前々回(15)で、「トリ」で始まる語を辞書から上げておいた。そして、トリは国々と高天原を結ぶ連絡係だったと説明していた。この視点で語源が判る知的ゲームだと紹介した。
この知的ゲームで、取り上げた、1~36の言葉を、トリを連絡員(鳥)に置き換えて、「宇摩説の知的ゲーム」を楽しんで頂いただろうか?言語学者が解けない解明を、自分が解ける事実は実に楽しいものなのだ。
今日は、1~36に、宇摩説のこめんと(一言解釈)を書いておくので、読者が行った解釈と比較して、もう一度、楽しんで頂きたい。宇摩説が史実だから出来る楽しみの一つである。
以下に、先のコピーと、新しく、宇摩説の解釈(*印)を書いておいた。
これまでの話では、
1、「鳥(取り)」と呼ばれた人が、国々と高天原を結ぶ「連絡係」であったこと。
2、各地で連絡が必要な時に、探す目処として、「鳥居」が有ったこと。
3、最初は、連絡係の鳥さんの家の屋根に、「鳥の彫刻」を乗せた事。
4、「天鳥船、鳥石楠船」は、連絡係専用の船であったこと。
5、宇摩郡の伝承に、「トリは高天原に報告に帰る」との伝承がある。
これ等をその時々に書いてきました。
以下は、辞典から、「トリ(鳥・取り)」の項目を書き出しましたものです。
1、とりあう(取り合う)
* トリ・合うは、問題の発生で「トリに会う」。「取り合う」が多い問題なのだろう。
2、とりあえず(取り合えず)
* トリに会えず、「会えないので、当座は、、、」との意味が起源だろう。
3、とりあつかう(取り扱う)
* トリが扱う、地域の大きな問題だった。地域で解決困難な問題。
4、とりあわせ(取り合わせ)
* トリが、(問題の当事者の本人同士を)会わせた。
5、とりい(鳥居)
* トリイは、この「トリが居る」で、標識。古代は鳥の彫刻だった。
* 石に願いを込めて、鳥居に乗せたのが始まりだろう。
6、とりえ(取り得)
* 1、問題解決や、仲介の取り分か?
* 2、「トリ・得」で、トリに因って、(地域外などの)物を得る。
7、とりかえ(取替え) 8に関連。
* 三つある。1、トリを変える。2、トリが帰る。3、取り替える。人・物の交換
* 取替え、「嘘(鷽)変え」の神事などがある。
8、とりかえす(取り返す) 7に関連。
* 1、トリを返す。2、トリを戻す(高天原、地域)。3、交換を破棄する。
9、とりかじ(取り舵)
* 1、トリ・加持。トリが占う。トリが厄を祓う。
* 2、トリの加持(舵・鍛冶)に任せる。
* 3、船を左に向ける。左(高天原)に加持を任せる。
10、とりきめ(取り決め)
* トリが纏めて、双方に約束させる。
* トリが関係(仲介)した決定。
11、とりくむ(取る組む)
* トリが、真剣に話(問題)を聞いた。
* トリが問題解決に動いた。
12、とりけし(取り消し) 8と関連。
* トリが問題を消滅させた。
* トリは約束(うけひ)を無にした。
13、とりこ(虜) 古くは、(28)(34)(35)に関係するか?
* トリは地域に定住。その地に居た(虜=トリ子)。
* トリの子供。
14、とりこしくろう(取りこし苦労)
* トリは広範囲、様々に考えて、悶着を治めたのだろう。
15、とりこみ(取り込み)
* トリを、自分に有利なように取り込んだ。
16、とりざた(取り沙汰)
* トリの裁定。
* 高天原の裁定も含まれる。
17、とりしまる(取り締まる)
* トリが決定(約束、ウケヒ)を守らせた。
18、とりしらべ(取調べ)
* トリが事実を調べる。報告のためにも必要だ。
* トリが約束を守っているか、調べる。
19、とりたてる(取り立てる) 23と関連。
* とり・立てる。トリを重要視。または、トリに新規採用。
* トリが約束の礼(物)を請求する。
20、とりつぎ(取次ぎ) 16・18などは関連だろう。
* トリは高天原に取り次いだ。
21、とりつく(取り付く、取り憑く)
* トリが地域に着いたが起源だろう。
* トリがどちらかに有利に動いた。
22、とりつくろう(取り繕う)
* トリが、地域社会の問題(破綻)を治めた。
23、とりつけ(取り付け) 19と関連。
* トリが、約束の礼を請求。トリがツケの回収要求。
* トリが、約束を取り付けた。
24、とりとめ(取り留め まとまり。要領。
* トリが、事件(問題)をまとめる。
25、とりどり(取り取り)
* トリの解決方法は様々だった。
26、とりなす(取り成す、とりなす)
* トリが当事者をなだめる。
* 問題を高天原に上手く伝える。
27、とりのいち(酉の市)
* トリは高天原から、暦や、厄除け札などを持ち戻った。
* トリは、不足品の手配などで、市に関係した。
28、とりのこ(鳥の子) 鳥の子もち。紙の一種。紅白の卵形の祝儀用餅。
* トリの取り分。または礼であろう。
* 粘着に物事を運んだの野が、起源か?
29、とりはらう(取り払う)
* 1、トリが加持、祈祷を行った。
* 2、高天原の指示などで問題を解決した。
30、とりひき(取引)
* トリが引き合わせた。トリが仲介した。
* トリが引き寄せて合意させた。
31、とりぶん(取り分) 上の「トリコ(28)」であろう。
* トリが貰う報酬。トリへの礼。
32、とりまき(取巻き)
* トリの周囲に群がった人々が起源であろう。
33、とりみだす(取り乱す)
* トリの思惑が外れた。高天原の裁定が否認された。
* トリの裁定案に問題があり、拒否された。
34、とりもち(鳥もち)
* トリの報酬は、餅だった。(28)(35)と被る。
35、とりもち(取り持ち) 上の(28、31、34)を参照。
* 1、トリが仲立ちした。2、仲立ちで餅を取った。
36、とりもの(捕り物)
* 1、トリの物が起源であろう。
* 2、礼を払わぬ不届き者が居て、捕まえた。
以上のように、全て、古事記で神話社会を解く、宇摩説の「トリ」で、説明が出来る。
皆さんの連想の答と一致していたでしょうか?
36問あって、1問3点とすれば、全て正解だと100点を超える。
この知的ゲームは、何点ほどに成っただろう?
宇摩説の神話時代
宇摩説は、「古代の高天原組織は全国にあり、トリは地域に密着した連絡係で、地域の問題解決を担っていた」としている。上の解説を読めば、明らかに、宇摩説の解いた連絡員、「トリ」が判明する。
こうして、言語に残る意味からも、「全国に居たトリ」の存在が証明できる。宇摩説のトリは、古事記から解いたものだが、上に見られるように、トリの語義に見られるように、生活に密着した高天原の地域指導の神の一人である。
何度か、トリについて、古事記から説明したように、連絡係であり、相談にも乗っていた。これは、言語からも証明されて、トリの報酬まで判明した。宇摩の伝承は、古事記にも一致した。トリは、古事記の新解釈宇摩だけが証拠ではない。
こうして、宇摩に残る伝承が、またも、古代史を解く鍵であったことが判る。宇摩伝承は、年中行事にも多く残っている。これらも、もう一度、説明する予定である。
(再度)、このように、宇摩説の基本は古事記から解いているが、これが多くの学問の成果に一致して、宇摩説の補足が出来る。戻って、その様々な学問の疑問を解き、それぞれの学問に貢献できる。
宇摩説は古事記や倭人伝の新解釈に留まらず、多くの学問の謎を解いて進歩させるのである。このような整合は、古代社会が正確に解けた結果であると、私は思っている。
とにかく、言語にも古代が残っている。この事実を示せば、年中行事に神話の話が残る事も理解できよう。古事記の合理的、科学的視点から生まれた宇摩説は、トテモ面白いのである。
日本は人々の基礎認識がバラバラの現状では、発展が望めない。宇摩説のように、神話を、正しく解けば、史実が判り、創作などではない事が明確に成る。このような、古事記を基礎とする共通知識が必要なのである。
日本人は、この古事記に残された日本起源を共通認識にして、和に目的を定めて、共に計り、協力すれば、日本は世界の「和」のリーダーとなり、更なる、発展に向かうといえる。
古事記神話が基礎の「宇摩説の普及が日本と世界を救う」と、私は思っている。
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