きらくなたてものや

楽しむ、楽しい、いえづくり、まちづくり

隠れない

2005年10月31日 | 目黒か邸
伝統構法で隠れない場所といえば、小屋(屋根の構造体)の部分もそのようなことが多い。
そのほうが空気環境が気持ちよいし、また構造体そのものが意匠上美しいので、そもそも隠すのがもったいない。
構造体がしっかりと見える安心感もあるのではないだろうか。
あるいは天井を貼るにしても、いつも厚板を貼るのでロフトにしてしまえばいい。

なお、写真の下のほうに見える突起物は伝統構法ならでは。
渡りアゴといわれるもの。
渡りアゴもうまくデザインすれば、おもしろい。

はみだしたけ

2005年10月31日 | 目黒か邸
後から内法の材を入れたので、小舞竹がはみ出している。
もちろん後から中塗りでふさぐことになっているが、
これはこれで野性的な雰囲気でよかったりして。

そういえば、よく左官屋さんにいくと、見本として竹小舞下地から仕上げまでの工程が分かるように竹小舞から少しずつずらして塗り重ねていくサンプルがあるが、それに少しだけ似ている。
あのような中のしくみが分かる図やサンプルって昔から好きだ。
きっと好奇心をそそるものであるということと、中がどうなっているかが分かる安心感なのであろう。

伝統構法の場合、構造体も含めて隠れるところが極めて少ない。
職人の技が問われる理由でもあるし、また建物側が作り手の姿勢に影響を及ぼすことは間違いない。
作っている間、自分の身の回りの材を傷つけないように、十分に気を使う必要があるからだ。
とくに、電気屋や設備屋などのたまに入る業者にとっては、とてもやりにくいかもしれない。
しかしそうした緊張感の連続が、よい家に結びつくと信じている。

素直にうれしい

2005年10月28日 | 目黒か邸
今日の夕方、K邸の現場にて。
通りすがりの自転車に乗ったおばさんに話しかけられた。
近くに住んでいる方で、この現場の前をよく通るらしい。

この現場の様子を毎日楽しみにしているんです。
とくに竹小舞の様子を孫に見せたかったわあ。
あそこに何が入るの?
焼杉すてきねえ。

などといったことを話してくれた。

お世辞かもしれないが、素直にうれしい。

家づくりは、そのまちにとって一つの「事件」。
どうせだったら、過程を楽しんでもらえるような事件がいい。