君影荘日記

東京の片隅の、小さな家の日記です。

花模様の鉄瓶

2011-10-13 09:59:31 | 古いもの
花模様の鉄瓶
 最近、起きぬけに白湯を飲む。朝、汲みたての水を鉄瓶で沸かすのだ。鉄分もとれていいように思う。心なしか電子レンジで温めたものより美味しい気がする。
 この鉄瓶は、前に住んでいた千歳船橋の馴染みになった古物屋さんで手に入れた。当時、NHKの「美の壺」と言う番組で鉄瓶のテーマの回があり、ちょうど欲しくなっていた頃だった。店先に鉄瓶がおいてあり、手にとって眺めていた。ちょっと小さいかな、錆びて汚いな。そんな時、お店のおじちゃんが声をかけてきた。「鉄瓶は素手でさわっちゃダメだよ。手油がつくからね。」「鉄瓶が欲しいのか。そのうちもっといいのが出てくるから、待ってな!」それからしばらくたって、この鉄瓶が店先に並んでた。おじちゃんは、満面の笑みで言った。「これはいいものだから買うといいよ。オークションで手に入れたんだから。」と。確かに可愛らしい菊の花模様は珍しいし、大切に使われたのだろう、表面は味わいのある艶がある。
 その時から日本茶を入れるときはこの鉄瓶で湯をわかす。強火は厳禁なので、弱火でゆっくりと。待つ時間も楽しくなる可愛らしい鉄瓶。毎日使うと中に湯あかがついていいのだって。そして布巾で表面をひと拭き。そうすると中も外もいい感じに変わっていくらしい。正に、鉄瓶を育ててる感じ。もちろん素手では触らないよ。(ゆ)


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