉じていても端正な形をしています。
夕方など暗くなると閉じてしまいますが、これはこれで眺めていても飽きないですね。

花を咲かせて受粉が終わった植物たちは、種をつけて、また新たな命へつなげていきます。
綿毛で風に乗るもの、動物の体にくっつくもの、ぱらぱらと地面に落ちるもの…。






植物たちは自分で動くことはできませんが、いろんな手段で種を移動させる術
を持っています。
まるで考えを持って行動する生き物のようです。

今回載せた種の写真が何の植物かは、ここには書きませんので、ぜひ探してみてください。
何かわからず気になった方はセンターに質問しに来てくださいね。


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踊場湿原の草紅葉

2020年09月02日 | Weblog
踊場湿原で草紅葉が始まっています。
草紅葉は「くさもみじ」と読みますが、どんな草が紅葉するのでしょうか。


踊場湿原では湿原内にヤマドリゼンマイなどのシダ植物が生えています。
ヤマドリゼンマイは春先に出始め、夏頃には青々としています。
秋になると黄色から赤茶色、そして焦げ茶色へと変化していきます。


今年は紅葉が進んでいて、例年より少し早い見頃になりそうです。
静かな踊場湿原の、草紅葉を眺めていると、ススキの揺れる音が心地よく、
自然の中にすっと溶け込んでいくような気分になります。

〈踊場湿原を望む〉

ところで、画家、東山魁夷の描いた絵画で、散りゆく落ち葉を描いた作品があります。
地面に敷き詰められた葉は、落ちて間もないようで、輝くような鮮やかな黄色。
葉はやがて土に還る運命ですが、散り際に輝くその様子が、
私にはとても力強く思えました。

植物が色鮮やかに紅葉する様子はドラマチックで感動しますが、
それは色の変化、というだけではなく、そこに命を感じるからかもしれません。

〈過去の様子 ミズナラとカラマツの紅葉 沢渡〉

霧ヶ峰では木々の紅葉は少ないのですが、様々な植物が紅葉していきます。
そんな植物たちの姿を是非見てほしいなと思います。

ちなみに、茅野市にある御射鹿池は東山魁夷の代表作「緑響く」のモデルとなった場所
として有名ですが、霧ヶ峰にある八島ヶ原湿原も絵の題材として描かれています。
その絵は、水辺に白い馬が佇んでいる絵なのですが、
湿原を歩くと感じられる、静かな時間が流れているような印象を受けました。
八島ヶ原湿原を歩いたことのない方は、是非一度歩いてみてくださいね。


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タムラソウやキクの仲間が咲いています

2020年08月29日 | Weblog
7月上旬頃から咲いていたノアザミも、そろそろ終わりが近づき、
白い綿毛が風にフワフワフワ…。


そのノアザミに替わって同じ色のタムラソウが多く咲いてきています。



ノアザミとの違いはいくつかありますが、よく見ると、
ノアザミには葉にトゲがあり、トゲトゲしています。
タムラソウにはトゲがありません。葉の形も違います。

園地にはミヤコアザミの姿も。


こちらは小さめの花がいくつも集まり、繊細ですが華やかな印象の花です。
電気柵の範囲を昨年から拡大した効果か、タムラソウやミヤコアザミがよく咲いていますね。

キクの仲間もたくさん咲いています。
ノコンギクは山野でよく見られる種類の花ですが、園地でもよく咲いています。


ゴマナは白い細めの花びらがブーケのように集まっています。


他にもシラヤマギクやシロヨメナなども…。
盛夏に比べて数は少なくなってきた花々ですが、秋にしか咲かない花もあります。

昼間はまだ汗ばむ陽気でも、朝晩は気温が下がり、最低気温が15℃を下回る日も。
夕暮れ時に歩くと、風が冷たく、少し寂しいような秋の気配を感じます。
日々の暮らしの中でも季節の移り代わりは感じられますが、
自然の中だとより一層季節の移ろいを実感します。

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マツムシソウとヤナギランが見頃です

2020年08月23日 | Weblog
ススキが穂を出し、草原が次第に秋の姿へ変わっています。
お盆は人出が多かったのですが、それも落ち着き、少ししんみりとする夏の終わりです。


夏の終わりの草原を彩る、元気な色の花、ヤナギラン。


レンゲツツジの低木に負けないよう、上へ上へと丈を伸ばしています。


下から順に咲く花は、少しづつ上の方へと咲き進んでいきます。
夏の終わりのカウントダウンのようですね。

秋の花もたくさん咲いています。

〈マツムシソウ〉

個人的にとても好きな花です。この色合いが何とも言えず綺麗です。
8月上旬から咲き始めていますが、花期が長いのでまだ楽しめそうです。




〈ワレモコウ〉
小さな花が密集し楕円形になっています。秋の花ですが、ギザギザした
葉っぱを揉むと、「あれ?スイカみたいな匂い!」
爽やかな香りが夏を感じさせます。


〈キンミズヒキ〉
垂れ下がった形が面白いですが、種が意外な形をしていて面白いんです。
是非観察してみてくださいね。

花がまだいろいろと咲いているこの時期は、チョウたちの姿も頻繁に見かけます。


〈ギンボシヒョウモン〉
撮影していると別のギンボシヒョウモンが飛んできて横取りしていました。
蝶にも縄張りがあるのでしょうね。


〈シータテハ〉
表の鮮やかなオレンジも綺麗ですが、裏の複雑な濃淡の黒も素敵です。
姿が似ているエルタテハとは、違いがいくつかあるのですが、
その一つが「C」シーの文字に見える模様!

〈白い「C」が分かるでしょうか〉
ちなみにエルタテハは「L」の字に見える模様があります。

最後に、シシウドの中にこんな子いました!


キアゲハの幼虫ですね。
これから成虫になるチョウもいます。
近くには鳥がたくさんいますが、彼らに食べられないよう大きくなれるといいですね。
(食べられるのも自然の摂理ですが)

夏の空と秋のはじまり

2020年08月15日 | Weblog
各地で35℃を超える猛暑日が続いていますね。
霧ヶ峰では日差しが暑いものの、時折吹き抜ける風が涼しく感じます。

車山湿原を歩いてみると、草原が少し茶色になっているのに気づきました。
写真では分かりにくいのですが、シダ類が色づいています。

〈車山湿原〉



咲き終わった花が枯れ、真っ白な花を咲かせたコバイケイソウは真っ黒に。

〈コバイケイソウ〉

草花が枯れていき、次第に秋の景色へと移り変わります。

春、夏、秋、冬と季節は分かれていますが、自然は日々変わっていきます。
そんな自然の中で時間を過ごすと、今日という日は一日しかないんだ!と
当たり前だけど大切なことを気づかせてくれます。

歩いていると、いろんな花や蝶に出会えました。

〈マルバダケブキ〉


〈ヨツバヒヨドリにとまるアサギマダラ〉


〈ウスユキソウ〉

葉っぱに小さな卵を発見!何でしょうか?


さて、車山湿原から蝶々深山山頂へは、沢渡方面との分岐から15分ほど。

〈分岐から蝶々深山方面〉


〈蝶々深山山頂〉


〈山頂から車山方面〉

風が気持ちよく、真っ青な空と白い雲が眩しいです。
空はまだ、夏真っ盛り。

日差しを遮る場所は少ないので、紫外線対策や水分補給は必須ですが、
少し歩いてみるといろんな発見がありますよ。