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東京 DOWNTOWN STREET 1980's

東京ダウンタウンストリート1980's
1980年代初頭に撮影した東京の町並み、そして消え去った過去へと思いを馳せる。

「今和次郎「日本の民家」再訪」瀝青会著を読む

2013-05-15 21:19:57 | 書籍
 前回の「日本の民家」今和次郎著に続いて取り上げるのは、「今和次郎「日本の民家」再訪」瀝青会著平凡社刊である。  前回、今和次郎の「日本の民家」を取り上げたのは、この本と併せて読んだからなのだが、それぞれに良さがあったので別々に取り上げることにした。この本は、今和次郎が旅をして訪ね歩いてから、ほぼ90年後に再訪し、今が見た民家がどこにあり、どの建物であるのかを特定していくという、地道な作業を積 . . . 本文を読む

「日本の民家」今和次郎著を読む

2013-05-14 18:24:17 | 書籍
「日本の民家」今和次郎著 岩波文庫刊を読んでみた。  今和次郎という人、その名前はもちろん前々から知っていたし、「考現学」の開祖ということも知っていた。だが、あまりに魅力であり、大きな存在であっただけに、踏み込むのを躊躇して来たという面があった。まず、手始めに、本書「日本の民家」を読んでみた。  明治21年青森県に生まれ、東京美術学校(現在の芸大)を卒業後、早稲田大学建築学科教授などを勤めら . . . 本文を読む

「日蓮仏教の社会思想的展開~近代日本の宗教的イデオロギー」松岡幹夫著を読む

2013-04-15 18:43:19 | 書籍
「日蓮仏教の社会思想的展開~近代日本の宗教的イデオロギー」松岡幹夫著 東京大学出版会刊  本書の内容については、アマゾンの商品説明を引用する。 「鎌倉仏教の祖師の一人・日蓮から影響を受けた近代日本の思想家たちが独創的な仏教的社会思想を展開したことを指して「日蓮仏教の社会思想的展開」と称し、その様相を詳細に考察する。」  もう少し詳しく説明すると、田中智学、北一輝、石原莞爾、妹尾義郎、牧口 . . . 本文を読む

「品川宿遊里三代」秋谷勝三著を読む

2013-04-06 19:04:57 | 書籍
 「品川宿遊里三代」秋谷勝三著青蛙房刊を読んでみた。面白そうだと思うと青蛙房の本だったと書くと、いかにも持ち上げているかのようだが、読んでみればこの本も大正っ子シリーズに入れたくなるような時代であり、内容であった。東海道第一の宿場であった品川という町の在りし日の姿を、その光景が目に浮かぶように描き出している。私の暮らしている板橋も江戸四宿の一つだが、やはり四宿の中でも品川は別格というべきなのか、賑 . . . 本文を読む

「東京アンダーナイト―“夜の昭和史”ニューラテンクォーター・ストーリー」山本信太郎著を読む

2013-03-27 21:32:15 | 書籍
東京、赤坂の夜を彩った伝説のナイトクラブ、ニューラテンクオーターの経営者による回顧談である。ニューラテンクオーターは、昭和34年に赤坂に開店した。そして、海外から一流のミュージシャンを招き、豪華なショーを売り物に、一躍東京の夜の顔となったことで知られている。さらには、力道山が刺された店でもある。その後には、同じ敷地内にあったホテルニュージャパンが凄惨な火災を起こし、その余波を受けながら、姿を消して . . . 本文を読む

「女中がいた昭和」小泉和子編を読む

2013-02-08 21:38:35 | 書籍
町を見て歩くということからは少し離れるが、我々の生活の変遷という点から見ると興味深いと思い、「女中がいた昭和」小泉和子編河出書房新社刊を読んでみた。 私は高度成長期に育ったのだが、ごく普通のサラリーマン家庭だったので、家族だけで暮らしていた。だけど、昭和40年代くらいにはお手伝いさんという存在は、それほど特別なものではなく、大きな家だとそういう人がいるという感じのものだったと思う。私の父方の . . . 本文を読む

「決戦~豊島一族と太田道灌の戦い」葛城明彦著を読む

2013-01-10 19:21:21 | 書籍
 本書は、江戸開府以前に後に東京になるエリアを支配していた豊島氏と、その豊島氏を駆逐していった上杉家の重鎮太田道灌の戦いに至る、その過程や領地などを解説した本で、面白かった。  「平安末期から室町期にかけて現在の都内二十三区北部~北西部にあたる地域を支配していた豪族・豊島一族は、文明九(一四七七)年から翌年にかけての合戦で、江戸城の築城者として知られる太田道灌に敗れ滅亡した。つまりは、新たに . . . 本文を読む

「ちよろぎ」白川晃著を読む

2012-12-22 18:38:54 | 書籍
「ちよろぎ」白川晃著帖面舎刊を読む  以前、「東京・遠き近く」で紹介した白川晃氏の「ちよろぎ」を都立中央図書館に行く機会があったので、読むことが出来た。僅かな部数ながら大切に製作された書籍というものであって、装丁も美しく、印刷は活版印刷で、隅々まで心のこもった本であることが手に取ると伝わってくる。  内容については、「東京・遠き近く」の際に引用して紹介しているのだが、現在の中央区湊という町名に . . . 本文を読む

「渋沢家三代」と東京

2012-11-19 23:32:30 | 書籍
佐野眞一氏の著書「渋沢家三代」は、渋沢栄一についての入門書としても丁度良いボリュームと内容を備えていると思う。人間としての渋沢家の人々を描いているところが面白いし、単純な偉人伝というわけではない、苦悩する人々の物語であるところも興味を惹く。 また、栄一の歩みは、日本の近代の歩みであり、東京の町の変遷とも重なってくるところが多い。本書には、渋沢家の住まい、職場など、東京の中の各所が登場してくるが、そ . . . 本文を読む

「明治大正昭和建築写真聚覧」藤井恵介・角田真弓編文生書院刊

2012-10-21 22:58:46 | 書籍
今回は文生書院刊藤井恵介・角田真弓編「明治大正昭和建築写真聚覧」(めいじたいしょうしょうわけんちくしゃしんしゅうらん)という写真集を紹介したい。先日、中央区立京橋図書館に日本橋蛎殻町について調べに行った際に見掛けて、地元の図書館でリクエストしてゆっくりと閲覧することが出来た。非常に内容の濃い本なので、出来ることなら欲しいのだが、少々高価な一冊なので、まだ手がでない。 内容は出版元のサイトより . . . 本文を読む