未完小説
全世界を熱狂の渦に巻き込んでいる未完小説!
絶賛の嵐と熱狂的な要望に応え!お届けする驚愕の第四弾!
『ニューロマンカー』
ノイズゲイトを抜けて「グランド・アニマ」の中央ポッドに超高密度解像PCMホログラムの5年前の僕自身を送り込んだ。
ナビは、サイドカーに乗った相棒のジョニー・Mだ。敵の衛星スキャナーを攪乱させるためにジョニー・Mは狂ったように空中でサイドカーを走らせて、位置を特定させる事を防いでいる。
5年前の僕自身は骨格手術と皮膚移植をする前で、まだ日本人的な外見をしていた。鼻梁線や腰骨あたりにアジア系人種のニュアンスがあった。ホログラムは忠実に再現していた。
僕自身の実体は「グランド・アニマ」の水銀ノヴァ・ネオンの混濁した神経を逆撫でされるような熱気と色彩より、高度五百メートル上空に仮設された逆ピラミッド型のワークイットセルフ記念館のロフトから迷彩色の軍用のピッチベンドつきホロ・コントローラーを、操作している。
あらかじめ「グランド・アニマ」の中央ポッドのサーキット・ホールにある巨大な球形発光ダイオード・スポットライト群のひとつに秘かに取り付けた多角度ヴィウ・スキャナーを唯一のたよりにだ。
ジョニー・Mはサイドカーでワークイットセルフ記念館あたり一帯をメチャクチャに走り回り、敵の衛星スキャナーを攪乱させると同時に、僕の作業をナビしてくれている。
僕は、ジョニー・Mから時折入ってくる音声信号を確認しながら、仮設ロフトの中で、まるでセミの抜け殻のようにしてニューロ・モニターにしがみついている。視神経にダイレクトに押し寄せてくる立体映像の波。
5年前の僕のホロは煙りと喧騒とウルトラ・ハイ・サイケデリック・ファッションの渦に入っていく。僕はピッチベンド・コントローラーでホロの動きを加速する。
その時、ジョニー・Mから、ノイズ入りの音声信号が入った。受信機はレッド5を点灯した。僕は焦って叫んだ。
「いったい、どうしたんだ!ちゃんとナビしてくれ!」
すぐに、ジョニー・Mは僕の聴覚に音声データを暗号化して送り込んできた。
「・・・サイドカーがパンクした・・・・」と、ジョニーは言った。
サイド・カーが・・・パンク・・・
サイド・カー・パンク・・・・・・・・
サイドカーパンク・・・・・・・・・・・
サイバーパンク・・・・・・く・くるしいか・・・
未完!
未完小説。それは最初から未完として!未完を目指して書く小説!
必ず未完で終わらせる事・・・・・・決して完成しては・・・イ・・ケ・・・ナ・・・イ
This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)