ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト

NGO ひろしま市民によるカザフスタン共和国旧ソ連核実験場周辺住民(核被害者)への支援・交流

せこへい美術館 森住卓写真展 福島第一原発 風下の村

2012-07-24 08:25:59 | Weblog




せこへい美術館 森住卓写真展 福島第一原発 風下の村
3.11地震発生後、早速原発事故の取材に入る。
チェルノブイリ原発で、セミパラチンスク核実験場で、プルトニウムを生産していた核工場で、そして劣化ウラン弾が使われたイラクの砂漠で通用していた放射線測定器の針が振り切れてしまう。これほど高線量を出している土地を歩いたことはなかった。
目に見えない、音もない、臭いも味も…。五感で感じることの出来ない放射線。もし、放射線測定器を持っていなかったら、どれだけ原発の奥深く突っ込んで行ってしまったか、今思うと身の毛がよだつ。
3月下旬からは、30キロ圏外の高汚染地域の飯舘村に取材の焦点を絞ってきた。そこでは高汚染に曝されながら人々が苦悩するの日常があった。
我が子と同じように愛情一杯に育ててきた牛を手放さざるを得ない酪農家の無念さと怒りに寄り添い、彼らの頬を伝う涙に向けてシャッターを切らなければならない自分もまた、ファインダーが曇ることがしばしばだった。
汚染された畑に浸みこむ原乳や、ビニールハウスの中で出荷できなかった小松菜の満開になった菜の花に、農民の「悔しさと憤り」を感じた。
チェルノブイリ原発周辺以上の汚染地に、妊婦や幼子が2ヶ月以上住み続けている現実を伝えなければならない辛さも重なって、私の身体と精神はぼろぼろになり、そのバランスを失っていった。感情の昂ぶりをコントロールできなくなる
こともしばしばだった。そして、その旅は私自身の被曝の履歴を書き換えることでもあった。
森住卓
森住卓(もりずみたかし)プロフィール
1951年生まれフォトジャーナリスト。
1988年、共著「ドキュメント三宅島」(大月書店)で目本ジャーナリスト会議奨励賞を受賞。
セミパラチンスクの写真で96年視点展「視点賞」。99年、週刊現代rドキュメント写真大賞」、第5回平和協同ジャーナリスト基金奨励賞をそれぞれ受賞。
2000年「民族の嘆き一コソボ1999」で写真公募展「視点」奨励賞受賞。「セミパラチンスク草原の民・核汚染の50年」(高文研)が日本ジャーナリスト会議特別賞受賞。
2002年「イラク・湾岸戦争の子どもたち」(高文研出版)。同写真展が日本、アメリカ、イギリス、オーストラリアで巡回。
2003年「イラクからの報告」(小学館文庫)「私たちは今、イラクにいます」(講談杜)「核に蝕まれる地球」(岩波書店)
2005年「イラクー占領と核汚染」(高文研)出版。
2009年「沖縄戦『集団自決』を生きる」(高文研)、「シリーズ核汚染の地球」3巻(新日本出版杜)出版。
2011年「セミパラチンスクー改訂版一(高文研)、「福島第一原発風下の村」(扶桑社出版)


ゴースけウンとなった町。(双葉町)
出荷停止で花を咲かせてしまった小松菜(飯舘村)
原発事故が起こらなければ、助けられたカ毛知れない。(南棺馬市)
コンポストに頭を突っ込んで抜けなくなってしまった牛(浪江町)

コメント
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