森かずとしのワイワイ談話室

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災害廃棄物受け入れ市民説明会は延々市民討論会に

2012-09-09 23:50:42 | 反原発・脱原発
 災害廃棄物受け入れ市民説明会は二日目、場所を文化ホール大集会室に移して14:00から始まった。やはり200人ぐらいの市民が集まった。質疑はいつしか市長部局と市民との討論となって、夕食休憩を挟んで延々21:30まで、実に7時間半に及んだ。発言者はよく学習し、問題の本質を突いた。涙ながらに子どもの命と将来を守りたいという母親の懸命の訴えがあった。被災地や北関東からの避難者も何人も発言した。被災者が何を求めて金沢や石川に逃げてきているのか、真剣で切実な訴えだ。これを過剰反応と切り捨ててはいけない。3.11とは、想定外を許してはいけないことを思い知らせたからだ。

 一昨日も含め、私は10時間のやりとりにじっと聞き入った。視察政務調査ノートに記したメモは、19ページに亘った。閉会時に「子どもを放射能から守る石川の会」の山本会長が市長に歩み寄って要求した。これだけの市民の意見と思いをこれから最終判断にどう生かしていくのか。議論の内容をまとめ、市民に公開して、より多くの市民に判断できるようにしてもらいたいと。私も同感だ。専門的知見とか科学的知見とか、執行部からは常套句のように繰り返された。しかし、その「科学的専門性」とは一体誰の為のものなのか。これが鋭く問われているが故の市民の切実な行動なのだ。搬入を強行すれば、その市民の思いに背を向けることにならざるを得ない。私は、そうした市政運営に手を貸すことは出来ない。歴史の階段をひとつ上らねばならない。それは、「疑わしきは慎重に」という予防原則だ。人権の尊厳と市民主義が熟慮の末に編み出した叡智がそこにある。国際原子力ムラが支配してきた利権保護のためのご都合基準では人間の命は守られない。覚醒した市民は納得しない。

 浮かび上がった論点を整理しておく。
 ○100bq/kg以下なら果たして「安全」なのか。IAEA IRCPは信じられるのか。リスク評価せよ。
 ○サンプリングの手法で汚染濃度を把握できるのか。   
 ○低レベル廃棄物の保管は厳密だ。一般廃棄物処理施設に持ち込む物ではない。
 ○空間線量率では実濃度はわからない。測定体制が甘い。 
 ○30年40年後の健康被害に誰が責任をとれるのか。
 ○隠されてきた低線量内部被曝の恐ろしさを軽視している。
 ○自然放射能と人工放射能の人体影響を同列に扱っていいのか。
 ○フレコンバックと覆土で100年単位の飛散漏洩は完全に出来るのか。
 ○浸出水を通じた漏洩があれば、生物濃縮の懸念が生じる。これが恐ろしい。
 ○多様な核種の事前測定が必要だ。α線、β線の脅威への注意が不足している。漁具漁網が上げられた海洋汚染を直視せよ。
 ○金沢市民の最終処分場に他県の漁具漁網を受け入れるための根拠がどこにあるのか。

 ○災害廃棄物処理特措法が出来ても、放射能処理の危険性がかわるわけではない。環境省の都合だ。
 ○震災廃棄物の総量は課題に表現され、国民意識を誘導している。自治体として検証せよ。
 ○広域処理が却って復興を遅らせているのではないか。放射能拡散事故に対する国、東電の責任逃れではないか。  
 ○説明会での意見によって方針は変わりえるのか。

 明日9月議会が開会する。私は方針撤回を求める議会請願の紹介議員となっている。

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2 コメント

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いつもありがとうございます (前川繁代)
2012-09-10 08:42:45
会場には伺えませんでしたが訴える方々の熱気と切実さがよく伝わってきました。森さんのまとめもとてもよく理解できました。金沢を含む石川の人たちの中には瓦礫受け入れに危惧している人も多いと思います。森さんの言動をいち早く知らせるためにもツイッターをされてはいかがでしょうか。本日の議会でのご活躍、ご健闘をお祈りいたします。
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ありがとうございます (森かずとし)
2012-09-11 10:57:25
 投稿と激励に感謝します。ありがとうございます。サイレントマジョリティに思いをはせながら、論戦します。ツイッターをよく奨められます。でも、いつも携帯を見ている自分とは自分らしくないようで、よちよち歩きのフェイスブックもパソコン上で始めています。ご協力頂けましたら幸いです。
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