森かずとしのワイワイ談話室

平和・人権・地球・子育て・教育・くらし・そしてまちを語る

「THE BIG ISSUE」(ザ・ビッグ・イッシュー)を金沢で

2009-11-24 23:34:52 | 議員活動
 ロンドン発の野宿者のための自立支援雑誌販売「THE BIG ISSUE」(ザ・ビッグイッシュー)を金沢で始めようと準備が進められています。日本上陸が2003年。これまでに13の自治体で担い手が活動を展開してきましたが、中核都市クラスの規模の地方自治体では、金沢が初めてです。

 この雑誌をご存じの方は、大都市での販売光景や雑誌としての質の高さ(社会性が高く、本質的である)からご存じでしたら、さすがだと思います。実は、私がこの雑誌を知ったのは、上陸翌年の2004年2月。東京方面に視察に出、その際にかつての教え子と食事したときに、「先生、ビッグイッシュー知ってる?先生のポリシーなら、見かけたら全体買わないといけないよ。」と教えてくれたのが初めてでした。今や、各界の著名人がボランティアで表紙や第一ページを飾るのが社会的ステータスとなるというところまで、その意義が高く評価されているのです。私は、日本版創刊号(実は確認したら、創刊号ではなく第5号でした。訂正致します。)を大切に保存しています。このようにして、野宿者問題に関わり、ビッグイッシューの金沢開始にも関わることになろうとは、糸の導きを感じます。その教え子は、残念にも他界してしまっています。

 野宿者が自立生活再建のステップを上がるために、「THE BIG ISSUE」を一部300円で販売し、そのうち販売者本人が160円受け取る。それを一日あたり25冊程度販売すると3000円から4000円の利益となる。これで簡易宿泊所がある地域ではそこに泊まることができる。第2ステップとして40冊程度の販売でアパート住まい、その上で就職活動を行えるようにする。この6年間で、全国では349万冊を売り上げ、ホームレスの人々に4億4480万円の収入を提供してきた。こうしたステップを踏んで、1000人の販売者中100人が第3ステップに到達しているとのことです。このように自立は容易ではありませんが、自分が働いて得る収入は、生活保護で得るお金とは質が違ってくる。これはよく分かります。
 この全国ネットワークは、NPOビッグイッシュー基金が行っており、その代表の佐野章二さんが、今日、金沢市を訪れました。金沢で支援者として中心になるのは、聖霊愛児園園長を永年勤められた安川実さん。安川さんとは長いおつきあいをさせて頂いています。彼も所属する広坂のカトリック金沢教会・平和の会が販売者のサポートをします。

 今日は、お二人が、県警察本部、県行政、そして金沢市の生活支援課と道路管理課を訪れ、説明と挨拶を行いました。県では盛本県議が、金沢市では私が同席しました。路上での販売故に道路使用許可や条例規制の問題がありますから。こうした市民運動の申し出に戸惑いながらも、県警は許可に向けて好意的だったそうですし、金沢市も具体的な相談に応じる姿勢を見せました。市政記者クラブでは、マスコミが集まり、一時間以上も取材が続きました。市民の関心が集まることを期待します。
 12月1日からのスタートは三人の野宿者が販売者を希望しているそうですから、貧困者支援の新しい市民運動が始まっていきます。ホームレス支援自立夜回りでも、生活保護が目的ではなく、人間らしい暮らしのためのアフターケアの大切さが言われています。働くという権利をこうした形で取り戻すことは、より本質的な
解決への道だと思います。シェルター(簡易宿泊所)が本市にないことも課題として浮かび上がってきました。第2ステップの受け皿がないのです。ひとつの石が他の石と響き合って、しくみの不備を質す方向で連携する。こうした前向きのとりくみへと進展することを願い、私も関わっていきたいと思います。

 読者の皆さんも、繁華街付近の路上での販売者を見かけたら、是非購読して下さい。隔週刊です。記念すべき金沢初刊は、12月1日号です。
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。