さくら日記でございます。

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★読むと、静かにバーで一杯やりたくなってしまいました。 「片岡義男」さんの小説の世界

2020-03-12 06:08:02 | 「本」

お疲れ様です。
みなさまお元気ですか?

今日は本です。それも久々の小説
「片岡義男」さんの「ジャックはここで飲んでいる」です。

最近、何が忙しいのかはわかりませんが
慌ただしく日々が過ぎていきます。
なのでゆっくり小説でも読んでみようか!
と行きたいところですが
なかなか、時間がとれません。

ですが、先日行った、
いつも行きつけの
金沢のロックバー、スタージスで小説の話をしてから
短編でもいいからちょっと読んでみたい
無性にそんな心境になってしまいました。

なので、とりあえずということで
この本を図書館から借りてきました。


このスタージスという店、ドアをあけると
日常とはまったく違う別世界が広がります。
いろんばバーがあるとはいえ
こんな雰囲気は流石に他にはないだろうなっ
て感じです。

マスターの言葉では
もともと「片岡義男」の小説に出てくる世界
かっこよく、そのときのイメージが
お店をはじめるキッカケ
になっていた
そんな話をしてくれました。

特に彼の小説にはバイクの話がよく出てくるようで
その影響もあり
ホンダのはじめての450をはじめ


様々な旧車を楽しむ趣味へと
繋がっていったようです。

そして、会話では、
男がカッコイイと感じる世界を表現した小説
この「片岡義男」に限らず「開高健」なんかも
素晴しく、その世界に引きずり込まれ
読んでいると
思わず「ウイスキー」が飲みたくなってしまう

そんな話もありました。

さらに、それを語る先輩の言葉の響きには
ちょっとしたウキウキ感
が漂い
その温度が伝わったのか
私の興味は一気に小説の世界へ向かい始めます。


そして、一度読んでみたいと話していると
なんと、サントリーがバー向けに出版している
「ウイスキーヴォイス」
という冊子がお店にあって
そこに、「片岡義男」の文章が載っている
と教えてくれました。

なので、早速読んでみます。
そこには、こんな感じの言葉が綴られます。


「ハイボールのグラスのなかで、透きとおった氷が一つ
カタン、と、澄み切って涼しい小さな音を立てる。
この音を好きになったのは
二十代前半のことだった」

ちょっとした言葉ですが、
透き通った氷、その音・・・
自分の中にイメージが広がり、
とても、凄く心地よく感じてきました。

テレビでもない、映画でもない、
YOUTUBEの動画でもない、そして漫画でもない
この小説だけが持つ魅力、世界
あらためて感じたような気がします。

そのシチュエーション、人物、その場の音
匂い、流れる空気、その人物の拘っていること
並べればきりがありません。

小説の中の言葉が引き金となり
自分だけの専用の世界が広がりだします。
今更ながら、文字のパワーの凄さを実感です。

とまたまた前置き長くなりましたが
今日はその「片岡義男」の「ジャックはここで飲んでいる」
です。

これは短編の小説8つ描かれていて
さっと読める感じなので
バタバタしている私にもグットな本でした。

小説と言えば
思いがけないストーリの展開が
醍醐味でもありますが

わたしが思うに「片岡義男」さんの小説は
それとは別に、描かれる風景の合間の空気感
というか、ちょっとした余韻が
魅力ではないか
と感じます。

情景の描写があり
登場人物の会話、そして様々な出来事
それを紡いだ言葉と言葉の間に
ちょっとしたスペースがあって

そこに、小説を読んでいる私たちの
イメージが割り込んでいく

そんな感じです。

なんか、わったような
わからないようなことを書いてますが
小説の中から、もう少し引用してみましょう

「いい店なんだよ。
これと言って特別なものはなにもなく、
妙に凝ってるわけでもないけれど、
その代わりにあったのは、空気だよ。

俺を迎え入れてくれて、
すぐに心地よく包んでくれて、
そこから先はずっとそのままという、
素晴らしい空気だった。
必要なものだけが静かにそこにあった。

カウンターの手前にはふた組の客がいたから、
カウンターの奥の席に俺はすわった。

やや年配のバーテンダーが俺の前に来たから
バーボンはありますか、と訊いてみた。

銘柄を三つあげ、さらにふたつ追加したから
追加したふたつのうちのひとつを
僕は注文した。」

ほんの少しでも申し訳なのですが
こんな感じです。

こんな舞台から話は続きますがは、
ストーリは以外な展開へ進行して行きます。

先輩ではないですが、
思わず、バーで好きなお酒を飲みながら
ゆっくりと、その時間を楽しみたい
そんな気分になってしまいました。

ということで
今日はとりとめない話になってしまいましが
読むと、静かにバーで一杯やりたくなってしまいました。
「片岡義男」さんの小説の世界
でした。

 
 
 


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