森かずとしのワイワイ談話室

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議会基本条例をテーマに全国市議会議長会研究フォーラムin青森市

2011-10-14 00:58:50 | 議員活動
 10月10日は、保坂のぶとさんと我々市民の政策研究会の有志ほかで金沢市営水力発電所の中で最も大きい犀川水系上寺津発電所と臨海水質管理センターの活性汚泥消化ガスの都市ガス利用事業を視察した。その模様は先日写真に加えている。
 上寺津発電所は、最大出力約3万3000キロワットの金沢市総発電量のうちの半分、16200キロワットを占める。タービンは同出力二系統で、丁度定期点検停止中だった。意外とプランとは小さく、これで市消費電力量の10%を供給しているとは思えないのが正直なところだった。保坂さんも同様の感想を持っていて、新たな自然エネルギーのあり方を構想しているようでもあった。
 臨海水質管理センターには、二度目の訪問だった。この活性汚泥からの消化ガスを精製して都市ガスに混ぜて供給する事業の発足式に参列して以来だ。今でも全国で先駆けの存在でもあり、フジ・サンケイグループ主催の地球環境大賞を2007年に受賞している。このようにして保坂区長と再生可能エネルギーを探る視察で訪れようとは思っても見なかった。
 下水道の普及が100%近い金沢市では、普及が進むに従って週末処理により発生する汚泥も増えてきて、このメタンガスの精製も年々増えてきている。一昨年度は、419,546立方メートルを精製し、都市ガス供給の1%に達した。売却収入は約2000万円だ。温暖化ガスの削減と一石二鳥になっている。昨年度はさらに増やしている。
 この精製プランともまた以外と小さい。地方によっては、発電を主目的にこのバイオマスガスを利用するプラントもある。私は、この都市ガス利用の間にタービンを挟んで発電も行うことの可能性についても質問した。可能である。問題は発生ガスの量が、発電効率にとってどのような状況下ではないかと思われる。臨海以外の終末処理場からの汚泥や食品廃棄物、間伐材、竹林の伐採材なども加えて考慮すると、バイオマス発電の可能性はより大きくなるようにも思う。このあたりの認識や可能性についても是非とも、金沢市再生可能エネルギー等研究会で調査検討してもらいたい。

 さて、保坂世田谷区長を送り出して翌日11日から13日(今日)まで、私は青森市に飛んで、全国市議会議長会研究フォーラムに会派として参加した。テーマは「議会基本条例の制定の意義」だ。金沢市議会も議会基本条例の制定を目指し、議会内に制定特別委員会を設置している。私はその副委員長でもあるので、最新の議論に関心があった。
 初日の記念講演は、元総務大臣の増田寛也氏が行った。今のような緊急時にこそ、被災住民に最も近い地方議会・議員が現場主義にたって、柔軟迅速に対策を講じる役割を発揮する必要がある。首長の権限強化、議会の縮小を求める住民の傾向が強まっているが、二元代表制の一角にある地方議会は、民主主義を担保する上で機能を高める必要がある。地域主権改革の動向、地方制度調査会の提言などを紹介しながら、地方議会活性化の新たな重要度が認識されて良い等々議会改革への期待感を語った。さほど新味のある話ではなかったが、近年よく耳にする挑発的な語り口でもなく、議員へのエールが込められた講演だった。
 二日目の課題討議は。議会基本条例先行市である帯広市、越前市、伊賀市、京丹後市から条例制定と議会改革の実践を主導してきた議員諸氏が報告し、パネルディスカッションを展開した。議員の意識改革の困難性を乗り越え、市長サイドとの緊張関係をつくり出す一問一答形式の本会議、市長当局に反問権を与える。市民に開かれた議会、市民への情報開示、市民の意見反映を目指す議会としての議会報告会の開催、住民との意見交換会、公聴会などのとりくみが紹介された。議員は比べられるのをいやがる、自分の地元に他の議員が入るのをいやがる、忙しくなるのをいやがる傾向を率直に市民の声として紹介し、改革に消極的な議員を論破してきた鼻息洗い女性議長の発言に共感の拍手が湧いた。

 私は思う。議会は首長の権力濫用をチェックし、民主的に統制するために、即ち民主主義の武器たる存在だ。その議員が議会が不用とされ、削減の対象として市民から語られる・・。市民にとってこんな不幸なことはない。議員個々人の力量を高め、チームとしての議会を機動的に市民に開く。議会は言論の府に相応しいしくみを導入し、緊張感を持った討議を展開する。議会は市民の元に出向き、説明し、意見を掌握する。これを市政に反映させ、またその結果を報告する。この循環が議会への市民の信頼を構築する。これらを条例にして明文化し、議会を律する最高規範とする。このことに異論はないだろう。

 金沢市議会で議会基本条例を制定するめどは明確ではない。先行自治体が増え、議論は重ねられてきた。最も肝要なことは、位置づけられた条文をどう実践するのか、常にこれを念頭に置いた議論が行われるように腐心したい。11月2日に皮切りに豊田市議会の前議長を金沢に招いて講演を受けることになっている。

 ところで、世田谷で3.5μsv/hホットスポットが見つかったと連日報じられた真相が、福島由来ではなく、当該家屋の敷地内に保管されていた何らかの(ラジウムと推察されていたが・・)放射性物質がその発生源のようだと報道されている。保坂区長が記者会見で発言している。情報公開は難しい。しかしそれでも、不安を持つ市民は、「区が調査し、真相がわかったことで不安が取り除かれる。感謝している。」とコメントしている。保坂流の公開制を原則とする区政の信頼性が実感されている。保坂さん、本当にお疲れ様。


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