goo blog サービス終了のお知らせ 

里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

干し柿づくり'22~硫黄燻蒸し吊す

2022年11月22日 | 干し柿づくり

前日に続く一連の作業。前日皮剥きした柿をひもに通して硫黄燻蒸、そして吊しました。
今年は助っ人が一人。全部の作業を一日で楽に済ますことができる量ですが、例年どおりのスケジュールです。
まずは道具を確認。
硫黄燻蒸用のプラスチックパイプの枠。市販の塩ビパイプで手作りしたもの。綺麗に拭いてから使います。


柿をひもに通す道具。竹を割って手作りしたもの。柿の大きさに合せて3種類。


硫黄燻蒸で密閉するためのブルーシートと硫黄粉。


柿を通し吊す干し柿用のビニールひも。


前日剥いた柿。これを作業場の2階に運びます。


柿を竹の道具に並べてひもに通します。


1本のひもに12~18個。
昔は1本に20個が標準でしたが、重すぎて扱いが大変です。大玉は12個。それでもかなり重い。
ひもに通した後は硫黄燻蒸用のパイプ枠に吊します。


全部で16連。昨年は30連だったのでほぼ半分。空間は大余裕です。
吊し終えれば硫黄燻蒸。
硫黄燻蒸は、カビを防ぎ酸化を抑制して綺麗に仕上げるために行います。
硫黄燻蒸しないと黒い干し柿になってしまい、贈答用にはとても使えません。
硫黄はすぐに空中に拡散し無害となるので何の心配もありません。
硫黄燻蒸は密閉出来る環境なら良いわけで、昔は専用の木箱を使っていました。
少量ならコンテナに入れてやることもできます。
我が家の硫黄燻蒸は、パイプ枠をブルーシートで覆って行っています。
硫黄燻蒸する前に、直ちに覆えるように事前に準備をしておきます。
使用する硫黄粉の目安は容積1㎥当たり15~30g。
我が家では、小さな鍋に炭火をおこし、硫黄粉を燻します。


硫黄粉の投入口を少しだけ確保しておき、炭火に硫黄粉を投入したら素早く密閉します。


密閉時間は30分程度すれば十分とされますが、ちょうど来客があり1時間ほど放置しました。
密閉していたシートを解放し、硫黄燻蒸は終了。


硫黄粉は完全に燃えていたので効果は確実です。
剥いたあと酸化し僅かに黒ずんでいた表面が漂白効果で綺麗になったのが分ります。
この後は吊しです。
大玉の10連は横吊りにしました。1連に12個です。13個も若干。


現在、プロの生産者は横吊りが主流になっています。


中玉、小玉の6連は縦吊りにしました。1連に16~18個です。


全部で220個余り。昨年のほぼ半分。


大玉が10連あるので何とか贈答用は確保できそう。上手く干せればですが。
大玉は乾燥に時間が掛かりなかなか難しい。気温が下がり乾いた寒風が吹いてくれることを期待です。



干し柿づくり'22~皮を剥く

2022年11月21日 | 干し柿づくり

今年の干し柿用の蜂屋柿は大不作。確保できた分だけで干し柿を作るしかありません。
柿の方は1週間前には殆ど成熟していましたが、気温が高すぎるため下がるのを待っていました。
ざっと見たところ、今年は100個も穫れるかと覚悟していました。
すみずみまでかき集め、多少軟らかくなったものもありますが、段ボールで何とか4箱ほど確保できました。
それでも例年の半分もないでしょう。
これまで毎年500個程度の干し柿を作ってきましたが、老体になったので300個くらいに減らそうかと考えていたところではありました。
しかし、それにも遠く及ばず、200個くらいと言ったところでしょうか。
成りが悪いだけに大玉が多い。特大玉もあります。
これらは400gはあります。このくらいなら申し分ない大きさです。


今年は変形の柿が多い。極端なものもあります。


皮剥きは例年どおりのやり方です。
プロの生産者は新しい道具や機械を使用していますが、今年も文化財級の道具を使用します。
年一度の出番の皮取り器(木製ピーラーといったところ)とナイフ。


6、70年経っている代物ながら、小生にはこれが一番。
黒光りしていますが、汚れているわけではありません。柿渋によるものです。
柿渋の効果で錆も殆ど付かないため、軽く研ぐだけです。
まずはナイフを使って、当地では通称肩回しという作業。
少々コツがあります。ナイフの背の先を柿の軸にあてます。


軸をテコにし一回まわして皮と一緒にヘタを取ります。


この時、ナイフは動かさずに柿の方を一回転させることが大事。
さらに肩の部分を1回か2回回して肩回しの作業は終りです。


大きな柿は全部で3回しすると後の作業がやりやすい。
次に皮取りの作業。
利き手の親指と人差し指で皮取り器を鉛筆を持つようにして持ち、中指、薬指、小指を柿に添え、柿をテコにして動かします。


左手に持った柿も動かしながら先端まで一気に剥きます。
途中で止まらないようにして細く剥くのが綺麗に仕上げるコツ。


変形の柿は剥きにくく、作業効率が悪い。それでも今年は数が少ないので例年の半分時間で剥き終りました。
いつもなら夜なべになるところです。

このくらいの大玉なら剥きごたえがあります。


今年は絶対数は少ないものの過半は大玉です。
本来は、この後、縄に通し硫黄燻蒸、そして吊すまで一連の作業を終わらせるのが普通です。
我が家ではその作業は翌日、二日がかりで作業しています。
ところで、小生が何故苦もなく皮剥きの作業ができるのか。
それは幼少の頃数え切れないほど柿の皮を剥いたからです。
我が家には柿園があり干し柿を生産していたので、子供も有力な剥き手の一員に数えられていました。
また、干し柿を大量生産していた親戚がおり、子供ながらにアルバイトをしたこともあります。
その後、柿園は伐採され、長じては殆ど柿の皮を剥いた記憶がありません。
もちろん両親はそれなりの干し柿は作り続けていました。
小生が再開したのは母が亡くなった後。しかし、体に染み付いているため何の問題もなし。
その母も来年は23回忌。再開後、そのくらいの時が過ぎた言うことです。


今年の干し柿用「蜂屋柿」は大不作

2022年11月13日 | 干し柿づくり

今年の干し柿用の「蜂屋柿」は大不作です。
昨年も成りは悪かったものの実は大きく、結果的には十分間に合うくらい確保できました。
今年は本当に成っていません。
昔、我が家には柿園がありました。しかし、50年余り前にその殆どは伐採され、田んぼや畑に転換されました。
今あるのは畑の端に残ったごく一部の柿です。
そもそも柿は隔年結果しやすいと言われます。
昨年成りが良くなかったので順番から言えば今年は成る年のはずですが。
当然、柿の木によっても成り方には差があります。今年はどの木もダメです。
この木はこれまで隔年結果が一番出にくかった木です。


ですが、昨年も成りが悪く、今年はさらに酷い。
数えるくらいしか成っていません。しかも上の穫りにくい所です。


こちらの木はほんの数個。


こちらの木はいくらかましですが、やはり数えるくらいです。


しかもやはり高い所。


昔は木によじ登り鋏竹で隅々まで穫ったものですが、今そんなことは出来ません。
こちらは北向きの日当たりの悪い木。例年色付きが良くない。


それでも、穫りやすいところに若干成っています。


こちらは自宅のすぐ近くにある木。


大木にならないよう剪定しているので、あまり期待していません。
ただ、日当たりが良いためか比較的成ります。
大不作の今年としては、この小さな木にそれなりに成っています。
今年としては貴重。こんな塊のところもあります。


奇形があります。


聞くところによると、今年はプロの干し柿生産者も不作で奇形が多いらしい。
例年500個程度の干し柿を目安にしてきました。しかし、高齢化とともに負担が大きくなってきたので300個くらいに減らそうかと思っていたところです。
ところが、300個どころか、100個もあるかと言った状況です。
これほど酷いのは、一度だけ20年ほど前に経験があります。
これでは贈答用の確保も難しい。近隣の 「蜂屋柿」も成っていないようです。
霜害という人もいますが、どうなのか。甘柿は平年並だったのですが。
わずかばかりながら、気温が高過ぎるので、皮むきは1週間後くらいにすることにしました。
こちらの柿はアルコール脱渋用の「平核無」。


まだ小さい木です。やはり成りは悪いながらも40個くらいは成っていそう。
間もなく収穫し脱渋します。


干し柿づくり'21~今年の大玉ころ柿は格別

2022年03月10日 | 干し柿づくり

干し柿は、干し始めから間もなく4ヵ月。
ころ柿の完成時からでも2ヵ月以上経ちました。
年明け後に縄付きのまま2重の紙に包み、段ボールに保管、1月下旬からはポリ袋に入れて保管しています。
次第に消費され、残っているのはこのくらい。


それでも数十個あるようです。
助っ人が大、中、小と区別していました。
この部屋は最も気温の上がらないところです。
それでも、そろそろ冷蔵庫に保管するのが無難な時期となりました。
これが大ですが、開けてみます。


今年の干し柿は白粉の吹き出しが遅かったですが、今は、さすがに大玉でもほぼ前面に白粉が出ています。
干し柿と言うより、やはり枯露柿(ころ柿)という言い方がぴったりです。
大玉の干し柿は中小のものに比べると今でもやはり軟らかい。
これはタッパーに入れ冷蔵庫で保管している干し柿。


量が少なければ、これが一番簡便な方法です。
ラップで包めば。より確実に好みの硬さで長く維持できます。
これは中玉。全面に白粉がたっぷりと吹いています。


こちらも大分少なくなってきました。
取り込みが早いほど、また小振りなほど白粉が沢山吹いているようです。


これはあんぽ柿の状態で冷凍している干し柿。ちょっと取り出してみました。


軟らかいあんぽ柿が好みの人はラップに包み冷凍するのが確実。


冷凍と言っても、干し柿の場合は家庭用の冷蔵庫ではカチンカチンにはなりません。
元々水分が少なくなっているからです。
これなら好きな時に好みの干し柿を取り出し食することが出来ます。
これは、茶菓子として出ている干し柿。


今回は大玉のころ柿でした。白粉も全面に吹いています。
1個取ってみます。どっしりとボリューム満点。


割いてみます。


この大きさだと、小生には一度に半分くらいがちょうど。
今年の大玉ころ柿は甘味や旨味も格別。そしてこの時期でも軟らかい。
まだ当分干し柿を味わえます。


干し柿づくり'21~白粉の回ったころ柿

2022年02月06日 | 干し柿づくり

干し柿は、干し始めから2ヵ月半余りが過ぎました。
例年より少し遅れましたが、年明け後に縄付きのまま2重の紙に包み、段ボールに保管していました。
2週間程前からはポリ袋に入れて保管しています。


助っ人が大、中、小などの目印を付け区分けしてくれたようです。
ここから先は固くならないようにすることが大事。
そのためには空気に晒さないことです。
量が少ない場合はこの方法が簡単ですが、ベストかどうかは分りません。
1袋が1連なので100個弱といったところ。
開けてみます。これが大。


これが中。


全体的に、今年の干し柿は白粉の吹き出しが遅い。
取り込みの遅れが一番の要因でしょう。乾燥が思うように進まなかったのでやむを得ません。
気温の上がらない部屋で保管します。
これはタッパーに入れ冷蔵庫で保管している干し柿。


中玉ですが、全面にすっかり白粉が吹いています。


取り込みが早い分白粉が沢山吹いているようです。
量が少なければ、好みの硬さの時に取り込めるので、この方法が一番簡便だと思います。
こちらはラップに包んでからタッパーに入れた干し柿。


やはり白粉が万遍なく吹いています。


水分が抜けにくいので、軟らかさはより保たれます。
軟らか好みの人には良い方法ですが、水分が多い分カビなどが出ないよう、冷蔵が必要。
そのままの状態で長期保存する場合は冷凍が確実です。
今、茶菓子として出ている干し柿。


大ぶりな干し柿を取ってみました。これは白粉が少なめです。


割いてみます。


小生好みの典型的な「ころ柿」です。
なお、白粉は中の糖分が表面に吹き出したもので、白粉の多少と甘味の強弱は関係ありません。