goo blog サービス終了のお知らせ 

HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

『ギリギリの二人』に明日はあるか?!

2005年10月13日 | タイ映画
 何気なくアジア映画専門店でパッと目に入り、気になって購入した私のタイ映画コレクション史のなかで最初に買ったまっとうな映画が、この『ギリギリの二人』だ。それまではフォークロア的要素の強い特撮映画やホラー映画をターゲットにしていたのだが、この映画をきっかけに思いっきりタイ映画にハマることとなったので今でも好きな作品の一つである。

 借金苦で自殺しようとあるビルに登ったギャンブラーの男は、そこで同じく自殺しようとしている女性と出会う。同じ心に傷をもつ同志、たちまち意気投合し「どうせ死ぬなら」とばかりにコンビニで万引きや高級車ドロボウなどの犯罪に手を染めていく。最初は軽い冗談だった二人も、ギャンブラーの男に金を貸していた賭博場のボスをカッとなって殺してしまったことから警察も動き出し、いよいよ事態は深刻になっていく…

 タイで起こった事件をもとに作られた、タイ版『俺たちに明日はない』といってもいい犯罪ラブストーリー。監督は『THE EYE』などで知られるパン・ブラザーズの片割れのダニー・パンで、この悲劇的な暴走カップルの行動をスピード感あふれる演出で見るものを釘付けにする。とにかく映像がオシャレだしカッコイイ!私が特に惹かれたのは主人公と行動を共にする女性の自由奔放さで、ちょっと優柔不断な主人公を強引に引っ張っていくサマは痛快。犯罪を終えたあと、車で待機している主人公に愛情表現とばかりに片乳をみせるシーンは最高にクールである。

 もしこの記事を読んで興味を持たれたら、タイ映画VCDも扱っているタイ雑貨の店『ニューロード』(http://newroad21.com/)で購入されたし。



 

パンナー師の最高傑作!

2005年10月08日 | タイ映画
 本日は、東京ファンタでの『トムヤムクン』上映が近づいている、トニー・ジャーの師匠として知られているパンナー・リットグライの、数ある監督・出演作のなかで傑作の呼び声高い(あくまでも見た人の中ではね)『PLUK MAN KUN MAA KAA』を紹介します。
 悪さをして村の人々から殺されそうになった霊媒師は、復讐として己の邪のパワーを用いて死者を蘇らせ、最強の魔人を作り出し村人を恐怖の渦に巻き込む。その話を聞きやってきた2組の討伐隊は魔人に戦いを挑む。しかし魔力により銃器などは使用不可、おまけに戦闘スキルが異常に高いため、魔人の攻撃により1人、また1人と犠牲者は増えていく。この最強最悪の魔人に勝つ術はあるのだろうか・・・?
 上映時間約90分中、2/3がパンナー師演じる魔人と討伐隊との戦いなのでタイ語が分からなくても十分楽しめる。そしてこの映画の見所は何と言ってもパンナー師の"器用さ"にある。ずっと同じ戦い方でなく、いろんな動きを見せてくれるのだ。戦う人によって中国武術みたいな動きを見せたかと思えば、ムエタイチックな動きも見せ、武器だって中国の剣、日本刀、半月刀、ヌンチャク、棍棒まで自在に使いこなす。武術指導に必要なすべての要素をパンナー師は備えているのだ。
 この映画では"死人"の役なのであまり関係ないが、田舎臭いおよそスター性に欠ける彼の顔を見れば、やっぱり裏方に回って正解だったなと思う。もともと裏方思考だったかもしれないが。トニー・ジャーが好きな人には一度見てもらいたい作品だ。彼の過剰ともいえるアクションのルーツが分かるはずだから。