あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

蝶人葉月映画劇場その2

2020-08-08 14:34:26 | Weblog


闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2247~56


1)崔洋一監督の「友よ静かに瞑れ」
悪人どもと孤軍奮闘する藤竜也がカッコイイ。ラストで彼が去って行く急勾配は軽では登れないだろうね。1985年製作。

2)大林宣彦監督の「彼のオートバイ、彼女の島」
片岡義男の原作を1986年に映画化。カワサキのWを愛する若い男女の愛を鮮烈に描く。原田貴和子はいいなあ。

3)大林宣彦監督の「天国にいちばん近い島」
1984年の原田知世主演のニューカレドニアの観光映画ずら。されどエリック・ロメールに一歩先んじてジュール・ヴェルヌの「緑の光線」のモチーフを取り上げているのは偉い。

4)三隅研次監督の「大菩薩峠」
市川雷蔵は机竜之助の適役だが、眠狂四郎と見分けがつかない時がある。それにしても訳も分からず人を斬る男だなあ。1960年の4度目の映画化。

5)市川昆監督の「穴」
京マチ子主演の1957年のドタバタサスペンスだが、脚本、演出が拙劣で観るに堪えない。あの北林谷栄が普通に若いので笑ってしまう。

6)市川昆監督の「炎上」
三島の原作を1958年に映画化されたが結局吃音の青年僧がなぜ金閣寺に放火したのかよく分からない。もっとも三島も市川も当の青年も分からなかったのだろうが。雷蔵は熱演しているが仲代達也の存在感は圧倒的。

7)市川昆監督の「野火」
1959年の製作だが、田村上等兵の船越英二がふやけた印象で誤算。生きるか死ぬかの戦場のリアリテイは2015年の塚本晋也に敵わない。

8)熊井啓監督の「海と毒薬」
遠藤周作の原作を1986年に映画化。今も昔も同調圧力に振り回される日本人の悲しい性を青年医師奥田英二の葛藤を通じて活写している。

9)小津安二郎監督の「浮草」
中村鴈治郎のしがない旅芸人の座長を軸に京マチ子、杉村春子、若尾文子、川口浩が見事な人情芝居を繰り広げる。1959年の小津安二郎監督の傑作。

10)島耕二監督の「安珍と清姫」
ただ若尾文子と市川雷蔵が出ているというだけの1960年の映画ずら。

ガビチョウが中国渡来と知るまでは絶えなる美声と褒め称えたり 蝶人
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