東京カンテイという民間の情報サービス会社が発表している調査に全国の主要都市
の中古マンションの価格調査というのがある。8月に発表された数字は新聞にも載って
おり、「中古マンションの価格底入れで不動産市況も改善か?」などとヘッドラインが
踊った。実際にその調査内容を見てみよう。
上のグラフは首都圏、近畿圏、中部圏の3大都市圏の中古マンション価格の調査で、
首都圏の数字がピクリときているのが分かる。調査は70m2以上のいわゆるファミリータ
イプのマンションを調べていて首都圏だけを取り出すと下の表のようになる。特に東京
都が前月比で2.2%の上昇となっており、これだけを見ると底入れしたような気もするが、
実のところ、チャートを見て分かる通り首都圏は7ヶ月連続で下げ続けており、これが
下げ止まったのか、それとも急落が終わったのかはまだ判断できない。表には前年同月
比も載っているが前月比で上昇でも前年同月比では10.1%の急落となっており、いかに
ここ半年の下落が凄まじかったかを物語っている。(表は一部省略してある)
前回の都道府県地価調査でも述べたことだが、神奈川、埼玉、千葉などに比べると
東京の下落がかなり大きかった。8月の神奈川の前年同期比が-6.4%、埼玉で-5.4%、千
葉では-2.0%である。それに比べると東京が10%を超えるというのは換金売りが多かった
ということを示しており、投売りによる地価の下落。とりわけ換金性の高い場所ほどよ
く下がったということを改めて確認できると考えられる。またこの調査に関しては別に
客観性がないとは思わないが、データの質も検討する必要があるだろう。下の表は更に
サブセグメントの数字を示したもので東京23区、横浜市及び千葉市の状況が載っている。
なお、8月のみの数字に修正している。
これを見て気がついたのだが、8月の4028というのが平均価格で70m2当たり4028万円
という数字だ。一方で18.0というのは平均築年数で18年であることが分かる。平均で18
年ということは結構古いマンションを含んでいると考えたほうが良いだろう。私もよく
中古マンションの市況のチェックをよくやるが、投資対象としてはやはり築浅を見てい
て20年以上は対象から除外している。調査データは平均で18年というからには築浅もあ
るが相当古いマンションのデータも入っていると見るのが妥当だ。そうするとどの築年
数が動いているのかということはこのデータからはうかがい知れない。さらに注意を要
するのはこの調査は東京カンテイのデータベースに登録された「売り希望価格」のデータ
ということだ。つまり、取引価格ということではない。見方によっては投売りでオファー
価格が急落したが、実際に成約して高いオファーが残った為に価格が上昇していると見
ることもでき、手放しで喜ぶのはまだ早い。買い手のデータというのがデータベースと
して存在しないことから仕方のないことだが、やはり中古マンションの取引価格の推移
で見るのが良いのかもしれない。といってもないのだが。
の中古マンションの価格調査というのがある。8月に発表された数字は新聞にも載って
おり、「中古マンションの価格底入れで不動産市況も改善か?」などとヘッドラインが
踊った。実際にその調査内容を見てみよう。
上のグラフは首都圏、近畿圏、中部圏の3大都市圏の中古マンション価格の調査で、
首都圏の数字がピクリときているのが分かる。調査は70m2以上のいわゆるファミリータ
イプのマンションを調べていて首都圏だけを取り出すと下の表のようになる。特に東京
都が前月比で2.2%の上昇となっており、これだけを見ると底入れしたような気もするが、
実のところ、チャートを見て分かる通り首都圏は7ヶ月連続で下げ続けており、これが
下げ止まったのか、それとも急落が終わったのかはまだ判断できない。表には前年同月
比も載っているが前月比で上昇でも前年同月比では10.1%の急落となっており、いかに
ここ半年の下落が凄まじかったかを物語っている。(表は一部省略してある)
前回の都道府県地価調査でも述べたことだが、神奈川、埼玉、千葉などに比べると
東京の下落がかなり大きかった。8月の神奈川の前年同期比が-6.4%、埼玉で-5.4%、千
葉では-2.0%である。それに比べると東京が10%を超えるというのは換金売りが多かった
ということを示しており、投売りによる地価の下落。とりわけ換金性の高い場所ほどよ
く下がったということを改めて確認できると考えられる。またこの調査に関しては別に
客観性がないとは思わないが、データの質も検討する必要があるだろう。下の表は更に
サブセグメントの数字を示したもので東京23区、横浜市及び千葉市の状況が載っている。
なお、8月のみの数字に修正している。
これを見て気がついたのだが、8月の4028というのが平均価格で70m2当たり4028万円
という数字だ。一方で18.0というのは平均築年数で18年であることが分かる。平均で18
年ということは結構古いマンションを含んでいると考えたほうが良いだろう。私もよく
中古マンションの市況のチェックをよくやるが、投資対象としてはやはり築浅を見てい
て20年以上は対象から除外している。調査データは平均で18年というからには築浅もあ
るが相当古いマンションのデータも入っていると見るのが妥当だ。そうするとどの築年
数が動いているのかということはこのデータからはうかがい知れない。さらに注意を要
するのはこの調査は東京カンテイのデータベースに登録された「売り希望価格」のデータ
ということだ。つまり、取引価格ということではない。見方によっては投売りでオファー
価格が急落したが、実際に成約して高いオファーが残った為に価格が上昇していると見
ることもでき、手放しで喜ぶのはまだ早い。買い手のデータというのがデータベースと
して存在しないことから仕方のないことだが、やはり中古マンションの取引価格の推移
で見るのが良いのかもしれない。といってもないのだが。