おじいちゃんの小さな疑問集(旧:おもりぽ)

「おじいちゃんがふと抱いた小さな疑問」を、載せさせていただきます。答えや共感や異論があればぜひコメントを!

片田舎町内会リポート.19

2007年03月30日 | Weblog
 石川県で、震度6強の地震がありました。当日は日曜で第1報を、テレビで見て知ったのですが。地震の第1報から、被害状況が判明し始めるまでって、相当時間を要すものですね。震度が強かった地域に、親戚や親しい知人がいるわけではないのですが、それでもやきもきしてしまいました。

【リポート19.書記引継ぎ】
 総会を終えて、会場に引継ぎのため残ったのは、新旧の会長、副会長、書記、会計です。引継ぎは全員でまとまってやったわけではなく、それぞれの役職ごとに、引継ぎを受けました。ぼくはH18年度書記役の女性から、物品としてはバインダーにまとめられた資料類1袋と、CDR-W2枚を引継ぎました。

 資料類1袋の中には、H18年度資料のバインダーと、H17年度以前のバインダーでまとめてあるとのこと。それと同様にCDR-Wも、1枚はH18年度のもので、もう1枚はH17年度以前のものということでした。ぼくは「最新の1年分だけあれば、十分なんですが」と言ってみましたが、「5年分とっとかなきゃいけないんですって」、という事情だそう。で、丸ごと受け取った次第です。

 受け取ってすぐに、最も気になっていた、「資料のファイル類は、MSoffice系のソフトですか?」と確認。「そうですよ」との返事を聞いてホッとすると同時に、「こんな片田舎の町内会にまで浸透させているとは」と、あらためてマイクロソフトの威力を痛感しました。この「面リポ」も、WindowsCEのos上のソフトでテキスト打ちをしているわけですが…。

 説明された主な内容は、総会で使った会員名簿と地図が、どこまでメンテされているかということ。退会や入会、名前などの文字修正に関して、各班長から申し出があったものは修正済み。ただし今日以降の変更の申し出については、当然未修正で、新役員に申し出があったものとあわせ、修正して下さいとのことでした。

 ぼくは、バインダーに時系列で整理された資料を、めくって眺めます。そして、「要は書記は、次に予定されている役員会やイベントごとの資料を本年度用にメンテして更新しつつ、そのことで3役がやらなくてはいけないことを理解していきながら、会長や副会長に説明と相談をして、準備が進むようにするのが仕事なんだな」と、思ったのであります。

 一方ぼくの方からは、かねて疑問に思っていたことを質問しました。質問は各班長への資料の配布についてです。H18年度の班長の経験から、班の各世帯に配る資料には大くくりには2種類あるという認識でいました。1つは、行政の広報や募金の依頼など、上位組織である東区の自治会から供給されるもの。2つめは、あけぼのA丁目自治会として配布する、「役員会開催のお知らせ」などをはじめとした資料類。「これらは一体、誰がどのようなルートで各班長にお届けするの?」と。

 「前者は、あけぼのA丁目代表の区の役員が、班長に配布します。後者は、3役で相談して、配布担当を決めたらいいのでは」という答えでした。そこで、「後者は、現役員はどうしていたのか?」と聞くと、「書記が作成して用意したものを、会長と副会長で確認後、その2人で手分けして配布してました」とのこと。「新年度もそのやり方で配布してもらおう」と、心に決めるばくであります。

 それにしても区の役員は、行政の広報などが月1のため、最低でも月に1回は、20個所に近い班長宅に一人で資料を届けて廻らなければいけないと、この時初めて知りました。妖怪おばばは、当初その気があったか、ハナっからぼくに書記を押し付けるためホウベンだったかは別にして、区の役員などには決してならない道理ですね…。

 そんなんで書記役の引継ぎはあっという間に終わり、最後に最近購入したと聞いた、大量に資料を印刷する場合のプリンターのある場所を確認させてもらいました。他の役員は、特に会計の引継ぎは時間がかかる様子でしたので、ぼくは前書記役の女性に「不明点は電話しますので、教えて下さい」とお願いしつつ、副会長の黒眼鏡さんと一緒に公民館を後にしました。黒眼鏡副会長には、「後でバックアップ用に、H19年度分CDR-Wを1枚コピーして届けますので、保管しておいて下さい」とお願いして、我が家にもどったのであります。
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 次回<新会長、口髭さんの決意>に、つづく…。奥さんが望んで、旦那に会長をやらせたふしのある口髭さんは、新会長としてどんな方針を打ち出すのでしょうか?
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片田舎町内会リポート.18

2007年03月25日 | Weblog
 昨夜、サッカー日本代表とペルーの試合がありました。オシムジャパンでは、はじめて、中村俊介さんと、高原さんの海外組みが合流だったのですが。高原らしいゴールが決まりましたけど、彼をみて思ったこと。「うーん、何かとってもドイツ顔になったなあ…」。

【リポート18.H18年度総会】
 つい先日の週末、あけぼのA丁目の定期総会が開催されました。H18年度の締めくくりの会合です。思い起こせば班長としては、H17年度のこの会合への参加から始まりましたから、ぼくの自治会への参加は、ちょうど1巡して最初に戻ったところであります。総会の主なテーマは、4つです。1つめは、H18年の決算報告をして、承認をもらう。2つめは、H19年度の活動案を説明して、承認をもらう。3つめは、H19年度の予算案を説明して、承認をもらう。4つめは、H19年度の新役員と新班長を紹介する。

 まず1つめ、H18年度の決算で質問が出たのは、香典とお見舞い金のことです。この項目の総額の単位が×万数千円と、「数千円の端数が記載されているのはなぜだろう?」という質問が出ました。「1万円の、ご不幸の香典数件にプラスして、お見舞いが1件あったのがその数千円の内訳」との、会計役員からの回答です。

 そこで、「お見舞金は、どの範囲に対して出すのだろうか?」ということが議論になりました。規定を見ると、『町内会員の同居親族の死亡時は1万円』と、香典に関しては明白。ところが、それ以外の支出については『役員会で必要と認めた場合』と、具体的な記述がありません。誰かが、「自分が役員だった時に、お見舞いは入院等の情報を得られる場合とそうでない場合があり、不公平感がでるので以後止めましょうということになった」と発言。

 会長が「そんな経緯は知らず、情報があったので支出した。いちいち役員会を開いて決めることでもないので事後報告でよかろうと思い」と、説明。議論は、今回のお見舞いはともかく、今後は中途半端になるので、以降規定を『役員会で定めた場合』は、削除で修正したらどうか?という方向に発展しました。「そうすると、本当に必要な時に香典以外では、会員に対し支出できなくなるけど」という、もっともな反対意見がでました。でも結局、「ややこしいのを残すと、後々今回みたいに面倒な議論になる」という意見が大勢を占め、削除に決定しました。

 町内会での議論の方向性の基調は、後々面倒くさくないようにという、<面倒くさいこと回避>の姿勢です。これは、誰も望んで町内の仕事なんぞをやってるわけではなく、そうなりがちですし、ぼくの姿勢にも合うので、しっくりきますね。しかしながら変更した規定文書は、次期書記役であるぼくが直さなきゃいけない。これはこれで、ぼくにとっては面倒くさい…。

 次に2つめは、19年度の活動案について。去年の総会で、「次の年度の活動案を、前の年度の役員が作るのはどうか?」という議論がありました。笑っちゃったのは現会長が、「去年そんな指摘もありましたが、でも本年度を踏襲した来年度案を、やはり作っちゃいました」と言いながら説明したことです。活動内容も、内容案をつくるやり方も、変えるのはとても面倒ですからね。で、これについては何の異議もなく承認されました。

 さらに3つ目は、活動案に沿ったH19年度の予算案の審議です。ここまできて、もう重責を逃れるためオトナシクしている必要のなくなったぼくは、2点議論して欲しいと頼みました。1点は、収入の項目にH18年度はなかった、夏祭りの焼ソバと、かき氷の売上を計上することの是非です。収入項目に記載すると売上目標になってしまい、そうじゃなくても行列ができて、じっくりとは焼けない焼ソバが、余計あわてて作ることになって、マズイ出来になってしまいそうな気がしたから。

 2点めは、班長主催の懇親会費が1世帯あたり千円になっているのを、もうちょっと増やせないかという議論です。例年は年明け早々にやっていた班懇親会を、実はぼくの班は、ぼくが忙しかったっためについ先日開催したのです。その経験でいうと、お店でランチを食しながら、乾杯の飲み物も注文して開催すると、とても一人千円では足りません。だからといって公民館でやるのでは、弁当や飲み物、乾き物を用意し、後片付けも班長がやらねばならず、負担が大変です。結局、欠席者が多いのを願いつつ店でやるという、主旨に合ってるのかどうか微妙、といった感じの開催になったので。

 1点目については、「収入が計画どおりではなくても、責められるわけじゃないからいいんじゃないの」、という結論。ちなみに、昨年もらった上位組織である区長からの寸志というのも予算の収入項目にあって、笑えました。H19年度も、区長は寸志をくれるのでしょうか? 2点目についても、「この予算を倍にすると、繰越の残金が2、3年で尽きて、すぐ赤字になるおそれがある」ということで、従来どおりとなりました。ぼくとしては予算資料を修正する手間が生じないので、いいんですけどね…。

 最後の4つめ、新役員紹介と新班長紹介は、審議ではなく報告事項です。全員が、現副会長から名前をよばれる順に立ち上がって、「よろしくお願いします」と挨拶をしました。これで、H18年度の総会はつつがなく終了です。全体はこれで解散で、後は会長、副会長、書記、会計の引継ぎを、残ってやることになったわけであります。
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 いよいよ、書記役の引継ぎです。はたして具体的にはどんな仕事があって、どんなに面倒なものなのか? 次回<書記引継ぎ>に、つづく…。
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片田舎町内会リポート.17

2007年03月19日 | Weblog
【リポート17.妖怪おばばの陰謀ーその③】
 そんな状況で、次年度役員決めは終了。次回は数週間後に、年度末の総会用の資料作成のため、公民館に集まってくださいという周知を受け、解散となりました。帰りがけに、黒眼鏡さんと彼にイベント担当に替わってもらった若旦那奥さんが歩いているのをみかけたので、「替わってあげられなくてごめんなさい。ぼくも春先特に忙しい事情があるもので」と、お詫びをしておきました。

 妖怪の攻撃を受け、ボーッとした頭に衝撃を受けつつ、幸運にも難を逃れた会合の後にすべきことは、2つありました。ひとつは次の班長の名前を、現在の書記の役員に報告すること。もうひとつは、支度をして仕事場に向かうことです。1つめについては、家にもどる前に確認を済ませられるだろうと考えていました。今朝ぼくに問いかけても、ろくな返事を得られなかったためか、次の班長となるお宅(以降、次班長)の奥さんが、ぼくの前代の班長の奥さんに、事情をヒアリングしていた様子なのを思い出したからです。

 ひとまず次班長の家の玄関で呼び鈴を押してみましたが、不在でした。すでに駐車場にはいつも通勤で使っている車がなく、公民館の掃除の後、仕事に向かったと推定できます。そこで前班長のお宅まで移動し、在宅だった奥さんに確認をしました。すると、「次班長の奥さんは、自分のところが次の班長との自覚があり、それで週末の土日にどの程度稼動を取られるのか聞かれた」との回答でした。そのコメントでひとまずぼくは、次班長の名前を書記の役員に報告してよかろうと判断し、そうしました。次班長本人には、夜に仕事場から電話して、念のための確認を取ることにして。

 ここでようやく、仕事場に向かうための支度です。時刻は正午近くなっていて、支度しながら軽く昼食を済ませることにしました。何とか調整をして午後出にさせてもらった時刻に間に合うように、家を出る時間を気にしながら…。そうしているところに、家の電話が鳴りました。ぼくは誰だろうと思うこともせず、無防備に電話に出ます。電話の主は何と、妖怪おばばでした。「あのですね観月さん、あの後、区の役員に当たった方が、やはり無理だと言うんですね。そこで私、こういう提案をしたんですね。じゃあ、区の役員を私が替わってあげるから、私の書記を観月さんにお願いしたいって!」。のっけから妖怪声で、核心の話題を振ってきます。

 無防備なぼくは、最初何のことか飲み込めず、「はあ?」と聞き返します。「ですので、私の書記を何としても観月さんにお願いしたいんです。わたしは、区の役員をやってあげることにしたわけです。土日は仕事の関係上、書記は無理なんです。お願いできますよねっ」とたたみかけて迫ってきます。ようやく妖怪の話の内容を理解したぼくは、「でもこちらも事情があって、自治会行事が忙しいと思われる春先は、特に仕事が忙しいので、安請けあいをして迷惑をかけてもいけませんので」と、抵抗しました。

 妖怪おばばはこれに対して、「ええ、春先は私やB班の班長(若旦那奥さんのこと)が、観月さんを補助しますから。B班の班長さんとも、そう話してますから。大丈夫。お願いできますねっ」と、抵抗を許しません。妖怪の頭の中は、すっかりぼくが書記ということで決めつけ、固まっているわけです。それにも増して恐ろしいのは、<春先忙しい>というぼくの事情を事前に情報収集して、その理由での抵抗を潰す準備をしたうえで、追い込もうと迫ってきていることです。

 おそらくは、ぼくが若旦那奥さんに、「春先忙しい事情もあり、替わってあげられなくてスイマセン」とフォローしたのを密かに聞いていた。あるいは、若旦那奥さんに書記を押し付けようとして失敗。その際、次にぼくに押し付けるにあたって情報を聞きだし、それを潰すための策を持って、迫ってきているという背景だと思われます。頭のどこか遠くで、「こいつの身勝手さと、それを貫くための周到さにはきっと負けるな…」と微かに意識しつつ、なおも抵抗を試みます。

 「補助というより、春先はあなたが主でやってもらって、こちらが補助という状況でもいいんですか?」「ええ、B班班長さんは、手伝うと言ってくれてますし」と、これに対しては自分ではなく、他人を主体にした返事を、おそらくは意識して返してきます。ぼくは、妖怪の小賢しさにはかなわないという思い。それと、2年間に及ぶ区の役員をやると言っていること。さらにはこの電話で押し問答してると、調整した仕事の時間に遅れてしまう。これらのことから、「じゃあしょうがないですね。今から仕事に出なくてはいけないんで」と、結んでしまったわけです。

 妖怪は、「あらすいませんね。じゃあ補助しますんでよろしくお願いします」と、嬉々として電話を切りました。ぼくの完敗であります。仕事に向かう道々、ぼくは腹立たしさと敗北感で、とても苛立った気分になっていました。会長は口髭さんが引き受けたし、副会長は黒眼鏡さんがやることから、書記役をぼくがすることには、結局は誰かがやらなくてはいけないわけだし、実はそれほどに大きな抵抗感は、ないのだと思われます。

 なのにとても苛立つ原因は、いくつかあるようです。まず、抽選をしてから不都合を申告して調整する順番って、どうなんだ?ということ。どうしてもできない事情をみんなが認めてから、それ以外の人で抽選をし、抽選後は文句を言わずやるのが公平性では、という思い。次に、役に当った当人が、会合終了後に電話をして個別に交渉するやり方は、どうなんだ?ということ。現在は役員でもない立場で、誰か特定の人(獲物)に当りをつけ、しかも自分の不都合を振り回すのは、これも極めて公平性を欠く、という思い。それから、妖怪の「補助します」は口先だけであることが、火を見るより明らかだということ。こられの思いが苛立ちの主要因かと…。

 この日の夜は、仕事場から夜9時半過ぎに次班長宅に電話をし、奥さんに次の班長を引き受けていただく確認をとりました。次班長の奥さんは土日も仕事のご主人を送り届け、その後自分も仕事であるとのこと。しかし順番である以上、会社をクビにならない程度に、何とか対応していくつもりとのことでした。「数年後だと退職していて、助かるのに」と愚痴っていました。夫婦でお店経営とかではなく、すくなくとも奥さんはお勤めだったのですね。ぼくは到底「カバーしますよ」とは、応えられない状況です。そんなこんなでこの日の日曜は、憤りの感情を背景に、深夜に及ぶ仕事に突入していったわけです。

 この日から数日後、会長より家に電話があったそうです。その主旨は、「妖怪より、あなたが書記役を代わって引き受けてくれるという連絡があった。それをもとに、総会の次期役員の資料を作成中。ついてはくれぐれも来期の書記役を頼む。結局は誰かがやらなければいけないことなので」、という内容だったとのこと…。こうしてぼくは妖怪おばばの陰謀により、抽選の結果とはまったく無関係に、来年度の書記役をやることになりました。重責にならないよう、ひたすら静かにしていた努力も、無駄に終わってしまったわけです…トホホ。

 しかし、妖怪に陥れられて、落ち込んでばかりいるわけにもいきません。1年分で終わりにしようと思っていたこの「片田舎町内会リポート」を、継続させていただくことにします。2年目も同じことの繰り返しだから、1年で十分と考えていたのですが、次期は書記役となると、話は違ってきますよね!1年間、自治会自体を回していかなくてはいけない立場なわけです。きっと班長時代には解らない苦労や理不尽、腹の立つことや馬鹿げたことや、何より笑えることがたくさんあるはず。19年度はできるだけ、会合やイベントの度ごとに、リポートしていきたいと思います。今後町内会やマンション、団地の役員なんぞにさせられちゃう方には、一層役に立つはずですので、よろしくお願い申し上げますっ!

 先日、総会用の資料作成のため招集があり、資料を作成して参りました。H19年度役員の記述を見ると、妖怪おばばは上位の区の役員であるはずが、ちゃっかりと催事担当の役員と記述されていました!ジャンジャン。見事な手腕です。
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 3月の総会でH18年度片田舎町内会の活動は締めくくり。次回<H18年度総会>に、つづく…。いよいよH19年度書記役の引継ぎです(望んでないけど)。
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片田舎町内会リポート.16

2007年03月07日 | Weblog
 今年は暖冬で、首都圏ではもう梅が咲いています。桜もこのままいくと入学式というより、卒業式の時期に咲くかも。などと暖かさに浮かれていると、温暖化でそのうちひどい被害が生じるおそれもあるあけわけです。仕事にかまけて、町内会の寄りあいの議題を忘れていると、妖怪に追い詰められてしまうというように…。相当こじつけですが、話を進めます。

【リポート16.妖怪おばばの陰謀-その②】
 ぼくがテーマを忘れていようがいまいが、それとは無関係に会合の議事は着々と進みます。そう、2月初めの会合の議事は、今年4月以降の次年度役員の選出がメイン。議長である会長が、立候補者がいないかどうか確認しますが、当然のごとく誰もいません。ぼくに至っては、議題さえ忘れていたうえに、そもそもどんな役職があるのかさえ、思い出せないでいる始末。

 立候補者がいない場合の次の手として、かねて栗山さん似に聞いていましたが、抽選に移ります。おもむろに、用意してあった抽選箱が出されました。しかしその前に、より公平を期すため、抽選する順番をアミダクジで決めるのだそうです。アミダクジは、班番号が若い順に廻ってきて、それぞれ思い思いの場所に班番号を記入しました。

 ぼくは、相当後の方に抽選を引く順番になりましたが、「きっと重責で多忙の役は早めに出て、ぼくが引くころには楽な役職だけが残っているだろう」と、何の根拠もなくのんきに構えていました。副会長が抽選箱を持ち、アミダで決まった順に本人がクジを引きます。会長とか、副会長とか、書記とかが、重責多忙の役と思われますが、それらのクジを引き当てる人は、予想に反してなかなか出ません。
 
 催事担当が数的にも多いようで、これらを引いた人は安堵の表情を見せています。衛生担当とか、これも重責と思われる上位の区の役員とかもちらほら出、あと5・6人程度を残したところでぼくの番となりました。この段階で、先の重責と思われる役をひいてしまうのは、確率的には5割以上と思われました。

 あせる気持ちを抱きつつ「ままよ」と思いながら、折られて閉じられていた引当クジを破って開くと、「催事担当」でした。ぼくは、ホッとすると同時に、「また同じメンバーでヤキソバを焼こう!」なんて騒いでいた、夏祭りのひとコマなんぞをふいに思い出したりしていました。

 クジを引くのは残り数人です。ぼくの次にはぼくの右どなりの、口髭さんの奥さんが副会長を引き当てました。その次には、女性の班長が書記を、その後には、これまた女性の班長が会長を引き当てます。最後のクジを引いた男性が催事担当と判明したところで、抽選自体は終了しました。

 安心した人と、まあどうしましょう的な人とで、集会室全体が少し騒がしくなりました。もちろんぼくは、「目立たないように耐えていた1年間の苦労が報われたな」と、静かに前を見つめていました。そこへ、書記役員の女性が説明をします。「抽選で決まったところですが、昨年もそうでしたけれど、引き当てた役職がどうしてもできない事情の方がいらしたら、ここで相談したいと思いますが…」。

 ほどなく、会長に当った女性が挙手をしました。「あのう私、×才の子と×才の子(2人ともまだ小さい)がいて、会長の役はちよっと無理だと…」。見ると、夏祭りのヤキソバ仲間の若旦那の奥さんです。会場全体が一瞬沈黙に包まれました。そこに発言をしたのが書記役員を引き当てた女性です。「それは無理よねえ、どうです観月さん、観月さんは?」と、こともあろうにこっちを見、替わってやれとの意を込め、2度も名前をあげてぼくに迫ってきます。

 ぼくは突然のことで何の返事もできないまま、目が点になって固まっていました。連続の仕事。睡眠不足。早朝からの掃除。今日の提出資料も議題を忘れ、集合時刻すら忘れる。こういった状態のところに、妖怪おばばにふいを突かれ、思考停止に陥ってしまった次第です。すると、ぼくの右隣の口髭さんの奥さんが、「それでは会長を私んとこが引き受けましょう、旦那に言っときますんで」と、発言。口髭さんのとこは、副会長を引き当てていたため、「じゃあ副会長は誰がやんの?」という議論に移りました。

 そこで申し出をしたのは、最後に催事担当を引いた、黒眼鏡さんです。「では、ぼくが副会長役を引き受けますよ」と。口髭さんと黒眼鏡さんは、ぼくとは春の歩こう会で、飲み物買い出し担当を一緒に努めた方々です。ひとまずの結果としてぼくは、妖怪おばばの攻撃から、この2人の申し出(口髭さんの方は本人ではなく奥さんですけど)によって救われたわけです。若旦那奥さんは恐縮して、「できる範囲で、会長や副会長さんを補助しますので」と、結びました。

 「他に、どうしても無理という方はいませんか?」書記役員の女性が問います。すると、どこかの班長の女性が「区の役員って、どんな仕事ですか?」と質問。会長が「上位組織の区の会合などに出ていただくということで、向こう2年間続く仕事です」と回答。女性は不安、不満そうな表情ながら「そうですか」と、ひきさがりました。その後にすぐ、先の妖怪おばばが、「私は書記の役が当りましたが、仕事をしているんで土日にたくさん時間をとられるのはちょっと」と発言をしました。

 これに対しては現書記の女性が、「土日は会合の時間程度で、むしろ資料づくりに時間がとられます。でもやりくりすれば、何とかなる程度ですよ」と回答しました。妖怪は「はあ、資料ですか、無理だと思いますが…」と納得できない様子でした。しかし、ある男性が「みんなそれぞれ事情を抱えながらやっているわけで、自分で時間調整できる仕事は、やってもらえないとね」と、発言。これには妖怪は反論しませんでした。

 そんな状況で、次年度役員決めは終了。次回は数週間後に、年度末の総会用資料作成のために、公民館に集まってくださいという周知を受け、解散となりました。帰りがけに、黒眼鏡さんと彼に催事担当に替わってもらった若旦那奥さんが歩いているのをみかけたので、「替わってあげられなくてごめんなさい。ぼくも春先特に忙しい事情があるもので」と、お詫びをしておきました。
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 一件落着かと思いきや、それで事は済まなかった。<妖怪おばばの陰謀ー③>に、つづく…妖怪が牙を剥きます。
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片田舎町内会リポート.15

2007年03月05日 | Weblog
 リポート13.のブログ冒頭でも記述させていただきましたが、2月初めの日曜にあけぼのA丁目の役員会がありました。この日ぼくは、妖怪おばばの陰謀により、来年度19年度の役員の重責を、押し付けられることとなってしまったのですっ。

 その、ことのなりゆきについて、今回以降で詳しくリポートさせていただきます。おそらく、数回にわたって紹介せざるをえない内容となると思いますが、妖怪おばばは、どんなオゾマシイ手口で人を追い込むか、しっかりと心に焼き付けて下さい。せめて皆様は、同じ被害に合わないように…。

【リポート15.妖怪おばばの陰謀-その①】
 ぼくは年明けからずっと、夜遅いのみならず、週末もままならない仕事状況が続いています。2月初めの日曜は、毎週末土日連続仕事の、3回目でした。さすがにこの日は、町内の会合はパスしたかったのです。しかしこの日は、ぼくが班長を努めるA班が、会合前に行う公民館の清掃当番の日となっていました。だからこの日曜の仕事は、午後からということで何とか調整をし、掃除と会合出席の任務を果たすことにしたのです。

 連日、そして前夜の土曜も24時を越えての帰宅で、頭がボーッとしていました。掃除は朝8時開始であり、その後会合があるという以外のことは、ほとんど意識の外にあったわけです。掃除当番の班長という立場からして、遅刻は厳禁。むしろ少し早く行って、班の方々がやって来るまで準備でもせねばと、眠い目をコスリながらけなげにも、時間15分前に公民館に到着しました。

 公民館は誰かが鍵を空けてくれていて、玄関のみ照明が灯けられていましたが、人の気配はありません。ぼくはとにもかくにもと、雨戸を空けて光を入れたり、掃除用具を物置から出しておくといった準備にいそしみました。そして8時になると、ぼくの班の方々を含め続々と人が集まってきました。ぼくが班長を努める、A班1つの班だけで掃除すると思い込んでいたのですが、3つの班でやるのだそうです。

 やって来た中の男性の1人がぼくに向い、「どの班がとこの掃除をするのか決めましたか?」と聞きます。ぼくがキョトンとしていると、「いつも、班ごとに場所を割り振ってやっているようですよ」と、アドバイスしてくれました。そこでぼくは、「班長3人でジャンケンして、勝った順で掃除する場所を決めましょう」と、他2班に呼びかけました。ところがB班の班長は来ていましたが、C班の班長はいません。先刻の男性はC班らしく、「ぼくが班長に変わってジャンケンします」と言ってくれ、割り振りを無事終えました。

 ぼくのA班は、玄関と外廻りを掃除することに。立場上ぼくは重いものの移動や玄関の水洗いなど、せっせと力仕事も水仕事も、積極的にこなしていました。そんなぼくに、「自治会の仕事って、どのくらい日曜日に活動しなくてはいけないものか?」と、質問する女性が。ぼくはその方は誰で、どういう意図での質問か考えもせず、「そうですねえ」などと、生返事を返しておりました。

 そうこうしているうち、そんな大きな建物でもないので、30人以上でとりかかった公民館の掃除は、あっという間に終了です。時刻は8時40分頃。秋のクリーン運動の際、ぼくにゴミ袋を与えてくれた衛生役員の男性が現れ、掃除状況を確認しつつ、解散となりました。朝に公民館の鍵を空けたのは、この男性だったのですね。それでぼくはようやく、衛生役員が鍵空けをする。班員が集まり、場所を割り振って掃除する。掃除が終わったら衛生役員が点検し、鍵を閉める。こんな段取りであったのだと理解したわけです。

 掃除を終えて解散した後は、会合です。ぼくは一旦家に帰り、朝飯を食いました。そして再び9時に会合に出るべく公民館に向かいました。しかし、公民館は鍵が閉まっていて、静まりかえっています。どうやら9時というのも思い込みで、時間が違うようです。よく廻らない頭で、家にもどるところで、C班の班長の女性が歩いているに会いました。そこで、会合の時間を聞くと、9時半集合とのこと。「何だか思い違いの多い日だな。仕事が大変で自治会どころじゃなかったから仕方ないよな」と、自分に言い聞かせておりました。

 今日3度目の、公民館に到着。すると入り口で何やら紙を徴収している様子。ぼくはようやくここで、「今日の集まりのテーマは何で、班長としては何をしなければいけなかったのか?」ということに思いが及びましたが、その内容までは思い出せません。そんな状況なものですから当然、提出する資料の持ち合わせなどありません。で、ひとまず自席につきました。すると、入り口で紙を徴収していた書記役員の女性が近づいてきました。そして「この紙持ってきていただけましたか?」と聞きます。

 示された紙をみると、
1.班内で転出や転入の、異動があった場合の申告
2.19年度の、新班長の名前と住所と電話番号の申告
3.班内で出た、要望の申告
 の、3つの要素を記述して提出する内容となっています。

 ぼくは「ごめんなさい、資料を仕事場に置いたまま忘れてきました」と、わけのわからない言い訳でひたすら恐縮。書記の方は、「では後で自分に届けて下さるか、電話でお知らせいただいてもいいですよ」と、やさしく応じてくれました。

 ここへきてようやくぼくは、上記3つのうちの2つに関係することに、ようやく思いが至りました。まず3.に関連して、昨年末に班の懇親会用として、1万数千円が届けられていたこと。「例年他の班長がやっていて、ぼくは出席したことがないんだけれど、班長主催で懇親会なる食事会をやって、万一要望なんかがあったらメモなんかしとかなきゃな」という、結構手間のかかるイベント主催の懸案があったのです。

 次に2.に関連して、今朝の掃除の最中に、ぼくに、「自治会の仕事って、どのくらい日曜に活動しなくてはいけないものか?」と聞いていた女性がいたこと。ぼくのA班の次の班長となる人だということ。A班はぼくの家も含め、地元工務店が建築した数戸建ての家が半分ぐらいの比率を占めています。班長役は、もとから居る人の順番は終わり、その後はこの数戸が建った順にと、順番を決めて進めているところなのです。

 今朝は、訊かれても質問した人が誰なのかさえ思い出しませんでした。でもこう考えてみると、質問していたのは、ぼくの班で次に班長となる家の、奥さんだったわけです。次班長の家はどこかで何かのお店でもされているのか、朝早くに奥さんが運転し、ご主人を乗せて車で出発します。そして、夜は毎日ずいぶんと遅くに、これまた奥さんが車を運転し、ご主人を乗せて帰ってきます。週末の土日も仕事のようで、ぼくは最初の集金でそう知り、このお宅には夜9時過ぎに集金に行くようにしていました。

 そんなことを思い出している間に、会合の議事は進んでいきます。「いつもより人数が少ないな」と、ぼんやり思っていたら、今日の会合は、役員が不在でした。なぜならば、会長、副会長、庶務、班長により、次年度の役員決めをする会合だったのです!

 すっかり意識の外だったのですが、「次年度、重責となる役に推されることなど決してないよう、ひたすら1年間、目立たぬよう、騒がぬよう、おとなしくしていることを心がけた」、その成果が問われる大事な会合であったわけですね…。
―――――
 次回「リポート15.妖怪おばばの陰謀-その②」に、つづく…。まさに恐ろしきは妖怪おばばの陰謀。1年間耐えに耐え続けた、苦労が水の泡と消えてしまいます。
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