鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

認知症

2014年05月16日 00時00分01秒 | 提言

   高齢化社会となり、元気な高齢者の話題は脚光を浴び、健康で充実した生活を送る姿は、壮年から初老に仲間入りをした自分にとっても生きる糧となる。一方、人生の終末期はどのように過ごしていくのか、体力が衰え、それと同時に精神面でも気力の低下は否めない事実である。元気な老人がいる反面、認知症と診断され、徘徊が続き、老人介護施設にも入れず、様々な理由で家族と分かれて暮らす独居老人等のルポルタージュが放映されていた(認知症行方不明者1万人!)。

  医療の進歩で、寿命が延び、統計の取り方によって、数字は前後するが、今後も毎年150万人以上の認知症となる高齢者が増えるそうで、その対策は介護保険だけでは解決できない多くの問題があるようだ。交通事故に巻き込まれて被害に遭う者、散歩といって家を出たまま行方知れずとなり、餓死する者、帰宅途中で発作を起こし行き倒れとなる者等、徘徊にまつわる悲しい現実は、確実に件数が増えているとのことであった。

  釧路市の状況を例として放映されていたが、住民が徘徊者を発見することを街ぐるみで行っていて、行方不明者の発見に成果が上がっているとのことであった。地域のFM放送局と、自治体、警察とが一体となって取り組んでいた。自分が住んでいる地域でも徘徊者ばかりでなく、様々な情報を流してくれているが、徘徊者の発見についてはあまり話題になっていない。

  確かに広く地域住民へ周知することは大切な手段であることは間違いないが、釧路市でも当初は個人情報の保護のための法律で、個人情報の開示がブレーキとなったようであるが、自治体の判断で、特例条項を適用することによって、クリアしたとのことであった。

 自治体の賢明な判断が功を奏しているといえるが、高齢者の徘徊に対する関係者の関与の仕方は全国的に統一されているとは言えず、未だ改善の方策を探る段階であるといえよう。

  幸いなことに一昨日の放映が保護されてから7年を経過して、ご家族が判り、無事にご家族の元へ帰ることが出来たという報道を聴いた。しかし、7年間の歳月の経過は、認知症の症状を悪化させ、言葉も発することも出来ず、寝たきりの状態である。何とも胸が詰まる思いである。この問題は手をこまねいてばかりしていても解決するわけではない。高齢社会の一面を知らしめるだけでは問題提起に過ぎず、釧路市のような住民参加を見習う必要性を感じている。


正規分布と問題作成(2回シリーズその2)

2014年05月15日 00時00分01秒 | 紹介

 授業の途中で試験を実施したならば直ぐに採点をして、次の順序で処理する。

1.平均点を算出し、出題難易度が適当であったか、教え方に問題はなかったかをチェックする。

2.模範解答を発表して、受講生の理解が不十分であった箇所や誤って憶えている箇所を正しく説明する。

3.必要であれば、慎重に成績を発表する。

4.試験結果を採点表に記入しておく。

  さて、標題にしている重要な点は、試験問題の程度である。成績評価には通常5点法が用いられている。クラスを1~5の段階に分けて優劣を比較する方法である。この方法の根底は正規分布に類似すると仮定していて、パーセントにし、人数の7%を1と5、24%を2と4、38%を3に分けるところが多い。従って、試験結果を整理して正規分布となれば一番良いわけである。

  採点結果をグラフに起こし、縦軸に人数、横軸に採点結果として、10点刻みとする。5点法からすると、50点前後を取った受講生が38%を占め、70点付近が24%、90点付近が7%となる。更に30点付近は24%、10点付近が7%ということになる。試験結果は常に正規分布になるとは言えないが、正規分布に近づけるような問題設定も必要となる。

 試験問題の難易度も30%を易しい問題とし、40%を適当な問題、やや難しい問題を20%難しい問題を10%とすると正規分布に近づくことが分かっている。

 試験結果の分析であるが、各問題の正答率をグラフにし、当初に区分した傾向がつかめられれば問題はないが、平均点が高すぎても、低すぎても良くない。平均点は50~70点とし、正答率が当初のパーセントとなるように出題を見直さなければならない。また、全員が間違った解答の出題は、理解が出来ていないか、程度が高いか、出題が適当であったかを考える。教え方の工夫も必要となる。反対に全員正解であれば、その問題の必要性、授業時間の短縮、学習目標を上げることが必要となる。(このシリーズ最終回です)


正規分布と問題作成(2回シリーズその1)

2014年05月14日 00時00分01秒 | 紹介

 偏差値は試験結果を分析し、個人の学力が受験者全体のどこのレベルにあるのかを知ることには役立つとされ、我が国で好んで使われてきた分析ツールである。偏差値の数値が、高校受験や大学受験に利用され、それなりの目的を果たしてきたが、統計資料は、何も試験結果の分析だけに用いられるものではない。試験問題を作成する側にとっては、試験結果の分析を十分に行わず、採点だけで終わらせ、試験問題が果たして適切であったかまでは公表されていない。受験者もその関係者も試験問題の難易度を分析する必要性にどれだけ感心を注いできたかの実態は殆ど知られていない。

 そもそも試験は何の目的で実施されているのであろうか、記憶力、基礎力、応用力、理解度、学習進度等問われてみれば意外ともっともらしい答えが返ってくるが、評価のためといえるであろう。チェックとか検査とか測定などと同じで、不良品や欠陥を是正するための手段であり、段階的な工程である。習得したものが正しく身に付き、理解されているかを試験問題という形で適切な時期に実施し、教師にとっては教えたことの習得を見る、受講生にとっては復習する機会を与える等のためである。製品の場合には不良品・欠陥品は廃棄するが教育の場では成績が悪いからと言って廃棄するわけにはいかない。試験は教師にとっては教える方法そのものの良否を判断するという重要な機会でもある。

  試験としては口頭試験、筆記試験、実技試験、観察試験等がある。試験の回数、時期についての詳細は避けるが、問題作成にあたって注意すべき事柄に触れたい。

  各種試験を実施した結果、クラスの平均点が低すぎたり、高すぎたりした場合は、次の視点で試験自体を見直す必要がある。場合によっては年間指導計画を修正しなければならない。

 低すぎる場合、

1.学習目標が高すぎる

2.教え方が悪かった

3.受講者の能力が低かった

4.指導時間が短かった等

 高すぎる場合

1.学習目標が低すぎる

2.指導時間が長すぎる 等

(次回へ続きます)


偏差値

2014年05月13日 00時00分01秒 | 紹介

 あるグループの学力や身長等を相対評価として想定し、個々の測定値が全体のどの位置にあるのかの散らばりを統計的に処理する手法で、正規分布で示される釣り鐘型をした正規分布曲線に従うと仮定して分析を行う。偏差値は得点ではないが、あたかも得点のように取り扱ってきたことで、偏差値の大小がイコール学力でもあるかのような取り扱いをされ、偏差値教育の弊害までもが問題化した。根源は、学歴偏重といわれ、受験戦争に勝ち抜くため、学校のランクを偏差値で決め、教育に携わる関係者の多くが判断の拠り所にしてきたとも言える。

 正規分布は連続する確率変数の確率分布の内で最も重要なもので、統計理論で大切であるばかりではなく、例えば、ある1つのものの長さを何回も測定したときの誤差の分布や、知能テストの成績の分布、一定の集団から一定の標本を何回か取り出したときの毎回の標本平均の分布等、日常の物事でもこの分布に従うものが多い。このようなものの度数分布において、変量を確率変数に、相対度数を確率に見直せば、確率分布としての正規分布が考えられる。

  確率論や統計学で用いられる正規分布は、ガウス分布とも言われ、平均値付近に集積するようなデータの分布で、平均をμ、分散をσ²とするとき、μ=0,σ²=1の分布は標準正規分布または基準正規分布と呼ばれる。横軸に標準偏差(左右±1σ単位づつ増える)を取り、縦軸に頻度(度数:各階級に含まれる資料の個数)を取る。中央値は平均なので0である。釣り鐘型の左右対称となる曲線が描ける。横軸は漸近線で曲線は限りなく0に近づく。

 平均μからのずれが±1σ以下の範囲に含まれる確率は68.27%、±2σ以下だと95.45%、±3σだと99.73%となる。多くの事象は、最小値とテストの100点満点のように最大値が予め定まっている場合がある。このような事象では完全に正規分布に従うわけではない。

  偏差値は正規分布の横軸を51段階で評価すると考え、0から100に区分した。(因みに5段階評価は1σ単位、10段階評価は0.5σ単位である)0.1σを単位としていて、取り扱いやすくするために [×10+50]の加工をしてある。平均μの位置が偏差値50で、上は75、下は25位になる。個々の得点と平均との差に×10倍するのは整数化するためであり、+50は平均の位置を50とするためで、次の式による。

 Z=10(χ-m)/σ+50   Zは偏差値、χは個々の得点、mは平均、σは標準偏差である。


代表値と散布度

2014年05月12日 00時00分01秒 | 紹介

 度数分布表を作成し、全体の分布状態を調べることは非常に重要であるが、そのままの状態では取り扱いに不便なことが多いため、全体の様子を知るには分布の特徴を表す1つの数値(代表値)を用いる。代表値としては、平均値が最も多く用いられるが、メジアン(中央値または中位数)やモード(最頻値または並み数)も用いられる。

  平均値は平均とか相加平均といい、データ総量を個数で除したものである。合理的な一面もあるが、不適当である場合がある。例えば少人数の村落の平均所得を調べるときに、大富豪が1人いるだけで全戸が富裕層となるなどである。

  メジアンは、資料の変量を順に並べるとき、その中央にある資料の変量の値をいう。個数が奇数の時と偶数の時があるが、奇数ならば個数に1を加えて2で割り算すればよく、偶数ならば個数を2で除した値(変量)に1を加えた番目の平均の値をメジアンとする。メジアンは中央に属するものの大きさだけが問題となり、他の大きさに影響しないことが問題であるが、手数が簡単に済むという便利さがある。例えば、クラスの身長のメジアンは中央に来る者の身長を測ればよい。

  モードは度数の最も多い変量の値のことで、全体を代表するという点では合理性を欠くが、簡単に求められることや、調査内容によっては有意義なことも多い。例として、議事の賛否を多数決によって決めることなどである。また、桜の花弁を調べて花びらの代表値を調べるにはモードを使う。

 調査や観測の結果は、平均値などの代表値によってその大体の様子を知り得るが、資料の特徴を表すには不十分である。資料が代表値の周りにどのように散らばっているかを知ればもっと状態が良く理解できる。資料の散らばり度合いを示す数値を一般に散布度という。散布度には、範囲、分散、標準偏差などがある。

  範囲とは変量の最大値と最小値の差である。これは求めやすいが、例外的に変量の値に大きく左右されるから、散布度としてはあまり適当ではない。分散は平均値からの偏差(データと平均の差)の平方の平均(偏差の二乗の平均)をいい、分散の正の平方根(ルート)を標準偏差という。散布度としては標準偏差が最も良く用いられる。

  偏差は各資料(データ)の平均からの偏りを示す量であるから、散布度はその偏差の代表値を求めればよいと考えられるが、単に偏差の平均を求めては、正負の偏差が相殺されて0(零)となり、意味を成さない。そこで、散布度として偏差の絶対値の平均(平均偏差)が考えられるが、これは計算上複雑となり、偏差の二乗の平均である分散が考えられた。しかし、この分散では変量とディメンション(次元)が異なるのでその正の平方根を取って標準偏差としたわけである。


度数分布

2014年05月11日 00時00分01秒 | 紹介

 自然現象や社会現象を調べ、そこから何かの傾向や結論を導き出すためや未知の現象を推定したりするためには、調査や観測によって得られ多データを分析し、整理して見やすい形に纏める。平均や標準偏差などのような資料の特徴を表す統計量を求めることが行われる。統計資料から結論を導き出し、推定する前段階では資料を整理するが、これを記述統計といっている。度数分布は記述統計の一分野で、なじみがないかとも多いと思われるので、用語の説明を簡単にしておこう。

  調査した内容を数値で表すがこれを変量といい、離散変量と連続変量がある。離散変量はとびとびの実数値を取り、連続すれば連続変量となる。変量の取り得る値の範囲を適当な幅に分けた区間を階級といい、あるグループの体重30㎏から35㎏の人の数を一区分し、5㎏毎にグループ分けをするときなど。資料の数が100個ぐらいの時の階級の個数は10個以下にした方がよい。連続変量の場合、度数分布を作るときは必ず変量に幅を持ったいくつかの階級に分ける。これは変量が1つの値を取る度数というのが無意味なので、また、変量をある程度階級に分けて度数を求めた方が全体の分布の様子がよく分かるからである。階級を代表する値を階級値といい、普通はその階級の中央の数値を取る。

 各階級に含まれる資料の個数を度数又は頻度という。相対度数は度数を総度数で除した値である。1つの階級に属する資料は、全てその階級値に等しい値を持つものと考える。

 各階級ごとの度数を見やすくした表や図表を度数分布表・度数分布図表といい、棒グラフ、柱状グラフ(ヒストグラム)、度数分布多角形、度数分布曲線がある。中でもヒストグラムは、柱の高さが度数に比例すると考えるのではなく、柱の面積が度数に比例していると考える。連続変量で、総度数を増し、階級の幅を小さくするとき、度数分布のグラフが近づいていく曲線とした度数分布曲線となる。この曲線によって分布の状態が判る。基本的な形は、対称型、非対称型、L字型、J字型、U字型、M字型、長方形型などがある。

  各階級までの度数の累計を累積度数といい、それを表にしたものが累積度数表・累積度数グラフである。変量のある値が全体の何番目にあるかとか、代表値(メジアン)を知るのに便利である。累積度数グラフは折れ線でグラフを書くが、その下の面積ではなく高さが累積度数を示す。


レジネス(2回シリーズその2)

2014年05月10日 00時00分01秒 | 提言

 学校教育の欠陥は、最終目標である就業することへの準備が殆ど成されないまま卒業させてしまう傾向にあり、企業社会を経験した教育者が学校側に少ないことも原因していて、アルバイトの経験もない歪な学生を世に送り出している。

 レジネスを理解している教育者が何故に社会人教育を避けてきたこと、教育した結果が、社会人たるレジネスのない新入社員を産み、新入社員をどのように教育するかは、見方によっては無垢な者の方が、理屈を言う者よりは教え易いであろうが、如何に無駄な教育をしているのか不思議でならない。社会人は専門分化することにより、様々な経験をして専門分野を広げていくのであるから、将来をふまえて、気長に指導すればと思う一方、鼻から共通する話題すらないと、お互い会話すら出来なくなってしまう。

 企業を梯子して次々に就職先を変える非正規社員の増加の裏には、企業への適応力というか、レジネスへの重要性が見失われているのではないかと思わせる危惧がある。自分の思い過ごしではないと良いのだが。(このシリーズ最終回です)