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【検証24】狗古智卑狗の墓発見!(その1)

2021-12-25 02:01:54 | 古代史
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二世紀末から三世紀初頭の(第一次)倭国大乱で大活躍した、大国主久々遅彦の父の先代久々遅彦の墓を探していました。熊本県山鹿市から菊池市にかけてその時代の墳丘墓や古墳を見ていましたが、津袋茶臼塚古墳がこの地区の古墳群の中で一番古く、最も高い場所に築造されている1辺約20mの方墳だと知りました。方形墳は丹後半島周辺で盛行した墓制です。後で説明しますが狗古智卑狗のものかと考えていましたが、決め手がありませんでした。

ところが、いつもフォローさせていただいている自転車くまさんの記事(2019-03-16 03:10:45掲載)が検索にかかりました。写真を拝見すると、何と、その墳頂に置かれた石の祠の石仏が弥勒菩薩?とあったのでこの茶臼塚古墳に間違いないと確信しました。石仏の両手が前で組まれていて、手の印形までは拡大してもよく見えませんが、大国主狗古智卑狗の本地仏である弥勒菩薩の印と考えられます。この辺りでは珍しい方墳の、しかもその墳頂に他の仏像を置く理由が考えられないからです(注1)(2022.1.1 自転車くまさんより大日如来だというコメントを頂いたので、注を追加します)

早速、記事のご紹介と写真の掲載をお願いしたところ快諾頂き、再度、多大な時間と労力をおかけし、良い写真にしていただきました。最初の帰路は雨に祟られたとか、大変申し訳ありませんでした。心から感謝いたします。今回は、この今年最後の大発見について記事にしました。少し、長くなるので二回に分けました。最後までお付き合いください(*^▽^*)

津袋古墳群②ー茶臼塚古墳・小町塚古墳
2021-12-22 21:31:32 熊本から気ままに山と自転車のブログ 



魏志倭人伝で狗奴国の王よりも先に紹介された狗奴国の官狗古智卑狗が、大分県大野川流域から阿蘇山麓にかけて鉄製武器の製造のために当時の最先端の軍事コンビナートを作り、さらに菊池川流域に方保田東原遺跡うてな遺跡を築きました。ここを最前線基地として、佐賀平野・筑紫平野を襲撃して倭国王を相当、苦しめていたと推理しています。

しかし、204年に公孫氏が半島を平定し、帯方郡を設置したので、倭国王がその支援を受けて菊池川流域の集落を攻略し、狗古智卑狗を討って戦局を引っ繰り返したと推理しています。

それによって、王を失った縄文海人ムナカタ族の玄界灘を支配していた赤坂比古の一族(後の和邇氏の祖)が倭国王に懐柔され、一族の姫巫女による太陽神の神託に従って政治を行うことを条件に狗奴国を裏切る申し出を受諾したと推理しました。魏志倭人伝では女王卑弥呼の共立とされていますが、政治的な理由でそのように書かれたと推理しました。

ということで、この場所に先代久々遅彦の墓があれば、この仮説を支持する重要な発見になります。まず気になるのは、県教委は茶臼塚古墳を四世紀後半から五世紀初頭に築造されたものと見ています。髙木恭二著「菊池川流域の古墳」( 国立歴史民俗博物館学術情報リポジトリ第 173 集 2012 年 3 月、p.513)によれば、「主体部は不明ながら周溝から土師器の壺が発見されており[中村幸史郎1986a],大塚古墳に先行する段階のもので方墳であることは重要である。この茶臼塚古墳の近くには径 15.8 m,高さ 3 mの円墳である小町塚古墳と小町塚西箱式石棺があり,小町塚古墳は舟形石棺をもつ。」とあります。年代の決定は周濠の土師器によるものとみられます。主体部も残っておらず、石祠があるだけですから、盗掘ではないでしょう。多分箱式石棺と思われますが、時代も不明ですが石棺ごとどこかに移された可能性もあります。この茶臼塚古墳は上のとおり、この辺りにはほとんど見られない方形墳です。南方約3kmのうてな遺跡と、南西方向に約3.4kmの方保田東原遺跡を見下ろす標高109mの高台にあり、墳頂に松の木が平成19年に枯れるまで植えられていたとのことで、恐らくどちらの遺跡からも見ることができるようにするためだったと思われます。一本松公園の名称となっており、この古墳はこの地域のシンボル的な存在であるようです。

現在は山鹿市に在りますが、東側の菊池市の地名は「平安時代中期の承平年間(931年 – 938年)に編纂された辞書『和名類聚抄』ではこの地名を「久々知」と註していることから、上代から古代にかけてはこの地域は「くくち」と呼ばれ「鞠智」と表記していたことがわかる。」とあります(wiki「菊池氏」より)。魏志倭人伝にある狗古智卑狗は兵庫県豊岡市の久々比神社の祭神久々遅命(くくのちのみこと)・久々智神(くくちのかみ)と推理しました。この神は上棟式の祭神で、木の神であり、鍛冶の神でもあります。両親は伊弉諾・伊弉冉となっていますが、スサノヲの子イタケルも木霊とされているので、狗古智卑狗はスサノヲ・イタケルの直系の子孫と考えています(久々遅彦は襲名され、大国主の先代です。古事記に大国主はスサノヲの六世孫とあります)。

狗古智卑狗は上述のとおり、倭国大乱で狗奴国軍を率いる大将として活躍しましたが、倭国王難升米によって方保田東原遺跡とうてな遺跡が攻撃されて、ここで戦死したと推理しました。倭国側は半島が混乱していた時期は鉄の供給が途絶えて銅鏃を作って使用していたことが分かっており、これら二つの遺跡のそれぞれの溝から銅鏃が発見されていますので、倭国側の攻撃があったことが分かります(「【検証18】倭国大乱の痕跡だ!」参照)。
(左クリックで拡大)
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方保田東原遺跡は、「幅8mの大溝をはじめとする多数の溝や100を超える住居跡、土器や鉄器を製作したと考えられる遺構が見つかっている」約35haの大規模な集落です(wiki「方保田東原遺跡」より)。弥生後期の住居跡から鉄鏃が大量に出ています。山陰や近畿など西日本各地の土器が運び込まれています。また、うてな遺跡は菊池川支流の迫間川東側の台地にある弥生後期の大型集落跡です。1号方形周溝墓~3号方形周溝墓・1号木棺~4号木棺・1号壷棺が検出されています。

方形周溝墓は弥生前期末の近畿に見られ、古墳前期にかけて列島で広く分布していますが、特に近畿以東で盛行しており、西には余り見られない墓制です。「方形周溝墓は弥生時代より早い時期に朝鮮半島に大量に発見されている。墳丘墓は、水稲耕作などと共に朝鮮半島南部から伝えられたものと考えられているが、北部九州では方形周溝墓は極めて少なく近畿地方に発見され始める。その理由は方形周溝墓を作る集団が北部九州に定住した後、短い時間に近畿地方に直ぐ移動したからだと考えられている。」とありますが(wiki「弥生時代の墓制」より)、半島に渡った縄文海人族が列島に戻って畿内で始めたと考えられます。ですから、狗古智卑狗が率いた縄文系の人々が倭国大乱で倭国軍と戦って戦死して埋葬された可能性があります。周溝の土師器は、三世紀後半の大国主久々遅彦と女王台与が倭国を支配した時期に、慰霊の儀式をした際に置かれたものかも知れません。

先代狗古智卑狗は恐らくこの「うてな(台)」を居城としており、ここで戦死したのではないかと思います。方形周溝墓は集団墓ですので、王墓はやはり、二つの遺跡を見渡す高い場所である茶臼塚古墳が最もふさわしいと思います。卑弥呼の父の赤坂比古が築造したと考えられます。
(つづく)

(注1)茶臼塚古墳石仏は大日如来 (自転車くま)2022-01-01 10:34:59
茶臼塚古墳石仏について、大日如来のことがありましたので、写真を再度検証したところ、石仏は大日如来のようなので「津袋古墳群②ー茶臼塚古墳・小町古墳」を追記・訂正させて下さい。自転車くま
(追記・訂正:2022.1.1)
2015.12.2の探訪記で、茶臼塚頂きの石仏の手が写真では合掌をしているようなので「弥勒菩薩?」ではとしていましたが、2021.12.22の写真をトリミングして確認(写真7参照)したところ、「右手が左手の指を包むような形を智拳印(ちけんいん)といい、大日如来独特の印相」(仏さまのハンドサインー彼岸寺ホームページ)のようなので、訂正させて頂きます。

というコメントを頂き、以下のようにお返事しました。
Re:茶臼塚古墳石仏は大日如来 (刮目天 一(はじめ))2022-01-01 12:44:32
ただいま大日如来を確認しました。日本密教では、両界曼荼羅(金剛界曼荼羅・胎蔵曼荼羅)の主尊とされ、さらには虚空にあまねく存在するという真言密教の教主[5]、「万物の慈母」[9]、とされる汎神論的な仏[4]。wiki「大日如来」より)
ということは、先代狗古智卑狗の本地仏弥勒菩薩が、さとりによって最高位の大日如来に位が上がったのですね。やはり、茶臼塚古墳は先代狗古智卑狗の墓でいいかと思います。そして北東に米神山で、米神山から大日如来の霊的エネルギーを吸収して大日如来の依り代となる神奈備山となったということなのかしら。
大変貴重な情報をありがとうございます。




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