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エゴノキ


ギャラリー野の苑の片角にエゴノキがある。5月の連休頃にたくさんの白い花をつける。10年ほど前に、春の植木市で買ってきたものだが、その時はせいぜい高さは1mほどだったが、土地にあったのか、植木屋さんもうらやむほどに成長した。
このエゴノキの花、室内からもよく見える。白い花をながめるだけでもいいのだが、生き物の関係を見るのに実にいい。白い花が咲き始めると、ミツバチをはじめとして様々なハチなどがやって来る。その中で最も大きいのはマルハナバチだ。真っ黒くずんぐりしたハチで、大きさが小指の先ほどもある。真っ黒ずんぐりだから、“くまもん”みたいなハチでもある。ある年、白い花が満開の頃、数えきれないほどの群がった。知らない人は怖がったが、私はうれしいばかり。その後、2〜3年は同じように群がり、毎年楽しみにしていたのだが、ここ数年音沙汰なし。せいぜい数匹。どうしたのだろうと思う。今年も数えるほどだったが、どうにか写真におさめた。
花が終れば、釣り鐘状の実がつく。花がいっぱいなので、実も鈴なりだ。だんだんリンゴみたいな形になっていく。但し、大きさは1.5cmくらいか。これは測っていないので不正確。ところで、この実で魚を捕っていたという人がたまにいる。毒があるのだ。サポニンという毒を含むようだ。これをつぶして、小川に投げ入れると魚が浮いてきたのだという。人の話だ。それも昔の話。良い子は真似はしないように・・・。それと口にしないようにだ。
その実が熟れると、またおもしろい。ヤマガラが来る。ヤマガラは山雀と書く。スズメほどの小さな鳥だが、かわいい鳥だ。このヤマガラが3〜4羽、熟れた実を求めて入れ代わり立ち代わりやって来る。一つずつくわえては飛び去り、またくわえては飛び去る。これを実が無くなるまでくり返す。上手なヤマガラもいれば下手なものもいる。下手なヤマガラは、くわえ損なって草むらに落としてしまったりする。最後の最後、枝に付く実が全くなくなると、草むらに落ちた実を探しまわるということになる。どうにも人間社会をみるようだ。
庭にスペースがあるなら、エゴノキを植えてみることを薦めたい。生態系というものを意識するはずだ。


エゴノキの花とマルハナバチ
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