里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

干し柿づくり'22~皮を剥く

2022年11月21日 | 干し柿づくり

今年の干し柿用の蜂屋柿は大不作。確保できた分だけで干し柿を作るしかありません。
柿の方は1週間前には殆ど成熟していましたが、気温が高すぎるため下がるのを待っていました。
ざっと見たところ、今年は100個も穫れるかと覚悟していました。
すみずみまでかき集め、多少軟らかくなったものもありますが、段ボールで何とか4箱ほど確保できました。
それでも例年の半分もないでしょう。
これまで毎年500個程度の干し柿を作ってきましたが、老体になったので300個くらいに減らそうかと考えていたところではありました。
しかし、それにも遠く及ばず、200個くらいと言ったところでしょうか。
成りが悪いだけに大玉が多い。特大玉もあります。
これらは400gはあります。このくらいなら申し分ない大きさです。


今年は変形の柿が多い。極端なものもあります。


皮剥きは例年どおりのやり方です。
プロの生産者は新しい道具や機械を使用していますが、今年も文化財級の道具を使用します。
年一度の出番の皮取り器(木製ピーラーといったところ)とナイフ。


6、70年経っている代物ながら、小生にはこれが一番。
黒光りしていますが、汚れているわけではありません。柿渋によるものです。
柿渋の効果で錆も殆ど付かないため、軽く研ぐだけです。
まずはナイフを使って、当地では通称肩回しという作業。
少々コツがあります。ナイフの背の先を柿の軸にあてます。


軸をテコにし一回まわして皮と一緒にヘタを取ります。


この時、ナイフは動かさずに柿の方を一回転させることが大事。
さらに肩の部分を1回か2回回して肩回しの作業は終りです。


大きな柿は全部で3回しすると後の作業がやりやすい。
次に皮取りの作業。
利き手の親指と人差し指で皮取り器を鉛筆を持つようにして持ち、中指、薬指、小指を柿に添え、柿をテコにして動かします。


左手に持った柿も動かしながら先端まで一気に剥きます。
途中で止まらないようにして細く剥くのが綺麗に仕上げるコツ。


変形の柿は剥きにくく、作業効率が悪い。それでも今年は数が少ないので例年の半分時間で剥き終りました。
いつもなら夜なべになるところです。

このくらいの大玉なら剥きごたえがあります。


今年は絶対数は少ないものの過半は大玉です。
本来は、この後、縄に通し硫黄燻蒸、そして吊すまで一連の作業を終わらせるのが普通です。
我が家ではその作業は翌日、二日がかりで作業しています。
ところで、小生が何故苦もなく皮剥きの作業ができるのか。
それは幼少の頃数え切れないほど柿の皮を剥いたからです。
我が家には柿園があり干し柿を生産していたので、子供も有力な剥き手の一員に数えられていました。
また、干し柿を大量生産していた親戚がおり、子供ながらにアルバイトをしたこともあります。
その後、柿園は伐採され、長じては殆ど柿の皮を剥いた記憶がありません。
もちろん両親はそれなりの干し柿は作り続けていました。
小生が再開したのは母が亡くなった後。しかし、体に染み付いているため何の問題もなし。
その母も来年は23回忌。再開後、そのくらいの時が過ぎた言うことです。



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