東京 DOWNTOWN STREET 1980's

東京ダウンタウンストリート1980's
1980年代初頭に撮影した東京の町並み、そして消え去った過去へと思いを馳せる。

東京大学総合研究博物館小石川分館

2014-01-13 20:49:03 | 文京区
以前、このブログで紹介したことがあったのだが、東日本大震災による建物の被害があったようで、その修復のための長期休館を続けていた東京大学総合研究博物館小石川分館が、昨年末からリニューアルオープンしているというので、久し振りに見に行ってみた。展示も大幅に入れ替わって、常設展示として「建築博物誌/アーキテクトニカ」というものに変わったという。建築物については、興味のある方だと思うので、これは見てみたいと思って出掛けてみた。

東京大学総合研究博物館小石川分館
東京都文京区白山3-7-1
開館時間:10:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日:月・火・水(いずれも祝日の場合は開館)・その他博物館の定める日
入館料:無料
アクセス:地下鉄丸ノ内線茗荷谷駅より徒歩8分

開いている日を確認して訪問すること。アクセスはこの他にも、都営地下鉄三田線白山駅からも歩ける。但し、一山越すことになる。ロケーションは、小石川植物園の敷地の一隅であり、植物園見学と合わせての訪問というのも良いかもしれない。どちらの施設も、東京大学のものである。



入口、入って直ぐのところにはモンゴルのゲルが置かれている。まだ、何が見られるのかと思っていたところに唐突に置かれているのは、結構インパクトがある。


入口から中を覗いてみる。デジカメのお陰で、見た目よりも明るく写る。中には入れない。


そして、何よりもこの明治9年に本郷キャンパスに建てられた旧東京医学校本館の建物を見ることが目的。擬洋風建築といわれる、明治初期に和式の建築で作られた西洋スタイルの建物である。当時は色々な建物が造られたのだが、東京で現存しているのはここくらいではなかろうか。明治44年に赤門脇に建物の前半分が移築された。昭和40年に解体され、昭和44年に小石川植物園内の現在地に移築された。昭和45年に国の重要文化財に指定されており、平成13年から東京大学総合研究博物館として一般公開されるようになった。


入口は裏手に設けられていて、バリアフリー化されている。左手の円筒の中にエレベーターが設置されていて、二階にもアプローチしやすくなっている。


エントランス。


入場無料で、館内の撮影禁止とは書かれていない。他の見学者の邪魔にならないようにすればと言うことかと思う。館内はこんな感じ。


建物の見所としては、二階に上がると屋根裏が見えているところ。日本建築の技法で建てられていることが分かる。


建物中央の尖塔部の下側。かつては時計塔であったらしい。


二階の展示室の雰囲気。


こちらは一階でバルコニー下に出たところ。目の前には小石川植物園が広々と広がっている。


小石川植物園の池が眼前に広がる。今日は静かだった。この池では、昔散々ザリガニ釣りなどしたことがある。


外への出入り口。新しいアルミサッシとオリジナルの建具の両方がついている。


正面側の建物外壁。この建物が移築された頃、その事情も知らずに植物園に遊びに来ていて、遠目にはどこか中華風にも見える不思議な建物だと思っていた。


最後に、入口付近から。ガラス製の展示案内まで建てられていて、驚いた。常設展になると言うことだが、変化がないわけでもないだろうとも思うので、何か変わったらまた見に来ようかと思う。


展示のパンフレット。入口で配布されている。画像のリンクはパンフレットのpdfファイル。


入口で配布されていた冊子より。展示会場風景。


展示物の一部。


非常に数多くの建築模型が展示されていて、有名な建物が模型だが、数多く見ることが出来る。反面、やや食傷気味なところもある。かなり専門的な建築好きでないと、白い模型ばかり並んでいるのを見せられても飽きるというのか。かつての展示でも、敢えてそうしている様だったこととして、説明や解説はなるべく省こうとしていることが感じられる。展示を見て、学究的な理解を深めるというのではなく、膨大に並べられた展示物をそのまま感じて欲しいと言わんばかりなのだが、ある意味突き放しているようにも感じられるところ。私の建築に対しての興味の有り様からすれば、居心地は悪くないのだが。この擬洋風建築の建物を楽しむつもりで行くのが、正解という気がする。


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5 コメント

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はじめまして (m)
2014-01-23 13:59:13
こんなところがあるのですね。見に行ってみたくなりました。

建築に詳しい訳ではありませんが、上野にある「岩崎邸」も擬洋風建築かなと思います。
ガイドツアーもあって興味深かったです。

通りすがりのコメントで失礼しました。
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RE:はじめまして (kenmatsu)
2014-01-23 17:10:59
m様
コメント、どうもありがとうございます。

旧岩崎邸、あそこも素晴らしい建物が保存されていますね。明治29年築のジョサイア・コンドルという英国人建築家の手になる本格西洋建築の洋館です。擬洋風建築というのは、そういった外国人技術者がやってくる前の、明治初期の頃に日本人の大工さん達が日本建築の技術で見た目が西洋風(当時はそのつもりだった)で造ったもののことを言います。だから、造られていた時期も明治初期に限られたものです。その後は、外国人設計の西洋建築、そして日本人がその技術を身につけ、自力で西洋建築を造れるようになっていきました。
ですから、擬洋風建築は非常に希少で現存するものが少ないものです。

そんな貴重な建物ですが、入場無料でのんびり見学することが出来る良い環境です。ぜひ、訪問してみて下さい。お勧めします。
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視点を変えると面白い (マーちゃん)
2014-01-24 19:44:46
同じ所へ行っても視点を変えるとこんなにも違うのだと面白く拝見。私はもっぱら樹木や草木に注目しましたが。
今度行ったらこのような建物にも注意してみようと思いました。ありがとうございました。
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ありがとうございます。 (kenmatsu)
2014-01-24 20:03:19
マーちゃん様
どうもありがとうございます。
家の回りの見慣れた景色も、ちょっと違う視点で見直すと新鮮に見えたりします。すぐ近くなのに足を踏み入れたことのない路地を歩いてみたり、というのも面白いものだと思います。
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失礼しました。 (m)
2014-01-24 23:55:13
返信ありがとうございます。

ずーっと前、藤森照信さんの「建築探偵」シリーズを読み,その後で擬洋風建築について書かれた本を読んだので,定義がごっちゃになっていました。

そういえば岩崎邸を見に行った時、ツアーガイドさんが「トイレがないんです」とおっしゃっていたのですが、
帰宅してから検索してみると、2階にある、と書いているブログがたくさんヒットして不思議に思った記憶があります。。

返信は不要です、長々とすみませんでした。
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