日本政府が、中国の過去のトリチウム放出量を調査して福島第一原発(事故原発)の処理済み冷却水に含まれるトリチウムより、中国のトリチウム放出量の方がはるかに多いと主張してあたかも福島の処理済み冷却水の海洋投棄について中国にあれこれ批判される筋合いはない、問題はないとの言論を展開しているが、これは間違いです。
トリチウム含有冷却水の海洋投棄は海洋汚染です。
原発は海洋汚染、地球温暖化の原因になるからやめようと考えるなら日本は健全ですが、信じられないことに今後日本のエネルギーの中核技術として原子力をすえると言うのですから日本には環境保全・改善意識がないと言わざるをえません。
原子力利用については外国との比較論ではなく、人間にとって安全かと考え、危険と思うなら外国が原発を稼働していても日本はやめるという政治が大切と思います。
世界を見ると原発なしの国は多いと思います。現発を利用してきたが、危険だからやめたという国にドイツがあります。原子力の問題に目をつぶる日本は異常だと思います。
福一の処理済み冷却水については、原子炉あるいは燃料棒が溶解してできたデブリの冷却に循環使用する、冷却に新しい水は使わない、雨水が原子炉などに流れ込まないように原子炉などを完全密閉系に入れるなどの工夫努力をした上で、どうしても海洋投棄せざるをえない汚染水について海洋投棄は悪いことだとの認識のもとに国際原子力機関の許可を受けて実行するというのが良識ある行動と思います。
福島県の漁業者などは、処理済み冷却水の海洋投棄に反対していることを日本政府は知るべきです。日本人だって福島県沖の魚を食べたいと思いません。
なお、福一付属の港の中で取れる魚は、安全基準をこえる放射能が今でも検出されます。原因は処理済み冷却水ではありません。原子炉などから流出してくる汚染水が原因です。原子炉などを密閉系に入れていないからです。当然のことながら港周辺でとれる魚も危険です。汚染魚は遠く福島県沖に移動するかもしれません。福島県沖でとれる魚は不安ということになります。東京電力、日本政府は、福一を危険状態からできるだけ早く安全状態にする責務があります。その責務を果たしていないと思います。防衛費増額をやるならその前に福一を安全にしてほしいと思います。