実家の片付けをしていて、本棚のなかに見つけた一冊。
母は、若い頃、暮しの手帖を買っていた。私が小学生になった頃には、既にかなり昔のバックナンバーとなっていた二十冊くらいが部屋の上の方に取り付けられた棚の上に並んでいた。小学校三年生くらいからその棚から雑誌を抜き出しては読むようになった。生活の工夫や人形の作り方などの手芸の記事は、小学生にもなかなか興味深かった。この雑誌の記事通りに人形を作って、夏休みの宿題にしたっけ。
次々に読み進めたが、この号だけは、私の興味をひくものが全くなかったので読んでいない。一冊全部が戦争の記録と言う前代未聞の特集号だったので。
母は、この一冊だけ残していた。花森安治のメッセージ通りに。
花森安治と母の思いから私の手元に来たこの一冊。きちんと読んでみたいと思う。(ゆ)