黒田記念館は、我が国西洋絵画の父ともいわれる黒田清輝の大正13年の没後に、彼の遺産の一部を美術の奨励に役立てるようにという遺言によって設立されたもの。昭和3年に上野公園内に竣工した、この時代らしいスクラッチタイル貼りであり、イオニア式の列柱を配した外観が特徴的な建築である。平成19年から東京国立博物館に移管され、平成24年から耐震補強とリニューアルを兼ねた工事が行われてきた。このたび、平成27年1月2日に完成オープンを迎えたということで、見に行ってみた。
上野公園内、東京芸術大学の隣で、博物館動物園駅跡の向かいである。特筆すべきことは、観覧無料であること、特別室の公開が年間3回に限られていること。詳細は、黒田記念館のサイトを参照して頂きたい。
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岡田信一郎設計、スクラッチタイル貼りの外観。左側が、芸大前の通りでそちら側に新しく造築を行い、カフェをオープンしている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/93/b79c6b3a187f50d1ff11b8904edbf0e1.jpg)
正面から見たところ。二階の大きな窓、イオニア式の列柱が分かる。現在は展示室は人口光源になっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/be/2a74ce82e23314be12a098d54513552f.jpg)
入口にも、黒田記念館のレリーフ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/b2/a4c658cf520dc8256cfabac2fad139ee.jpg)
玄関ホールの雰囲気。この建物自体が魅力的で、これを見るだけでも楽しかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/2c/21c9a25389088930495b7dc9b6316f13.jpg)
階段の窓も美しい。午前中の冬の日差しが差し込む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/91/0fb767ea7c75a8e7d1e9acde1a4797e3.jpg)
一階と二階の間の階段は木製で、カーペットが敷かれている。真鍮の棒で抑えてあるのも昔ながらの良い雰囲気。階段の手摺りが、入口のレリーフと同じモチーフになっている。
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黒田紀念室の入口には、中村不折による黒田記念室の文字。
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パンフレット、表紙は、特別室に展示される「湖畔」。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/5c/e9312d6bab318f57b473babb8bb37f12.jpg)
特別室には、「読書」「舞妓」「智・感・情」「「湖畔」が展示されている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/23/182884e0fd49a2da9af6336ee02d418c.jpg)
黒田記念室には下の様な作品があった。こちらは、時期によって入替があるらしい。
しかし、明治10年代からフランスへ留学し、正に本格的な西洋絵画を日本で始めた人物といっても過言ではないといえる。そして、展示を見ていると、単に最初の一人であったというのみならず、非凡な才能の持ち主であったことが感じられる。記念室の展示で、「昔語り」という作品の下絵や習作を見たのだが、繊細で細やかに組み立てられているところを見ていると、日本でのファーストランナーでありながら、ここまでのことをしていては、後続は大変だったのだなとシミジミを思った。
というのは、黒田よりも若い世代の岸田劉生は、木村荘八と出会った頃に、荘八が美術学校に落ちたことをむしろ喜んでみせて、黒田を代表とする上の世代への闘争宣言ともいうべき決意をしている。この黒田の足跡を見ると、劉生も荘八も、黒田が凡庸な才能しか持っていなければそこまでの意識を持つことはなかっただろう。黒田が巨人であったからこそ、劉生は闘争心を燃やしていったのだなということが理解出来た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/63/14da0776148123a1333e7da59a17e43e.jpg)
建物と記念室だけでも、充分に見る価値があるのだが、特別室の公開期間であれば、尚のこということなしである。今回は、1月12日まで。その次は、3月23日から4月5日までと10月27日から11月8日である。
上野公園内、東京芸術大学の隣で、博物館動物園駅跡の向かいである。特筆すべきことは、観覧無料であること、特別室の公開が年間3回に限られていること。詳細は、黒田記念館のサイトを参照して頂きたい。
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岡田信一郎設計、スクラッチタイル貼りの外観。左側が、芸大前の通りでそちら側に新しく造築を行い、カフェをオープンしている。
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正面から見たところ。二階の大きな窓、イオニア式の列柱が分かる。現在は展示室は人口光源になっている。
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入口にも、黒田記念館のレリーフ。
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玄関ホールの雰囲気。この建物自体が魅力的で、これを見るだけでも楽しかった。
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階段の窓も美しい。午前中の冬の日差しが差し込む。
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一階と二階の間の階段は木製で、カーペットが敷かれている。真鍮の棒で抑えてあるのも昔ながらの良い雰囲気。階段の手摺りが、入口のレリーフと同じモチーフになっている。
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黒田紀念室の入口には、中村不折による黒田記念室の文字。
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パンフレット、表紙は、特別室に展示される「湖畔」。
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特別室には、「読書」「舞妓」「智・感・情」「「湖畔」が展示されている。
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黒田記念室には下の様な作品があった。こちらは、時期によって入替があるらしい。
しかし、明治10年代からフランスへ留学し、正に本格的な西洋絵画を日本で始めた人物といっても過言ではないといえる。そして、展示を見ていると、単に最初の一人であったというのみならず、非凡な才能の持ち主であったことが感じられる。記念室の展示で、「昔語り」という作品の下絵や習作を見たのだが、繊細で細やかに組み立てられているところを見ていると、日本でのファーストランナーでありながら、ここまでのことをしていては、後続は大変だったのだなとシミジミを思った。
というのは、黒田よりも若い世代の岸田劉生は、木村荘八と出会った頃に、荘八が美術学校に落ちたことをむしろ喜んでみせて、黒田を代表とする上の世代への闘争宣言ともいうべき決意をしている。この黒田の足跡を見ると、劉生も荘八も、黒田が凡庸な才能しか持っていなければそこまでの意識を持つことはなかっただろう。黒田が巨人であったからこそ、劉生は闘争心を燃やしていったのだなということが理解出来た。
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建物と記念室だけでも、充分に見る価値があるのだが、特別室の公開期間であれば、尚のこということなしである。今回は、1月12日まで。その次は、3月23日から4月5日までと10月27日から11月8日である。
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