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おじいちゃんの小さな疑問集(旧:おもりぽ)

「おじいちゃんがふと抱いた小さな疑問」を、載せさせていただきます。答えや共感や異論があればぜひコメントを!

片田舎町内会リポート.13

2007年02月04日 | Weblog
 面リポの追加更新に、大幅な間が空いてしまいました。1月早々から平日の夜のみならず、週末もままならない仕事的な状況が続いているもので…。

 そんな中、本日の日曜日あけぼのA丁目の役員会があり、来年度19年度の新役員を決める会でした。仕事は午後出にさせてもらって何とか出席したぼくですが、大変な事態に陥ってます! 1人、もしくは2人の妖怪おばばの陰謀により、来年度超多忙な役職を押し付けられそうなのですっ!。絶体絶命のピンチなのですが、これについて詳しくは、現在進行中の町内会リポートの話しが、今の2月に追い着いたあかつきに(とっとと追い着かせようと思ってますが)、紹介させていただきますっ。あー妖怪おばば、ホント腹立つ!

【リポート13.夏祭りの夜】
 予想していたとはいえイザ焼き始めると、焼きソバ焼は相当しんどいと実感した頃、若旦那が「鉄板焼きソバの達人と思われる、ぼくの友人(以降、達人)も呼んであります。6時頃には来てくれるはずなのですが…」と、嬉しいお知らせを、ぼくらに告げてくれました。3人で焼き続けるのと4人とでは、エライ違いです。ましてや達人となれば、そのお方にほとんどお任せしたうえに、達人技も伝授してもらえるのではと、希望に胸をふくらませてしまうぼくら…。

 夕刻5時を過ぎると、会場である公園には主に子供達が集まり始め、あちこちの屋台も活気づいてきました。会場周辺を通行止めにしての交通整理も始まった様子で、交通整理係の担当の役員さんも、焼きソバやカキ氷の準備の様子を、覗きに来たりしています。そんな中、小学校2年生ぐらいの男の子が鉄板の前に立ち、「焼きソバ1つ下さい」と、お金を差しだしました。

 「ごめんね、売り出し開始は6時からなんだよ」と言うと、「えーっ。お母さんに、6時までには帰って来なさいって言われてるんだ」と、口をとがらせ不満そうな顔をします。売り出し用のストックがないわけでもないので、ぼくはそばにいた会長の奥さんに顔を向けました。会長の奥さんはそのやりとりを聞いていて、バックヤードの人達に「どうしましょう、他の屋台は売り始めているところもあるようですし、始めちゃいましょうか?」と問いかけました。

 誰も反対する人はなく、この男の子への販売をきっかけに、ぼくらの焼きソバ屋台は売り出しスタートとなりました。時刻は5時半頃です。ストックがあったとはいえ、売り始めてしまうと、あっという間になくなってしまいます。鉄板の前には、列ができ始めてしまいました。ぼくら焼きカタは焦った気持ちで、懸命に焼きソバを焼き続けます。でも、どんなに焦って懸命に焼いても、焼きあげるには一定の時間が必要なため、列は長くなるばかり。

 買う側として、長い行列に加わった経験はあっても、売る側の立場としては経験がありません。ぼくは、おそらくはイライラ眼になっているであろう、並んでいる人と目を合わせないようにしながら、コテを使う腕が痛くなってきても、懸命に焼き続けました。しかし、列は長くなっていくばかりです。

 そうこうしているうち、6時半近くなって達人登場。ぼくらは、焼きカタの立ち位置をそそくさと空け、達人に焼くのをお願いいたしました。達人は何と、大きなMyコテを2本おもむろに取りだします。「これ、合羽橋で探してみつけたんですが、大量に焼くにはやはりこのぐらい大きくないと」と、まずコテ自慢からスタートしました。そして、慣れた手つきで、ソバやキャベツを焼き始めます。その仕草は優雅で、もはや列は長蛇になっているものの、余裕の様子でした。

 しかし、しばらく焼き進めるうち達人から出た台詞は、「こりゃ火が弱くてダメだなあ」というものでした。達人いわく、「このぐらいの火加減では、なかなか効率良くは焼けない。ここは、地道にやっていくしかない」とのこと。長蛇の列については、「そもそも焼きソバは素人開催の催し物の出店では、一番人気があり、列ができるのが通常なので気にする必要はない」とのコメント。そうして、バックヤード部隊から差しだされた缶ビールをゴクゴク飲みながら、2度ほど焼いて裏へ引っ込んでしまいました。

 そうなると達人を呼んだ手前、若旦那が主軸になって、我々あけぼの自治会関係者3人で、懸命に焼きつづけるしかありません。長蛇の列を見ると、どうしても急ぐ気持ちが生じます。結果、焼きソバを乗せじっくり焼く、だし汁をかけ十分に蒸す、2つの工程が短くなりがちです。でも豚肉もゆでてあり、生物があるわけではないのでということもあり、「何だかソバの、油とソースまぶしの豚肉とキャベツ乗せみたいで、申し訳ないなあ」と思いつつ、つい焼き上げを急いでしまうぼくらでした…。

 そんな作業を延々と3人で、1人ずつ交代で休憩しながら続けていきました。ぼくは自分の休憩の際には、他の出店はどんな様子かと、特に焼き鳥店も列にせかされ、苦労しているのではないか?と、視察してみることに。でも、不思議なことに焼き鳥台の前に列はありません。差しいれられたビール片手に、試しに購入して食してみます。食べてみて、列ができない理由が解りました。焼き鳥の出店は、スーパーでできあいの焼き鳥を買って来て、店であっためて売るという戦法でやっていたのでした。

 確かに、仕込みから始めてこの場で1から焼いていたのでは、相当な作業になってしまいます。なるほどと思う一方、何だかズルされたような気もします。焼きソバもその手でやったらどうかとは思いましたが、何せ1折あたり、スーパの惣菜コーナーでの価格より、相当安い値付けで売っているわけで。焼きソバに列ができるのは、その辺にも理由がありそうです。

 とにもかくにも達人は、ウンチクを述べ、ビールや缶チューハイを飲み、気がつくとどこかへ行ってしまいました。夏祭りは景品の抽選会をへ、櫓を囲んでの盆踊と、終盤の盛り上がりに進んでいきます。残された3人は、腕の痛さだるさをビールやチューハイの勢いで吹き飛ばしながら、懸命に焼き続けます。ぼくは目の前の長蛇の列を時折眺め、何も考えない、ただひたすらに焼きソバをつくる鉄板と向き合いながら、疲れたというよりも、何だか奇妙な充実感が沸いてくるのを感じていました。

 酒類を補給しつつの酔いもあるのか、何とも言えない高揚です。ソバ玉は昨年の経験を活かして十分購入していたようで、夏祭り終了の夜9時まで目一杯焼きつづけ、列もなくなり、身内用に数玉焼いたところで我々は役割を終えました。ぼくが味わった充実感というか高揚感といったものは、どうも焼きカタ男性陣3人に共通した感覚のよう。

 栗山似さん、若旦那、ぼくの3人は、強い連帯意識で、声高らかに終了の乾杯をしました。若旦那が、「来年の夏も、この焼きソバ男3人組で焼きましょう!」と、顔を上気させて言います。栗山似さんもぼくも、さすがにそれには同調しませんでしたが、身内用に自分達が焼いたソバをツマミに、ニコニコと、お酒を飲み干すぼくらでありました。
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 次回「リポート14.夏祭片付けと秋の行事」につづく…。行事のピーク夏祭りを終え自治会は、秋冬の行事へと進んでまいります。
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